ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

019:「反共和党デモ行進:彼らの場合」の巻

2004-09-10 | ブルックリン横丁
台風の接近よりもNYを騒ぎのるつぼに陥れているのが共和党の全国大会@マディソン・スクエア・ガーデン。日本のメディアでもかなり報道されているのでは?言うまでもなくここNYでツイン・タワーが崩壊し、イラクで沢山の若者や子供達が犠牲になり、世界は温暖化の影響で異常気象が続いている。極論を言えばその一端を担っているとも言えるブッシュ政権。反ブッシュ派の市民は挙ってプロテストをし、ニュースではNYPDに取り押さえられたり逮捕されたりする一般市民の姿が大写し。

そんなアツいNYの週末、ウチらは呑気に庭でBBQをした。通り向かいに住む3兄弟、上からチューマ、チー、カイも遊びに来て大賑わい。彼らの母親であるアキムは黒人と中国人のハーフ。彼女が若い頃感じた民族的意識や自我の問題なんかについての体験談はまるで太陽の将来のようで興味深い。アキムの母親は中国人だから、家庭の手料理といえば中華だったそう。黒人って肌の乾燥を極度に嫌って新生児にでもべったべたにベビー・オイルを塗ったくったりしてるんだけど、もちろんワシにはそんな文化はないのでうちの太陽の肌は割とマットでたまに粉を吹いてたりするんだが、そのことをアキムに言ったら彼女も独り立ちするまでは粉を吹いてたそうだ。

ところでBBQもたけなわな頃にふと話題は共和党の全国大会に反対するデモ行進の話に移った。
ウッドストックとかベトナム反戦運動とか、60~70年代のカウンター・カルチャーに憧れたこともあったワシ、「プロテストの行進に参加してみたい気もする」と発言。(ワイングラス片手にそんなこと言っても説得力ないんだけど。)するとアキムの旦那の黒人弁護士レジーは一言こう放った。「プロテストしても逮捕されるだけですむのが白人。俺らの場合は警棒でボコボコにされてしまいに撃たれるのがオチだし。」ほほぅ。なるほどニュースを見てもヘラヘラ笑いながら逮捕されたり、セミ・ヌード姿を曝したりしてる女子大生とかってみんな白人だわな。彼らにしてみれば「理由あっての反抗」ってことでちょっとしたヒーロー/ヒロイン気分、もしくはお祭り感覚なのかもしれん。ワシも気分的にはそうかも。だけど肌の色が違うだけでこんなにも捉え方が違うとはね。TVに映るデモ参加市民がみな白人ばっかだからって、「ほらまた黒人は政治参加意欲が薄くてダメじゃん」とか思っちゃ駄目なのね。ま、そういうヤツらもいることはいるが。俗に“コンシャス”と呼ばれる黒人たちの話についてはまた今度…。色々ありますわな。

018:「ダメ主婦の告白」の巻

2004-09-10 | ブルックリン横丁
ここのところ気持ちの良い天気が続くNY、天井が抜けた居間の修復工事もほぼ完了、朝の8時きっかりに現れ黙々と仕事するアミーゴ達との奇妙な共同生活もそろそろおしまい。それはそれで寂しいものがあるな。あまりにもシーンとしながら仕事してるんでラジカセ貸してあげたら次の日からマイCD持参で一日中歌いながら活き活きと働くアミーゴ達なのであった。私も負けじと(闘ってどうする)隣の寝室からニューヨリカン・ファンクやラテン・ジャズのCDをガンガンにかけて彼らの労働意欲を刺激する。しかしワシのスペイン語はほぼ通じず。NYCに限って言えばスペイン語圏の人口が英語圏のそれを上回ったというこのご時世、太陽が大人になる頃には英語とスペイン語はフツーに話せてなきゃならんのだろうね。

それにしても8/11にNYに戻って以来ただの一度も炊事というものをしていない。キッチンが居間の一部になっているので仕方なく出前&外食ライフをエンジョイしていたのだが毎日ともなると嫌だね。それでなくとも里帰りで全く家事っちゅう家事を母親とチェロ奏者Aちゃん任せにしていたので(子育ても含め)、ほぼ2ヶ月ほど主婦休業状態。わはははは。