ガラパゴス通信リターンズ

3文社会学者の駄文サイト。故あってお引越しです。今後ともよろしく。

恋人はサンタクロース♪

2008-12-25 12:44:40 | Weblog
 恒例の合同ゼミが先週末開かれました。加齢ゼミの1つのチームは、クリスマスの研究。「anan」と「cancam」を80年代から分析。彼女たちによれば、クリスマスが女の子雑誌によって「発見」されたのは1983年だったとのこと。まだこの頃は、クリスマスは女の子が男の子に「手作り」の品物をプレゼントするイベントだったようです。バブル突入の85年からは、女の子が男の子に「おねだり」をする日になりました。

 バブルがはじけた92年には女の子雑誌から「おねだり」ということばが姿を消し、4年ほどの「自粛期間」がありますが、96年にはクリスマスの「おねだりカタログ」が復活し、現在までそれは続いています。不況であればせめてクリスマスぐらい豪勢にすごしたいということでしょうか。雑誌や活字メディアの衰退が叫ばれるなかで、女の子のライフスタイルに対して雑誌が大きな影響力をもっていることに驚かされます。

 学生たちは、クリスマスの思い出についてのインタビューを色々な世代の人たちにとっていました。バイト先で知り合った地味で堅実な感じの40代の女性が、「学生時代、サラリーマンのカレシからポンと30万円のバッグをプレゼントしてもらったわ」と話していたのでびっくりしたといっていた学生がいました。バブルとはすごいものだと思ったようです。

 クリスマスが華やかなイベントになればなるほど、カレシカノジョがいない若い未婚の男女にとってはつらい季節となります。アルバイト先の休憩室で同僚の女性にインタビューをしていた学生は、そばに座っていた30前の男性から「俺にはクリスマスにいい思い出は一つもないんだ!そんな話しはやめろ!!」と怒鳴られたとか。34歳フリーター男性の「昔はクリスマスも色々なことがあって楽しかった。この歳でこの境涯では、クリスマスなど来ないでくれと思う」ということばには胸が痛みました。

20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
不思議だが (かつのり)
2008-12-25 20:47:02
大変不思議なことですが、私はクリスマスがつらいと思ったことはありません。谷中の狭いアパートの一室にいても別になんとも思いませんでした。

というのはクリスマス自体について、なんにも思わないからでした。そういえば子供の頃だって、サンタさんを信じたこともないですね。

なぜクリスマスの時だけ特別に寂しくつらく思うのでしょうか? 若い人の感性が大きく変わったのでしょうか。

そういえば、バレンタインにチョコレートというのも、私にはよく分かりませんよね。(←おい、おい、誰に言っているんだ) チョコというお菓子を子供の頃あまり食べられず(だって一箱50円もするんだもの)、それに対する羨望感の記憶が強いです。

結論としては、「それ(クリスマスorバレンタイン)、なあに? 僕知らないよ」といえるような境地になっていないのが問題なのです。(ただし私は訓練の末にそういう境地に入ったのではない。最初からぴんとこなかったのだが)。
返信する
マッチ売りの少女 (かつのり)
2008-12-25 20:50:54
>34歳フリーター男性の「この歳でこの境涯では、クリスマスなど来ないでくれと思う」ということばには胸が痛みました。

蟹工船が流行っているそうですが、「マッチ売りの少女」のリバイバルが必要かもしれません。みんなで朗読したりしたらどうでしょうか。「幸福の王子」なんかと詰め合わせが良いですね。

↑ おいおい、新しい文学が必要だよ。えーと、なにかいいお話はないですか?


返信する
加齢蝉 (hikawa)
2008-12-25 21:28:02
加齢蝉って響きがグッドです!!!
俳句の夏の終わりごろの季語にぐぅ~!!

加齢蝉 あかもみじにて しぐれなき

おそまつでやんした
返信する
加齢蝉 (かつのり)
2008-12-25 21:39:36
加齢蝉、冬の季語にどうでしょうか?

公園の木の葉っぱの裏側には、まだ蝉の抜け殻がくっついていたりします。それを見ながら、過ぎ去った夏の日々を思い出す
返信する
太郎が (加齢御飯)
2008-12-25 22:40:02
 かつのりさま。
 
 「結論としては、「それ(クリスマスorバレンタイン)、なあに? 僕知らないよ」といえるような境地になっていないのが問題なのです」。

 去年まで太郎には、「ろくろセット」(引退した団塊世代の陶芸趣味に訴えるかのような)だとか、割合高価なものをクリスマスプレゼントとして与えていました。今年は6年生だからもうサンタも信じていないだろうからと手抜きをして、ペンケースとシャープペンをサンタの贈り物にしたらいたく傷ついたようです。プレゼントが不満という以上に、世界的な経済危機の影響でぼくの年収が激減したためだと思ったからだといいましたまる
返信する
加齢蝉 (加齢御飯)
2008-12-25 22:44:19
 hikawaさま、かつのりさま。

 加齢蝉、いいですね。
 昔、漢字の表記は忘れましたが、中国にミンミンという有名な社会学者がいました。彼のゼミは、「ミンミンゼミ」。

 タイに一度だけいった時に、tukutukuというバイクが引っ張る人力車のような交通機関をよく利用したものです。バンコクの街角でtukutukuに乗ったお坊さんを見かけました。「あ、ツクツク法師だ」と思い手を合わせましたまる
返信する
恐れるクリスマス (もも)
2008-12-26 12:26:44
 キリスト教の聖書には、イエス・キリストの誕生のところに、「夫ヨゼフは義人であって、マリアのことを公開したくなかったので、ひそかに離縁しようと望んだ。」すると主の天使が夢に顕れて言った。「ダビデの子ヨゼフ、恐れずにマリアを妻として受け入れよ。」とあります。

 クリスマスは、なにやら恐ろしい日のようです。
 だから、せめて温かく、安らげるように過ごしましょう。
 と反応する人もいれば、ひそかにやり過ごしましょうとする人もいるでしょう。

 何が恐ろしかったかというと、「ある男と婚約している処女の娘がいて、別の男が町で彼女と出会い、床をともにしたならば、その二人を町の門に引き出し、石で打ち殺さねばならない。その娘は町の中で助けを求めず、男は隣人の妻を辱めたからである。」(申命記22章)と結びつけるからです。

 この結びつけを嫌がるキリスト教徒のなかには、マリアは乙女と書いてあるけれども「処女」とは書いてない、という人もいます。

 フェミニストという人のなかには、申命記のこの箇所を「女性差別」と結びつける人がいます。男も女も打ち殺せ、としているとは詠まないようです。

 さらに後段の「娘と野で出会い、これを力ずくで犯し共に寝た場合は、共に寝た男だけを殺さねばならない。その娘には何もしてはならない。娘には死刑にあたる罪はない。」は無視するようです。

 日本のクリスマスの話とキリスト教を結びつけてしまい、ご無礼いたしました。
返信する
Bach,Schutz (katunori)
2008-12-26 14:07:50
うんやっぱりクリスマスといえば、バッハのクリスマスオラトリオとシュッツのクリスマス物語を聴くことでしょうか。いずれもクリスマスらしい、心が晴ればれするような音楽です。バロック音楽のことを全然知らない人でも、この音楽を聴くとクリスマスの音楽だと判るようです。
返信する
やはりクリスマスは恐ろしい (加齢御飯)
2008-12-26 15:29:04
 「娘と野で出会い、これを力ずくで犯し共に寝た場合は」

 ももさま。すみません。「娘」を最初「狼」と読んでしまい椅子から転がり落ちました。獣姦の習慣がそれほど一般的だったのか。そして古代ユダヤの民は、狼の牝を「力づくで犯」すほど強かったのか、とあらぬ想像をしてしまいました。セント・ニコラウスにも、人間をミンチにして食べただかの言い伝えがあるようです。やはりクリスマスは恐ろしい。
返信する
バッハといえば (加齢御飯)
2008-12-26 15:33:33
 katunoriさま。太郎たちは去年、アンサンブル・コンクールでパーセルの「アブデラザール」をやりました。

http://blog.goo.ne.jp/binbin1956/s/%A5%A2%A5%D6%A5%C7%A5%E9%A5%B6%A1%BC%A5%EB

 今年はバッハと同時代人で存命中はバッハをしのぐ名声を得ていたというテルマンの曲です。太郎たちのチームは、県大会を勝ち抜いて茨城で開かれる東関東大会に進みました。聴きにいくのが楽しみです。
返信する