ガラパゴス通信リターンズ

3文社会学者の駄文サイト。故あってお引越しです。今後ともよろしく。

幾度もあいさんに答えて

2008-04-08 15:15:08 | Weblog
「所得保障にみんなが賛成なら、社民党でも共産党でも選挙公約にすれば、与党になれる、わけないですよね。 だから「憲法9条」なんて言っている」。

 たしかに「憲法9条を守れ」という既成左翼の議論は愚劣ですよね。憲法9条がなくても、国連憲章とパリ不戦条約がある限り戦争は国家犯罪でしかないのですから。大体社民党の前身の社会党が政権に就いた時に、社会党の村山首相は何といったか。「自衛隊は違憲だが、自衛隊法に適合しているから合法」という「違憲合法論」を持ち出してきた。本当は憲法なんてどうでもいいんですよ。あの人たちは。

 しかし、社民党や共産党しかないから所得保障の議論が現実味をもってこないとはいえないでしょうか。何しろマルクス主義に根をもつ「働く者」=賃労働者の政党ですから。勤労と所得とを切り離すという所得保障の考え方からもっとも遠い政党だともいえます。

 若者たちの現在の窮境は、日本に緑の党がないことと大きな関係があるとぼくは考えています。何しろ労働は環境に対する暴力です。働かないのが一番環境にやさしい(笑)。環境保護を国是とするドイツ人の労働時間が極端に短いのも決して偶然ではないでしょう。緑の党があれば、必要な時だけ働くというフリーター的生き方は「環境にやさしい」として称揚されたでしょう。仕方のないことではあるし、正当なことでもあると思いますが、若者を擁護する学者たちが「若者たちは働きたがっている」ことを強調することにもぼくは違和感を抱くものです。日本には労働の倫理だけが根を張っていて、反労働の倫理があまりにも弱い。「怠ける権利」を積極的に主張する若者が出てきてほしいとぼくは望んでいます。

 所得保障がなされれば人々は必要以上には働かなくなるでしょうから、CO2排出量も劇的に減るでしょう。環境を第一義に考える「緑の党」が日本にあれば、所得保障が急速に現実味を帯びるとぼくが考える所以です。あいさんが中心になって、若い人たちの力で「緑の党」を立ち上げるというのはいかがでしょうか。