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安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

修道院の医学の本質 36 修道院医学の根幹 25 修道院の庭園 01 古代エジプトのミイラにも使用されたハーブ「アニス」 

2024-04-03 04:00:00 | 修道院の断食・医術・ハーブ
30年前、愛知県豊田市の足助(当時は東加茂郡足助町)の山奥、五反田に

土地を与えられ、断食祈祷院を与えられた時、

断食に来会された方から1冊の福音派の雑誌をいただきました。

その巻頭にキリスト教会、特に修道院が培ってきた

ハーブの美しい写真があり、ハーブの入門書となっていました。

その特集で、聖書はハーブの最大のテキストであり、

2000年間のキリスト教史において、重要な意味を持つものであることを

始めて知ったのです。

そこで建設したばかりの祈祷院の片隅に

豊田市のホームセンターで買ったアップルミントと

ジャーマンカモミールの種を蒔きましたところ

翌年、アップルミントは増殖し、カモミールも黄色い花が咲いたのです。

そして3年後、資金が与えられ、建物の増築と同時に

農場も設けることができ、真っ先に植えたのはハーブでした。

そのために修道院のハーブの歴史、イギリスやドイツの庭園のハーブなど

の本を購入して、それを参考にして整備していきました。

さて修道院では修道士(女)たちの健康維持、管理と同時に

修道院に訪ねて来る病人、また宣教区内の人々の病気の手当、

つまり修道院の医学は、ハーブを中心に発展していきました。

そしてキリスト教を国教にしたローマ帝国の本拠地である

イタリアは帝国時代から培ってきた高度な庭園文化が発達していたのです。

その高度な技術とエジプトで生まれた修道院は、

5000年の歴史を持つエジプトの薬草技術(主にハーブ)を

修道院は見事に継承したのです。

それを修道士たちはアルプスを越えて、

ドイツなどヨーロッパ各地に建設された修道院で花開いていきました。

今日のハーブは修道院での絶え間ない研究で連綿と

今日まで続いているのです。

特にドイツの修道院では更にハーブは更に深く研究されていきました。

その修道院ではビンゲンのヒルデガルト(注・01)は、

特に今日でも西洋医学に大きな功績をのこしていることで有名です。

その庭園で培われた膨大なハーブの中から一部を

「修道院の医学」に記載されたものだけを紹介していきます。

1・アニス
アニスは、セリ科の一年草。

古くから香料や薬草として利用されてきました。

原産地はアナトリア半島、ギリシア、エジプトといった地中海東部地域です。

開花期には花茎が伸びて高さ50 cm ほどの高さにまで成長します。

種のように見える果実をアニス果(別名:アニシード、aniseed)と呼び、

香辛料として用います。西洋茴香(セイヨウウイキョウ)と

表示されることもあります。

香りの主成分はアネトールであり、同じ成分を持つ

フェンネルシード(ウイキョウ)、甘草(カンゾウ)と似た甘い香りがあります。

原産地は、アジア西部からヨーロッパ東部の地域です。

古代エジプトや古代ギリシア、

古代ローマの時代から栽培されていたといわれます。

古代エジプトではミイラを作る際の臭い消しの一つとして用いられました。

エジプト最古の医薬書エーベルス・パピルスにもアニスが記載されています。

アニスは古代ギリシアの時代には主として薬草として扱われ、

母乳の分泌を促進する、あるいは分泌期間を延ばすものと信じられてきました。

ローマ人は胃のもたれを解消するため、アニスケーキを食しました。

そのほか、健胃剤、駆虫剤、去痰剤、歯磨き粉の成分として使われてきました。

アニスには、殺菌効果があることから咳や痰を抑え、

消化を助ける働きがあるハーブとして栽培されてきました。

アニスの葉と種には独特の甘くスパイシーな香りがあり、料理やお菓子、

リキュールの風味付けとして使われています。

 葉や花はサラダに、また、魚や野菜料理にもよく合うようです。

スパイスの代表とも言えるアニスの種子の芳香は、

精油に多く含まれている「アネトール」という成分にあります。

また、同じ成分を含むものにモクレン科の八角(ハッカク)がありますが、

これは果実を利用し、スターアニスと呼ばれています。

アニスシードのハーブティー

油を多く使った料理の食後に飲むとスッキリするのが、

アニスシードを使ったアニスティーです。

アニスティーは、アニスシードをつぶしたものを

小さじ2杯ほどポットに入れ、熱湯を注ぎ、

フタをして5~10分ほど蒸らして出来上がりです。

効能
アニスティーには、消化促進や口臭予防、

たんを切る効果などがあると言われています。

せきやたんで困ったらアニスティーでうがいをしてみましょう。


ヒルデガルト(注・01)
1098年 - 1179年9月17日は、中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長であり神秘家、作曲家。史上4人目の女性の教会博士[1]。医学・薬草学に強く、ドイツ薬草学の祖とされる[2]。彼女の薬草学の書は、20世紀の第二次世界大戦時にオーストリアの軍医ヘルツカ(ドイツ語版)により再発見された。世に知られた最初のドイツ人博物学者とされる。才能に恵まれ、神学者、説教者である他、宗教劇の作家、伝記作家、言語学者、詩人であり、また古代ローマ時代以降最初(ギリシア時代に数名が知られる)の女性作曲家とされ、近年グレゴリオ聖歌と並んで頻繁に演奏されCD化されている。神秘主義的な目的のために使われたリングア・イグノタという言語も考案した。中世ヨーロッパ最大の賢女とも言われる。
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