ベリーダンサーASYA ☆ オフィシャルブログ

レバノンを拠点に、アラブ諸国を股にかけた過去を持つベリーダンサーASYA(アシア)の今と昔の奮闘日記

マニュアルチック(上)

2009-06-27 01:43:41 | レバノン

近所のヘアサロンで髪の毛を整えてもらっているその日、私は考える。

果たして時間通りに始まるのだろうか、と。

開始時間は16時。

そう、この日はビデオ撮影が行なわれる日。

私を入れた数名のダンサーも含め、今回は総勢で15人ほど、エージェントに所属する歌手やワンマンショー(1人でキーボードを弾きながら歌を歌うのでこの名称)のアーティスト用にプロモーションビデオを作製するため、ベイルートのダウンタウンに位置する、とあるクラブにやってきた。

このクラブ、今は閉店、営業していないのだけれど、ビデオ撮影の時や、ラマダンの際に行なわれるガラショーの会場として使われ、私としては結構勝手を知ってるところ。

坂道に面したこのクラブ、入り口はネオンサインの真下、階段を数段下がったところにドアがある。ドアを開けると薄暗い踊り場で、そしてその先数メートルのところには2つ目のドアがある。押しても引いても開くその2つ目のドアにはステンドグラスが施してあって中々素敵なのだけど、ドアを開けるとおっと危ない、すぐ降りていく階段が。どういう設計してるんだ、この建物。と、毎回思うがすぐ忘れる。

Lebanon, full of surprises...

ちなみに、ベイルートにはハードロックカフェもあるのだけど、そのハードロックカフェ、入り口から入るとすぐ右側にお土産やさんのカウンターがある。背の高いそのカウンターから奥には、お店の人、そして品物が置いてあるのだけど、なぜかそのカウンターは、端から端までカウンター。サイドにドアも見あたらなければ、カウンターの一部が開けられて出入りできるようになってもいない。

実はこのカウンター、出入り口を作るのを忘れてしまった(もしくはなくてもいいと思ったらしい)のか、お店の人が出入りするには、そのカウンターをよじ登らなければいけないらしい。(実際カウンターに一度腰掛けて反対側にジャンプしてたお店の女の子を目撃したっけ。お年の方にはこの売店では働けませんね・・・)

これは前にそこに務めていた人に聞いた話なのだけど、それをデザインした南アフリカ人が、ドアを忘れてしまったけれど、レバノンならこれでも大丈夫でしょ、って事で決行されてしまったらしい。全く持ってレバノン人をバカにしてるよね、と言って過去にそこでマネージャーを務めていたある彼は憤慨していたけど、それはそれで機能させてる君達も偉いと私は思う。

 (ベイルートにお越しになる際には話の種にハードロックカフェのお土産売り場、見に行ってみてください)

さて、話は戻り、16時ぴったりに到着した私はクラブに一歩足を踏み入れると意外や意外、既に何人か来ているではありませんか。

ステージにはライトが照らされ、それを囲むように配置してあるテーブルや椅子は、ところどころ歌手やアーティスト、その連れや友達などで埋まっている。 と言ってもテーブル2、3個分だけど。

ステージから少し離れたその場所にはいつものカメラマンのおじさんがカメラを立てている三脚の高さを調整したり、照明をつけたり消したり角度を確認したりとそこと音源の場所をてんてこ舞いで行ったり来たり。音の調整のためか、その間ステージ中央にはウードを弾きながら歌う整髪料一杯オールバックの青年。 

気付けば時刻は17時。16時ぴったりに来た自分も内心、16時開始じゃない訳ですか?と思う。けれど時間通りに始まるはずがないので、時間通りに来た自分が浅はかだっただけ。

じきに撮影が始まり、先ほどのウード歌手、追って数人の歌手の順でパフォーマンスが行なわれる。

撮影はこんな感じ↓

  

そしてとりあえず出番がない私は、他のアーティストが歌っている間、2年前の撮影の時の記憶に徐々に浸っていくことになる。

~続く~

コメント
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