2009年6月7日。
時、数日後の今週日曜日。(もう明日になっちゃけれど、書き始めは数日前でした・・)
レバノンでは国中で国会総選挙の投票が行なわれる。
3つの宗教。18の宗派。複雑な宗派構成が入り組み、モザイク国家とも呼ばれるレバノンは、政治的にとても不安定な国だったりする。
(政治的に他の国が関与したりと、複雑なレバノンという国を、今度改めて分かり易く説明できたらいいなと思う・・・誤解のないように言っておきますが、とても良いところですよ)
始めてレバノンを訪れた3年前の夏や(2006年イスラエルのレバノン侵攻あり)、レバノンで踊っていた2年前の春から夏の期間(2007年、アットランダムでの爆破テロ)、その後にもちょくちょく訪れているレバノンは、いつの時も何かしら非常事態が起きていたりもしたもの。2008年の5月には、空港が封鎖されるまでの事態に発展してしまった戦闘があったことを考えると、今回ベイルート入りしてすぐに感じたことは、いつもより落ち着いていて、とても平穏だということ。
が、幹線道路沿いで見かける看板宣伝の多くは、「どこに投票しよう!」的な小洒落た宣伝ばっかだったり、いつもより車のクラクションがうるさく、時には車が何台も連なって音楽を流し、政治グループのテーマカラーの旗をなびかせ、「おいおい、落ちるよ!」と言いそうになるぐらい車から身を乗り出して、両手で政治的ジェスチャーをしている人々を見かける毎日。政治的な意味を持つ特有なクラクションの鳴らし方で、正直何かのお祭り騒ぎかと思わせる。
(撮った写真を載せたい気もするけれど、ちょっと待ってから載せようかと思う自分がいる)
先日見かけたオレンジ色のワンピース、なかなかいいけどポリティカルカラーのひとつだもの、買ってもここでは着れないよな、と私まで気を遣ってしまう。国中の政治的関心は高い。
過去の爆破テロ事件や暗殺事件もやっぱり政治的な目論見があって実行されたものが故、今回の総選挙では、政治対立が表面化することが懸念され、政治・治安状況が心配されている。今回の選挙で、プロアメリカ、プロシリア・イラン、どっちが勝ってもどっちかが不満に思って衝突があるかもしれない、という見解も少なくはない。小さなことから一大事に発展してしまうのも中東の熱いところなのだろうから。(そんな冷静に語ってる場合でもないんだけど)
今回の投票に伴って、物理的に国内にいないと投票できないシステムのため、海外に移住しているレバノン人が大勢国に帰ってきているとか。そして支持者に旅費を出して国に戻ってもらうスキームがあったりするらしい。
ただ、明日に控えた選挙、幸いこれまで特に大きな事件に発展したようなケースはしない。このまま平和に事が運んでくれるのを願うのはもちろん私だけではなく、レバノン人なら誰でも願うこと。
明日に備えてなのか、つい今しがた、軍の車両が連なって運転されているのを見かける。数えてみると、16台。その中には戦車も10台ほど。日本ではこんな光景目にしないけれど、ここにたくさん出入りしていると普通のことに思えてくる。最初に迷彩服を着て銃をもった軍人さんを町の一角で見かけたときは、それはそれは驚いて怖くなったものなのだけど。
日本大使館にて得た治安情勢によると、ポリティカルミィーティングが行なわれる場所には近づかない。選挙投票所になっている学校も多いため、学校には近づかないように、とのこと。
・・・って私がいるところ、学校のすぐ隣なんですけど?
結果の分かる翌日からの方が逆にこわいのか。。。
もちろん、今日の夜、明日も一日外出せずに大人しくしていますとも。
レバノンに、レバノンの情勢を、肌で感じる時期にいる。
今もほら、外からクラクションが聞こえてくる。