彼は、エージェントの専属ドライバー。青いセダンの古くてきったなーい(特に中が)トヨタ車を運転するフセイン。
といっても自分都合でその日到着するアーティストをピックアップできなかったり勝手なんだよね。全く。
でも先日、私がベイルートに到着した日は空港に迎えに来てくれたフセイン。
意味ないじゃん?と思うことにもクラクションを鳴らしすぎる彼の運転。ポンコツ車に揺られながら、レバノンに来るたびによく思うことのひとつを思い出す。
それは、レバノン国中での車の運転がすこぶる荒いということ。
道がきれいに整備されているUAEでも皆スピードは出すし、運転は乱暴だし、アルジェリアなんてノーマナー・ノールールで「ひどい」って言葉だけじゃ表しきれないのだけど、レバノンは論外。
言葉じゃ表しきれないスリルさと思うべきか、度胸試しなのか。
インフラが整っていないレバノンでは、未だ内戦の傷跡なのか道はぼこぼこ、ハイウェイ(高速)と呼ばれる幹線道路だったとしても何車線か分かるような目印(通常道路に引かれている白い線)はなかったり、とにかくめちゃくちゃ。ちなみに、色んなところに出かけるけれど、信号はひとつくらいしか見たことがない。
そんな中、ゲーム感覚で運転するんじゃない!と言わずにはいられなくなってしまう様な超暴走車がうじゃうじゃいて、それに負けじと横道からは急に入り込んでくる女性運転手、正規の道路ではない、道のサイドのスペースも利用して運転。クレイジードライバー達に太刀打ちするかのように運転し、常に割り込みを試みるおんぼろバスの運転手。
そんなバスでは、ここで?ってなところで人を降ろすし、そんなところで降りた乗客は果たしてどこに行くのか?と思っていればその足で高速を横切ろうとするし。(アルジェリアでも高速道路を足で横切る人たちは数え切れないほど見かけたけど)
その場にいないと忘れてしまいそうになるけど、レバノンに戻ってくると、運転の荒さはその時々のレバノンを表しているのかと思う。
良いんだか悪いんだか、ある意味レバノン人が元気な印だと思うベンチマーク。今回はいつもより荒い運転が目立つ気がするけど、レバノン人が元気な印なのでしょう。