鬼神の秘密

'05~'06オセロ世界チャンピオン 為則英司のブログです。

WOC2005予選編(その1)

2006-05-15 22:58:22 | WOC2005
昨年の世界選手権・準決勝について書き終わったので、今度は予選13Roundについて書いていきます。昨年すなわちWOC2005で、私は予選13試合を全勝で通過したわけですが、一昨年のWOC2004では9勝4敗で5位になり予選落ちの辛酸をなめました。

私のWOC2004と2005の結果の違いは何なのか?答えは明白です。それは、対戦相手についての研究量の差に他なりません。WOC2005の場合は大会前に、対戦が予想される強豪選手の棋譜をOthBase(メグリオ氏作成のデータベースソフト)を使って入念にチェックした上で、それぞれの選手に合わせた対策を決めて試合にのぞみました。その対策の内容について、これからブログに書いていくつもりです。

ところで、なぜWOC2004の前に対戦相手の研究をやらなかったかというと、恥ずかしながら、データベースソフトが存在することすら知らなかったためです。一昨年の世界選手権でフランスのメグリオ氏に出会い、実際にOthBaseを使わせてもらい、その威力に驚きました。

もっと言うと、一昨年に私が持っていたオセロ研究ツールは時代遅れそのものでした。パソコンはOSがWindows95の1997年製でしたので、最新バージョンのZebraを動かそうとすると「俺には荷が重いよ~頭が壊れそう~」って感じで強制終了してしまいました。インターネットもダイアルアップでしたのでネットでオセロを打つこともほとんどありませんでした。

そんな私はWOC2004で知り合ったSagiriさんの指南のもと、2004年11月にロンドンから帰国するとすぐに、某T社製の最新のPCに買い替え、YahooBBに加入し、Zebra、HappyEnd、Icare、OthBase等のオセロソフトを次々を導入し、Yahoo Japan・USA、Kurnikなどでネットオセロに興じるようになったのでした。

最初は私の指南役であるSagiriさんを「この人、パソコンヲタクかな~」と思っていたことがありましたが、すぐにSagiriさんは「オセロ界の一般的な常識人」であり、一昨年の私が「オセロ界の原始人」であることに気がついたのでした。

3手目に勝負手を打った試合(その2)

2006-05-14 08:58:10 | WOC2005
かくして、第三局は兎定石で始まりローズオープニングへと進んでいきました。
F5D6C5F4E3C6D3F6E6D7
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3+++●●+++
4+++●●○++
5++●○●○++
6++○○○○++
7+++◇++++
8++++++++
ローズオープニング

黒の私は、次々と白(Takuji)に問題を投げかけたつもりなのですが、序盤、中盤のTakujiの打ちまわしに隙が無く、徐々に形勢を損なっていった感があります。例えば、15をG5と打つのが一般的だと思いますが、私はあえてB6に打ちました。白が16を間違えてB5あるいはA3に打ってくれたら黒がやや有利になるところですが、さすがにTakujiは間違えずにC3と打ちました。

F5D6C5F4E3C6D3F6E6D7G3C4B4B3B6
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3+○+●●+●+
4+●○●●●++
5++●○●○++
6+◆○○○○++
7+++○++++
8++++++++
次、白番(16手目)

22手目まで進み下記の局面となりました。23はF7と打って白に右側の黒壁を破らせるように打ちたいところですが、23F7の後黒からE7に打てないことに気づき、F7を却下しました。実戦の23D8は苦渋の選択です。

F5D6C5F4E3C6D3F6E6D7G3C4B4B3B6C3B5A6G5A5A4A3
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3◇○○●●+●+
4○○●○●●++
5○●○●●●●+
6○○○○○○++
7+++○++++
8++++++++
次、黒番(23手目)

37手目はH4に打たないと手が詰まってしまうのでここしかないと思っていましたが、実は4石損の悪手でした。Zebraで分析したところ、37の最善はC2で、38B2 39H3 40H4 41H7 42C1 43B7の進行で黒が一手凌げるので引き分けの形勢とのことでした。実戦では37H4 38G7の進行で黒4石負けの形勢に陥ったのでした。

F5D6C5F4E3C6D3F6E6D7G3C4B4B3B6C3B5A6G5A5A4A3D8E7C7E8F8C8B8F7G8G4G6H5F3H6H4
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3○○○●●●●+
4○○●○●●○37
5○○○○○●○○
6○○○○○○○◇
7++●○○●++
8+●●●●●●+
次、黒番(37手目)

白(Takuji)優勢のまま試合は43手目まで進行し下記の局面を迎え、Takujiは長考に入りました。私は直感で白44F1が浮かびました。44F1 45D1 46D2と打たれると47で黒はB2ぐらいしか打つところが無くなるため、かなりヤバイと思っていました。この進行では、まず勝てないと思いました。Takujiが長考している間、私は様々なことを考えていました。まず、もう一つの準決勝である宮岡七段と韓国代表のLee選手の第三局の勝敗が気になりました。(宮岡七段の準決勝も第二局が終わって1勝1敗で第三局を迎えていました。)「自分は敗北寸前なので、宮岡君だけでも決勝に進出して欲しい。 でも、宮岡君が決勝に進出できたとしてTakujiに勝てるだろうか? 今年も日本代表が優勝できなかったとしたら、かなりまずいことになる・・・」そんなことを考えていました。

F5D6C5F4E3C6D3F6E6D7G3C4B4B3B6C3B5A6G5A5A4A3D8E7C7E8F8C8B8F7G8G4G6H5F3H6H4G7B7C2C1F2E2
/ A B C D E F G H
1++●+++++
2++●+◆○++
3○○●●●●●+
4○○●○●○●●
5○○○●●○●○
6○○●○●○○○
7+●●○●○○+
8+●●●●●●+
次、白番(44手目)

十分以上の長考の末、TakujiはF1ではなくD2に白石を置きました。逆転の瞬間です。この時、私の全身から力が湧き出てくるのを感じました。私はすぐに、悪手44D2を咎める好手45E1を発見しました。44F1(正解、白4石勝ち)とD2(白10石損)の違いは、上辺の手数の差にあります。実戦の44D2だと45E1 46D1 47H3となり、白からG2の星に打たざるを得なくなります。

48手目まで進んだ局面で私はカウンティングを行いました。49は人間の感覚ではF1だと思います。49F1 50H2 51H8 52H7 53H1 54G1 55B2 56A1 57B1 58A2 59A7 60A8の手順で黒4石勝ちになることを確認しました。しかし、実戦ではTakujiが50手目で2石損のG1に打ったため、私の6石勝ちとなりました。結局、1勝1敗1分+2石という史上まれにみる僅差で、私の決勝進出が決まりました。

F5D6C5F4E3C6D3F6E6D7G3C4B4B3B6C3B5A6G5A5A4A3D8E7C7E8F8C8B8F7G8G4G6H5F3H6H4G7B7C2C1F2E2D2E1D1H3G2F1
/ A B C D E F G H
1++●○●49++
2++○○○○◇+
3○○○○●○○●
4○○●○●○○●
5○○○●●●○○
6○○●○●○○○
7+●●○●○○+
8+●●●●●●+
次、黒番(49手目)

終わってみると、試合前に期待した通りTakujiのミスを誘って勝ちましたが、予想より遥かに苦しい試合内容でした。生涯忘れられない試合になると思います。

3手目に勝負手を打った試合(その1)

2006-05-13 10:39:25 | WOC2005
2005年の世界選手権・準決勝でフランス代表のTakuji Kashiwabara選手と対戦しましたが、第一局は白(Takuji)に誘導されるままDraw lineの進行で引き分けとなりました。第二局は白(私)が2手目で斜め取りの勝負手を放ち、この作戦が功を奏して必勝形になるのですが、48手目で痛恨の大悪手を打ってしまいTakujiに好局を破られたのでした。そして、私にとっては第三局に4石差以上の差をつけて勝たないと決勝に進めないという、後が無い状態で第三局を迎えたのでした。

まず、第三局の石の色を選択する権利はTakujiが持っていましたが、どちらの色を選択するかは試合の直前までに決めればよいことになっていますので、第二局が終わった後の休憩時間中には分かりませんでした。しかし、私は99%の確率でTakujiは白を選択すると思っていました。第二局を終わってTakujiは1勝1分なので、引き分けでも、2石負けしても決勝に進出できるため、当然、第一局(Takujiが白)と同じ進行で引き分けを狙いにくると思ったからです。

さて、第三局で黒を持ったとして何の定石を選択するか?私にとって非常に悩ましい問題でした。もちろん、第一局の進行(虎から13手目d8)は引き分けにされる可能性が高いので避けなければなりません。13d8の代わりに考えたのが、13f8の進行です。私はネットでの練習試合で13f8も多用していたので、ある程度の自信がありました。しかし、この進行を採用しなかったのは、Takujiは13f8に対しては、14f7、15g5の後、16でh6ではなくg4と打つからです。準決勝前夜と当日の朝、メグリオ氏がつくったOthBase(データベースソフト)を使いTakujiの試合を研究したのですが、OthBaseにはTakujiが16でg4に打った試合が数十局収録されていました。しかも、そのほとんどがTakujiが勝った試合でした。従い、16g4に対しては私は経験値でTakujiにかなわないと判断せざるを得ませんでした。

F5D6C3D3C4F4F6F3E6E7D7G6F8F7G5G4
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3++●○+○++
4++●●○○◇+
5+++●●●○+
6+++●●●○+
7+++●●○++
8+++++●++

次に虎から7手目でf6ではなくc5に打つことも考えましたが、この進行はTakujiが黒を持ったときに多用している進行のため、白の応手も相当詳しいと思われるので7c5も避けました。

まさに「打つ手に窮した状態」に陥ったのでした。しかし、ここで思いついたのが、兎→ローズオープニングの進行です。この進行を選択した場合、序盤、中盤で黒が不利になる場合が多いので苦戦を覚悟しなければなりませんが、なぜか、有利な白にとって難しい終盤になることが多いため、Takujiのミスを期待できると考えました。こうして、第三局では3手目で勝負手(c5)を打ったのでした。

相手のミスを期待して、兎→ローズオープニングを選んだのは私にとって大きな賭けでした。しかも、試合前の予想通り、第三局では序盤~中盤まで大苦戦するハメになるのでした。
(続く)

鹿児島出張から戻ってきました

2006-05-11 22:36:36 | Weblog
会議のため昨日から鹿児島に出張しておりましたが、ただいま帰宅しました。昨日は夜の11時前まで打ち合わせがあり、打ち合わせが終わった後、自然の流れで飲み会へと突入しました。

一次会で芋焼酎を飲んでとても幸せな気分になりました。いつの間にか時間がたってしまい、二次会が終わったのは午前4時前だったかな~ 翌日、というか、本日は6時すぎに起きないといけなかったので、4時に寝てしまうと寝坊するリスクがあると思い、そのまま朝まで起きているか真剣に悩んでしまいました。しかし、携帯電話の目覚まし時計を大音量にセットして、意を決して眠ることにしました。

自ら、ハードな出張にしてしまいました。週末はちゃんとオセロのことを書きます。次は、WOC2005の2手目に勝負手を打った試合の続編の予定です。

京都新聞の取材

2006-05-08 21:58:15 | 京都新聞
会社の広報から依頼を受けまして、今週、京都新聞の取材を受けることになりました。「人」を扱うコーナーにオセロ世界チャンピオンとして掲載していただけるそうです。記事の掲載予定日がきまったら、またお知らせいたします。今年は水戸で世界大会が開催されること等、オセロ界について精一杯PRしますね。

先月はフジサンケイビジネスアイという経済紙に「○○○に勤めるオセロ世界チャンピオン」という記事を出して頂きました。(新聞には私の勤務先の名前がでましたが、一応ブログでは○○○とさせて下さい。)最終面の1/4位を占める結構大きな写真入りの記事にしてもらいました。この記事のPDFファイルを持ってますので、興味がある方がおられたら今度お会いしたときにでも声をかけて下さい。

京都オープンの結果(番外編)

2006-05-05 18:43:30 | 京都オープン
大会が終わった後、世話役の天方さんを労うため有志で飲みに行きました。
京都支部定例会の会場であるジョイ・フェローの近くにある「桜」という居酒屋が会場でした。「桜」は二月に私の世界選手権優勝の祝勝会を開いて頂いた場所でもありますが、カウンター席とテーブル2つ置くと一杯になる座敷しかないこじんまりとしたお店です。この日は末国九段他総勢十数人で押しかけましたので、満員御礼状態でした。

私は「桜」を結構気に入っています。その理由は大変美味しい京都1497という地ビールが飲めることと、芋焼酎の種類が実に豊富なこと、それに美人のママが一人で切り盛りしていることです。この日は、我々オセラー集団の他に、ゴルフ帰りと思われるオジサン4人組みがカウンター席で盛り上がっていました。

お座敷に陣取ったオセラー達は、席に着くやいなやオセロ盤を数台広げてオセロを打ち始めました。オセラーの異様な盛り上がり方を意に介す様子もなく、オジサン衆の盛り上がりも最高潮に達していました。その中で、美人のママだけが予想外の満員客をさばくため、つまみを作ったり酒の準備をしたりと一人で忙しそうに働いていました。


私はそのオジサン衆とは初対面でしたが、どういう経緯かよく覚えてないのですが、とても仲良くなってしまいました。オジサン衆におねだりして「黒伊佐錦」という芋焼酎のボトルを入れて頂いたり、「佐藤」という高級焼酎をご馳走になったりと大変お世話になりました。「黒伊佐錦」のボトルは天方さんにプレゼントしますので、いつでもお飲みくださいませ。

京都オープンの結果(続編)

2006-05-05 10:32:27 | 京都オープン
京都オープンの三回戦で私は宮崎裕司四段と対戦しました。宮崎君は関西若手オセラーの有望株で、序盤のデータ量が大変豊富な選手です。最近は中盤以降もかなり強くなったと思いますので、全日本あたりで一気にブレイクするのではないかと期待しています。

白が私で黒が宮崎四段です。序盤から激しい攻防が続いた末難しい終盤に突入しました。52手目まで進行した後、下記の局面を迎えましたが引き分けの形勢です。さて、次黒番(53手目)ですが、どこに打ちますか?

/ A B C D E F G H
1●●●●●●●●
2++●●○○●+
3○○○○●●●●
4◇○●○●●●●
5○○○○●●●●
6○○○○●●●●
7++○○○○●●
8+○○○○○++
次黒番

黒はB2かA2どちらに打つか非常に迷う局面ですが、B2の場合C3とD4の白石を黒にできるので何となく得するように見えます。実戦でも黒の宮崎四段はB2に打ちました。しかし、これが4石損の敗着となりました。
53B2 54A2 55B7の後の盤面ですが、次白はG8に打てるではありませんか! 
56G8、57A7の後、58~60で白がH2,A8,H8に三連打して4石勝ちしました。

/ A B C D E F G H
1●●●●●●●●
2○●○○○○●+
3○●●○●●●●
4○●●●●●●●
5○●○●●●●●
6○●●○●●●●
7+◆●●●●●●
8+○○○○○++
次、白番
53をA2に打った場合は、54B2 55B7の後白はG8に打てません。
従い、白は左下でG8、H8に連打することが出来ません。
オセロの終盤は本当に難しいですね。

/ A B C D E F G H
1●●●●●●●●
2●●○○○○●+
3○●○○●●●●
4○●●○●●●●
5○●○●●●●●
6○●●○●●●●
7+◆●●●●●●
8+○○○○○++
次、白番

京都オープンの結果

2006-05-04 14:22:38 | 京都オープン
昨日、京都洛西ふれあい会館にて第18回京都オープンが開催されました。参加者は74名で昨年に比べて少し減りましたが、依然、地方大会としては最大級の規模を誇っています。優勝は玉木 恭太郎三段。末国九段、荒木五段等並み居る強豪選手を倒して全勝優勝を果たしました。信川君以来のニューヒーローの誕生と言ってよいでしょう。

実は玉木三段は先週末のNHKオセロイベント「世界チャンピオンに挑戦」にも参加してくれたので、私は大会前から玉木三段を知っていました。玉木三段の挑戦を受けたときは確か12面打ち(12人と同時に対戦)のときだったと思います。独特の序盤から中盤で的確な着手を打つ強いオセラーという印象を持ちました。オセロイベントでは白の私に偶数理論に持ち込む良い筋があったため私が勝ちましたが、対局後のインタビューで玉木三段が「京都オープンでリベンジしたいと思います」と答えたのが印象的でした。(残念ながら、京都オープンでは私が一回戦で土田五段に負けてしまったため、玉木三段との再戦を果たせませんでした。)

私の成績は5勝2敗で8位に終わりました。一回戦で土田大輔五段に、最終戦で末国九段に敗れました。木村君が中心となって京都オープンの棋譜集を作ってくれるそうなので棋譜は掲載しませんが、この日は黒を持った4試合は全勝でしたが、白を持った3試合は1勝2敗(土田五段、末国九段に負け)でした。

名人戦で不覚を取ったのも白番ですので、最近、白番での勝率が落ちていることが気になっています。一昨年までは白の方が気分的に楽だったのですが、昨年の半ば頃から白でも黒でも気分的な差が無くなり、今では黒の方が打ちやすいと感じるようになってしまいました。大会後、土田五段と雑談をしているとき「今日の為則さんの打ち方は、白を持っているのに黒を持ったときのような打ち方をしていると感じました」という非常に興味深いコメントがありました。今年でオセロを始めて23年になりますが、オセロの難しさを再認識しています。


明日は京都オープン

2006-05-02 14:14:13 | 京都オープン
明日は京都オープンに出場します。名人戦では自分自身で納得が行く試合ができなかったので、明日は盤面に集中し、Best moveを連発したいと思っています。

私が最初に京都オープンに参加したのは今から17年程前で、確か信州大学2年生の時だったと思います。前年秋にパリで開催された世界選手権で優勝した後、春の名人戦で滝沢七段(当時)相手に初防衛を果たした直後でした。自分で言うのもナニですが、その頃の私はとても強かったと思います。

今もそうですが、当時も東京のオセラーのレベルが非常に高かったのですが、当時私は東京から離れた松本市(長野県)に住んでいました。今のようにネットでオセロを打つこともできませんし、Zebra等のソフトも無い時代でしたので、練習方法はもっぱら棋譜を並べることでした。毎月、中田理事(当時)から関東オープンの棋譜を送ってもらい、村上五段(当時)等、東京の強豪選手の試合を研究しました。今でも棋譜を並べることが強くなるための王道だと思っています。

オセロイベントに参加しました

2006-05-01 10:26:25 | NHK京都放送局
一昨日と昨日の二日間に渡り、NHK京都放送局の春の会館公開イベントの目玉とし
て、オセロイベント「オセロ世界チャンピオンに挑戦」が開催されました。
二日間とも大盛況で、NHK京都支局の副局長さんから「我々としてはオセロイベントは
成功だったと思っています。来年もお願いできますか?」とのお言葉まで頂戴しました。

土曜日のお昼前には、NHKニュース(京都府のみ放送)でオセロイベントが生中継されました。
私からイベントの方式について「10面打ちをやってま~す。方式は・・・」といった感じで説明し、
その後、私に勝った岡本一樹二段(名人戦少年の部4位)へのインタビュー
「うれしいです。」が入りました。

二日間のイベントで合計42局打ち、イベントが終わった後も数十局打ちました。
若い頃はこれくらい何とも無かったのですが、齢37の私にはこたえました。
イベントに参加してくれた有段者には結構負けましたね。
返し忘れ、ポカ等大サービスしてしまいました。

その中で印象に残った試合を紹介しておきます。
黒が岡本二段、白が私です。
私は32手目で痛恨の返し忘れ(斜め二石)をしてしまい、勝負が決まった感がありますが、
その後も岡本君のそつの無い攻めを受けて敗れてしまいました。

C4E3F6E6F5C5F4G6F7G5D6D3F3C3H4H5G4H3E2F2D2D1E1F1G3C1B6H2B4A4H7E7B5A5C2G2A6
B3C6D7A3B7D8C7A8A7B8C8E8B2A1H6H1G1
/ A B C D E F G H
1●+○○○○◇●
2+●○○○○○●
3●●●●○●○●
4●●○●●○○●
5●●○●●○○●
6●●●○○○○●
7○●○●●●+●
8●●○●●+++

55手目次黒番ですが、どこに打ちますか?
私は55B1 56A2 57G7 58H8 59G8 60F8の進行を予想し、白少し足りないかな~
と思っていましたが、この局面で岡本君はG7! これが実にうまい手です。
白に56でF8を強制させて、下辺を黒のものにできます。
結果は黒の岡本君の8石勝ちでした。

私もそうでしたが、55B1と上辺を取ってから57でG7に打つとG列が黒のものになるので
一見得するように見えたのですが、この進行だと下辺とホワイトラインが白のものになるので、
実は黒2石勝ち(55G7に対して6石損)の進行でした。

岡本君の終盤力に感心しました。全日本での活躍を期待しています。