鬼神の秘密

'05~'06オセロ世界チャンピオン 為則英司のブログです。

WOC終了

2008-11-23 12:16:42 | WOC2006
三日間に渡ってノルウェーのオスロで熱戦が繰り広げられた世界選手権が終了しました。日本代表の皆様は、本当にお疲れ様でした。昨年は最終日しかネットのライブ中継を見ませんでしたが、今年は予選2日目~プレイオフ、最終日までライブ中継を楽しませてもらいました。内容の濃い好局が多くて、PCから目が離せませんでした。

決勝に進出した宮岡七段は2005年のアイスランド大会以来、2回目のWOC出場でしたが、三年前の彼と比べると大きく進歩し、強くなっているのがよく分かりました。WOCに向けて猛練習してきた成果が現れたのだと思います。

優勝したイタリアのBorassi選手と私は2005年、2006年と二年続けてWOCで対戦しましたが、私はBorassi選手について「とても性格が良い好青年である上、オセロに対する熱意も相当なものなので、強くなってくれたら良いな~」と思っていました。今でも覚えているのですが、2005年のビクトリーディナーの後、Borassi選手が私に「決勝のLee戦は素晴らしい試合でしたよ。あなたは、予選で自分(Borassi)と対戦したときよりも、ずっと強かったですよ。」と声をかけてくれました。そんなBorassi選手が世界チャンピオンになりました! 世界中のオセロプレイヤーの目標として、さらに強くなって欲しいと思います。
 

連休の過ごし方

2008-04-28 22:20:31 | WOC2006

今日、午前中は仕事でした。仕事が終わった後、四条に買い物に出かけましたが、子供達の学校が終わる時間までに帰宅しました。この連休は平日に仕事をしている日が多くなりそうですが、仕事が無い時間帯は、できるだけ家族サービスに時間を使いたいと思っています。このため、大変残念ではありますが、今年は京都オープンに出場しないことにしました。


世界選手権の記事

2007-12-08 11:23:32 | WOC2006
「ふむふむの森」にふむふむ情報局というコーナーがあり、「ふむふむの森」で取り上げたテーマに関連するニュースが掲載されています。そのふむふむ情報局に先週末の世界選手権の結果が掲っていますので、興味がある方は覗いてみてください。


Congratulations!

2007-12-02 09:55:52 | WOC2006
冨永君、龍見さん、世界選手権優勝おめでとう御座います。
日本代表(無差別の部)としては、1997年に末国九段が新世界チャンピオンになって以来、10年ぶりに新しい世界チャンピオンが誕生したことになりますね。私も本当に嬉しい! 

中島君は本当に惜しかった。しかし、昨年(準決勝で末国九段に二連敗)と比べると、今年はニコレに第1戦を取られた後、第2戦を取り返して第3戦まで戦ったのですから、成長の跡がハッキリと表われたと思います。また、来年頑張ってください。

頑張れ日本代表

2007-12-01 11:27:16 | WOC2006
中島君、冨永君、準決勝進出おめでとうございます。
9勝した大野君も大健闘したと思います。

さて、準決勝に進んだ4人は誰が優勝しても初優勝ですね。
中島君、冨永君、努力は必ず報われます。ベストを尽くしてください。

この三年間を振り返ると6

2007-10-02 23:45:50 | WOC2006
WOC2004からWOC2006までの三年間を振り返ってみましたが、競技オセロを再開した5年前には、自分自身が世界チャンピオンに返り咲いて、そしてWOCを連覇することになるなど、夢にも思っていませんでした。

WOC2004で惨敗し5位に終わった後、翌年のWOC2005までの一年間は、ネットオセロ、Zebra、HappyEnd等全てが私にとっては新鮮で、オセロが最も楽しい時期でした。私が高校生だった22年前に、初めて全日本選手権で優勝してWOC1986に出場した頃も、オセロが楽しくて仕方なかったので、その当時と似たような感覚でした。

今年の世界選手権で、10年ぶりに日本人の新しい世界チャンピオンが誕生することを強く期待しています。私自身も再びWOCに出場できるように、来年以降も代表選考大会へのチャレンジを続けたいと考えています。

この三年間を振り返ると5

2007-09-30 09:20:06 | WOC2006
WOC2004とWOC2005について振り返ってきましたが、WOC2006については様々な意味でそれまでの2大会とは違い、私にとっては大変苦しい大会でした。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた大会であったにもかかわらず、大会前に極度の不振に陥っていたため、予選13ラウンドを迎えるのが怖くて仕方がなかったのです。予選1日目と2日目の前夜は、ほとんど眠ることができませんでした。私の場合、睡眠不足の状態では良い手が打てないので、予選を通過できないのではないか!と真剣に考えてしまったことを覚えています。

そんな中、予選2日目朝にベン・シーリー氏と対戦することになりました。序盤からベンの研究にはまってしまい、ずっと劣勢が続いたのですが、37手目まで進行して以下の盤面を迎えたのでした。WOC2006で最も印象に残っている局面です。

/ A B C D E F G H
1++○+◆+++
2○+○●+●++
3○○●●●●++
4○●○●●●○+
5+●●○○●○○
6●●●●○●○+
7++●●●○++
8++●●●+○+
次、白番(38手目)

この局面でベンは白D1→黒E2を予想し、黒の勝ちを確信していたようです。私も最初にD1が浮かんだのですが、白D1→黒E2→白B2→黒A1→白A5→黒B1と進行した後、白に良い手が無いと判断したので、38手目D1を却下しました。

次に思いついたのがF1でした。右側に大きな白壁をつくるので打ち辛い手ではありましたが、この手に決めた最大の理由は「予想外の手を打つことで、ベンの意表を突くこと」でした。37手目の時点でベンの持ち時間が4分程度しか残っていなかったこともあり、予想外の手を見て動揺してくれたら勝機ありと考えました。

勝負手F1
/ A B C D E F G H
1++○+●◇++
2○+○●+○++
3○○●●●○++
4○●○●●○○+
5+●●○○○○○
6●●●●○○○+
7++●●●○++
8++●●●+○+
次、黒番(39手目)

その結果、39手目H3(12石損の敗着)が出たので、私の勝勢に変わりました。実は、38手目の正解は私が却下したD1で、引分け手順があったようですが、残念ながら、その進行をノーミスで打ち切る自信はありません。私が選択したF1は4石損で一時的に白4石負けの形勢に陥ったようですが、相手のミスを誘ったという意味で私はBest moveであったと考えています。

予選R4-10(薄氷の勝利)

2007-02-15 22:37:08 | WOC2006
白の52~54手目の好手順を見落としていた私は、激しく動揺していました。本来ならカウンティングを行う場面ですが、この状況下では正確に数えられないと判断したため、手筋で正解を探すことにしました。その結果、55手目はH2が浮かびました。ブラックラインに白石が乗っていないうちに、白にG2に打たせることで、ブラックラインの黒石を守れると考えたのです。

/ A B C D E F G H
1++●●●●●●
2○○○○○○+◆
3○○○○●●●○
4○●●○●●○○
5○●●●○●●○
6+●●●●○○○
7+●●●●●○○
8●●●●●●●○
次、白番(56手目)

試合後に調べたところ、55手目は本譜H2で黒2石勝ち、G2で引き分け、B1で黒2石負け、つまり、H2以外では黒が勝てなかったことが分かりました。私は土壇場まで追い込まれましたが、最後に正解を打てたので、何とか勝ち点1を確保できました。

実戦 56で白にG2を強制
/ A B C D E F GH
1++●●●●●●
2○○○○○○◇●
3○○○○●●○○
4○●●○●●○○
5○●●●○●●○
6+●●●●○○○
7+●●●●●○○
8●●●●●●●○
次、黒番(57手目)

試合後、白石が31個しかないことを確認したFeldborg氏が、ボールペンを机に叩きつけて悔しがったのが印象的でした。おそらく自分の勝利を確信していたのでしょう。逆に、私は思わず「Lucky win」と口走ってしまいました。しかしながら、この試合をZebraで分析したところ、黒が敗勢に陥った局面は一度もなかったのでした。形勢判断とは、実に難しいものです。

/ A B C D E F G H
15857●●●●●●
2○○○○○○◇●
3○○○○●●○○
4○●●○●●○○
5○●●●○●●○
659●●●●○○○
760●●●●●○○
8●●●●●●●○
黒2石勝ち

予選R4-9(大失敗でした)

2007-02-14 23:52:58 | WOC2006
まず、最善手順からご説明します。黒の51手目はD1が最善手です。D1に当てられると、白は52手目B1で上辺を取らざるをえません。その後、黒は53手目でA8に打って下辺を取るのが最善手順です。白は54手目でホワイトラインを通しにするX打ちで最後の抵抗ができますが、55手目以降、黒は逆偶数(最善手順の進行)で6石勝ちになったはずでした。

最善手D1
/ A B C D E F G H
1++●◆○○○+
2○+●●●○++
3○●●○●●○○
4○●●●●●○○
5○●●●●●●○
6+●●●●○○○
7+●●●●●○○
8+○○○○○●○
次、白番(52手目)

最善手順 黒6石勝ち
/ A B C D E F G H
16052●51○○○56
2○54●●○○5755
3○●●○●●○○
4○●●●●●○○
5○●●●●●●○
658●●●●○○◇
759●●●●●○○
853○○○○○●○

しかし、私は上辺の交換(黒D1→白B1)をせずに、51手目でA8に打ってしまったため、白に52手目で絶好手D1を打たれてしまったのでした。恥ずかしながら、私は52D1を完全に見落としていたのでした。D1を打たれた後、初めて事の重大さに気付いたのですが、すでに後の祭りでした。

実戦(失敗手順)
/ A B C D E F G H
1++●52○○○53
2○54●●○○++
3○●●○●●○○
4○●●●●●○○
5○●●●●●●○
6+●●●●○○◇
7+●●●●●○○
851○○○○○●○

さて、55手目を迎えました。黒が打てる場所は3箇所ですが、幸いにも一箇所だけ、黒が勝てる手が残されていたのでした。さて、最善手はどこでしょうか?

実戦
/ A B C D E F G H
1++●●●●●●
2○◇○○○○++
3○○○○●●○○
4○●●○●●○○
5○●●●○●●○
6+●●●●○○○
7+●●●●●○○
8●●●●●●●○
次、黒番(55手目)