鬼神の秘密

'05~'06オセロ世界チャンピオン 為則英司のブログです。

WOC2005予選編(第4ラウンド前編)

2006-05-30 23:26:17 | WOC2005
予選初日の第4ラウンドでオランダ代表のニッキー・ヴァンデン・ヴィゲラーと対戦しました。ニッキーはまだ十代後半だと思いますが、とても聡明な感じがする好青年です。私はKurnikというポーランドのネットオセロサイトで、ニッキーとは20試合ほど対戦したことありました。ネットオセロでは少し油断をするとニッキーにやられてしまいましたので、気を引き締めて試合にのぞみました。

私が白番で、ニッキーが黒番となりました。ネットでニッキーと対戦した時、私が白番の場合は、縦取り定石から虎定石に進んだ後、ニッキーは7手目はE6に打つことが多かったので、WOC2005での進行も私の研究範囲でした。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3++●○++++
4++●●●○++
5+++●●●++
6+++○◆+++
7++++++++
8++++++++
次、白番 (8手目)

15手目まで進んで下記の局面を迎えましたが、私の研究では16はC2ではなく、F2に打つのが正解だと考えていました。16をC2に打った場合、黒が17でB4に打った後、B5が黒の余裕手として残る分、黒の手数に余裕ができるからです。

F5D6C3D3C4F4E6B3E2C5D7E3D2F6F3
/ A B C D E F G H
1++++++++
2+++●●+++
3+○○●●◆++
4++○○●○++
5++○●○○++
6+++●●○++
7+++●++++
8++++++++
次、白番 (16手目)

16を研究通りF2に打った後白やや有利と感じていましたが、大事に打とうと深読みしすぎたためか、22(下記局面)で悪手G1を打ってしまいました。私の第一感では22はC2でした。黒に23でD1に当てさせた後、24でH4に付け手を打つつもりでしたが、黒に25でH3と打たれて右辺を取られると手数が足りなくなるのではないかと考えてしまい、22 C2を却下してしまいました。


F5D6C3D3C4F4E6B3E2C5D7E3D2F6F3F2G3G4H5C1E1
/ A B C D E F G H
1++○+◆+++
2+++○●●++
3+○○●○●●+
4++○○○○●+
5++○●●○+●
6+++●●○++
7+++●++++
8++++++++
次、白番 (22手目)

22G1 23C2 24B1となり、白が上辺を取らされては形勢不明です。24まで混戦模様ですが、25手目はどこに打ちますか?

F5D6C3D3C4F4E6B3E2C5D7E3D2F6F3F2G3G4H5C1E1G1C2B1
/ A B C D E F G H
1+◇○+●+○+
2++○●●○++
3+○○○○●●+
4++○○○○●+
5++○●●○+●
6+++●●○++
7+++●++++
8++++++++
次、黒番 (25手目)

私が恐れていたのは、25G6 26C6 27G5という進行です。下記盤面になると、白はC7に打つための種石をつくるために、H4辺りに打つしかありません。仮にこの進行になった場合、かなりの苦戦を強いられることを覚悟していました。

私の予想図
/ A B C D E F G H
1+○○+●+○+
2++○●●○++
3+○○○●●●+
4++○○○●●+
5++○○●●◆●
6++○●●●●+
7+++●++++
8++++++++
次、白番 (28手目)

幸いにもニッキーは25をF1と打ったので26D1 27B6となり、私が恐れていた展開を回避することができました。しかし、喜んだのも束の間で、この後、形勢は二転三転して、最後までどちらが勝つか分からない非常にスリリングな(私が肝を冷やした)展開が待ち受けていたのでした。

実戦
/ A B C D E F G H
1+○○○○○○+
2++○○●●++
3+○○○●●●+
4++○●○○●+
5++●●●○+●
6+◆+●●○++
7+++●++++
8++++++++
次、白番(28手目)