鬼神の秘密

'05~'06オセロ世界チャンピオン 為則英司のブログです。

11/4のナンボDEなんぼに登場

2006-10-31 22:16:51 | 関西テレビ
世界選手権の直前に関西テレビの「ナンボDEなんぼ」という番組の取材を受けましたが、放送日が今週土曜日11/4に決まりました。取材の内容は「各界のチャンピオン特集」と聞いています。取材して頂いたのが世界選手権の前でしたので、内心は「今度の世界選手権で優勝できなかったら、俺は前チャンピオンとして紹介されるのかな?」などと弱気なことを考えていました。優勝して良かった。。。

番組名: 関西テレビ「ナンボDEなんぼ」(関西地区のみ放送)
放送日: 今週土曜日11/4 13:00PM~

準決勝1-7(鬼神の絶好手)

2006-10-30 21:04:15 | WOC2006
黒の35手目は当然C5です。G5の白石を消して白G8を阻止した上、C5に黒の種石をつくることで今度は黒がG8を狙う、一石二鳥の好手です。私が25手目を打つときに考えた「G列を黒一色にして白G8を阻止する構想」通りの進行となりました。35手目でC1でも白G8を阻止できますが、36手目で白にG2に打たれると、次の手で白にG8に入られてしまいます。

絶好手35手目C5
/ A B C D E F G H
1+++●+○++
2+++○●●+●
3+++○●●●●
4+++●○○●●
5++◆●●●●●
6+++○○○●●
7+++○○○●●
8○○○○○○+●
次、白番(36手目)

白の36手目はC6。黒G8を阻止する狙いです。黒は37手目でC4に打って再びG8を狙います。対する白は38手目でB5に打って執拗に黒G8を阻止しようとしているように見えます。実は、ベンはB5に打ってC5の黒石を返してから、一瞬、間を置いて斜めの黒石3個を返し始めました。どうやら、B5に打つと斜めの石も白に変わるのを見落としていたようです。

36~38手目
/ A B C D E F G H
1+++●+○++
2+++○●●+●
3+++○●●●●
4++37●○○●●
5+38◆●●●●●
6++36○○○●●
7+++○○○●●
8○○○○○○+●

/ A B C D E F G H
1+++●+○++
2+++○○●+●
3+++○●●●●
4++○●○○●●
5+◇○○●●●●
6++○○○○●●
7+++○○○●●
8○○○○○○+●
次、黒番(39手目)

準決勝1-6(鉄人の悪手)

2006-10-29 08:18:18 | WOC2006
黒の私が25手目で好手E2を打った後の進行です。25手目での狙い通り、私はE8に当てられる前にH8の隅を取り、右下の五個空き(奇数空き)に先に手をつけることができました。ここで形勢が動きます。28手目でベンは悪手F1を打ったのです。

26~34手目
/ A B C D E F G H
1+++33+28++
2+++26◆29+●
3+++○●●○●
4+++○●○●●
5+++○●●○●
6+++○●○○●
7+++○●31○●
832●●●3034+27

ここはE1にB打ちするべきところです。なぜF1が悪手かと言いますと、白がE8→A8の手順で下辺を取ったとき、E列の石の色が白一色になっているので、黒にD1にB打ちされてしまうからです。しかも、黒はC1に余裕手を持つ形になります。

悪手28手目F1
/ A B C D E F G H
1+++++◇++
2+++○○++●
3+++○○●○●
4+++○●○●●
5+++○●●○●
6+++○●●○●
7+++○●+●●
8+●●●+++●
次、黒番(29手目)

白の28手目の悪手を境に、形勢は黒に大きく傾きました。白は34手目でF8に打ちたくなかったと思いますが、他に打てる場所が限られていますので仕方ありません。さて、35手目ですが、私はどこに打ったでしょうか? 25手目を打ったときの私の構想を思い出してください。

/ A B C D E F G H
1+++●+○++
2+++○●●+●
3+++○○●●●
4+++○○○●●
5+++○○○○●
6+++○○○●●
7+++○○○●●
8○○○○○◇+●
次、黒番(35手目)

祝勝会(鬼神、感激しました)

2006-10-28 20:52:57 | Weblog
昨日、会社の皆さんが私の世界選手権連覇を祝して、祝勝会を開催して下さいました。祝勝会に参加してくださった皆様、竹香(一次会の会場)の女将さん、若女将、Misty(二次会の会場)のマスター、ママ、ともさん、本当に有難う御座いました。

皆さんから「元気をもらって有難う。来年は三連覇して、また祝勝会をやりましょう」と言って頂いて、私は来年も負けれないという気持ちになって参りました。また、たくさんのプレゼントを頂いて大変感激しております。せっかくなので、写真を掲載させて頂くことにしました。それぞれ紹介させて頂きます。

○花束
竹香の若女将から頂きました。この日のために若女将は花束だけでなく、私と対戦するためにオセロ盤を購入されたそうです。帰りの電車は結構混んでいましたが、大事に持って帰って、花瓶に入れて飾らせて頂いています。

○クマのぬいぐるみ
Mistyのママから頂きました。オセロの白石、黒石、国旗のパッチワークが貼ってある上、緑色のビロードの上に「Othello World Champion」と刺繍が入っています。オーダーメイドだそうです。

○IWハーパーのボトル
Mistyのマスターから頂きました。二次会で有難く頂戴したため、残念ながら写真がありません。

○よーじや製あぶらとり紙、軽石等セット
ともさんから頂きました。「来年の世界選手権で優勝して記者会見する前に、身だしなみを整えて欲しい」とお気遣い頂きました。来年も勝てるように精進いたします。

○吉兆宝山
カスタマーサービスのNさんとHさんから頂きました。私が大会前に「世界選手権が終わったら富乃宝山か吉兆宝山を買います」と宣言し、大会後に「富乃宝山」を購入したことをブログに書きましたが、その記事を見て「吉兆宝山」をプレゼントしてくれたそうです。この心配りに頭が下がります。

私にとっては、今年一番楽しい一日でした。来年も楽しい祝勝会を開いて頂けるように、全力で頑張りたいと思っています。最後に、今回お世話になったお店を紹介させて頂きます。是非、ご利用下さい。

竹香
祇園にある広東料理のお店です。味は絶品です。個室があるので、オセラーの会合にはピッタリです。

Misty
同じく祇園にあるミニライブとスウィーツのお店です。お店の皆さんのライブを拝聴することができます。

準決勝1-5(鬼神の好手)

2006-10-27 00:51:37 | WOC2006
下記の盤面を眺めて改めて感じたのは、黒にとって打てる場所が多すぎて、どこに打つか非常に迷う局面であるということです。私は第一印象で実戦のE2が浮かびました。しかし、C4、C5、C6等も読んだ上で、E2が最善手であると判断しました。

好手25手目
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++25++●
3+++○○○○●
4+++○○○○●
5+++○○●○●
6+++○○○○●
7+++○●+◇●
8+●●●++++

私がE2に決めた理由は以下の二点です。

①右下の五個空き(奇数空き)に、黒から先に着手できること。
 E2に打つことでE列が黒一色になるため、一時的に白E8を阻止できます。
 白がE8に打てないうちに、H8の隅にすべりこみたいと考えました。

②G4の白石を黒石に変えられること。
 私はG列の白石を一つずつ消して、G列を黒一色にする構想を持っていました。
 下辺で白はE8→A8→F8の順番で打ってくることを予想していましたが、
 白にF8とG8に連打されるようだと黒の負けです。
 G列を黒一色にすることで、F8の後に白からG8に打てなくしようと考えました。

結果的には、黒は②の構想により優勢を築くことになるのでした。
 
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++◆++●
3+++○●●○●
4+++○●○●●
5+++○●●○●
6+++○●○○●
7+++○●+○●
8+●●●++++
次、白番(26手目)

準決勝1-4(予想外の展開)

2006-10-25 21:22:20 | WOC2006
私は19手目でC7ではなく、D8に打ちました。あくまで引っ張りきる構想です。白の20手目は予想通りC8に付けてきました。私は19手目D8を打つときから、20手目で白にC8に付けられた場合は、21手目でB8と下辺を取るつもりでした。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3+++○○○○○
4+++○○●●+
5+++○○●●●
6+++◇○○●●
7+++●○++●
8+212019++++

白の22手目はF8に打つか? 白H4→黒H2の後にG7にX打ちするか(ストーナー・トラップ)?で悩む局面だと思っていました。私はベンがストーナーの進行ではなく、じっくりとF8に打って来ると読んでいました。いかにベンといえども、早期のX打ちを躊躇すると考えたからです。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3+++○○○○○
4+++○○●●+
5+++○○●●●
6+++○○●●●
7+++○●++●
8+◆●●++++
次、白番(22手目)

しかし・・・私の予想は見事に外れました。ベンは22手目H4→23手目H2で黒に右辺を取らせた後、24手目でG7にX打ちしてストーナー・トラップを仕掛けてきました。実は、私にとっては全く想定外の展開だったのです。下記の盤面を目の前にして、必死で応手を考えました。しかし、黒は次の一手(25手目)により救われたのでした。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2+++++++●
3+++○○○○●
4+++○○○○●
5+++○○●○●
6+++○○○○●
7+++○●+◇●
8+●●●++++
次、黒番(25手目)

準決勝1-3(鬼神の賭け)

2006-10-24 21:16:18 | WOC2006
私は11手目で右辺を取ることに決めました。通常、序盤から辺を取って引っ張る展開を好まない私が、早期に辺取りを敢行したのは大きな賭けでした。しかし、11手目でH7以外には、黒に良い手が無いのも事実でした。

12~18手目まではお互いに慎重ながらも、余り時間をかけずに試合が進んでいきました。おそらくベンにとっては過去に経験がある進行だったのだと思います。黒番の私にとっては、実戦で打った場所以外に打つと形勢を損なうことが明らかだったので、わりと気楽に打ち進めていけました。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3+++1615141312
4+++○○○●+
5+++●○●●●
6+++18○○○○
7+++17◇++11
8++++++++

19手目を考えるにあたり、私は長考しました。第一印象ではC7が浮かびました。しかし、20手目C6 21手目E8 22手目H4 23手目H2 24手目F7・・・となると、形勢不明ではないかと考えました。ベンの終盤力を考慮すると、黒番で形勢不明で終盤を迎えて私が勝てるチャンスは大きくないと判断しました。そこで、この試合で二回目の賭けに出ることに決めました。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3+++○○○○○
4+++○○●●+
5+++○○●●●
6+++◇○○●●
7+++●○++●
8++++++++
次、黒番(19手目)

準決勝1-2(ベンの秘密兵器)

2006-10-23 20:56:57 | WOC2006
予想通り、ベンは6手目をG6に打ちました。予選の中島八段とベンの試合も同じく飛び出しで始まり、白のベンは6手目をG6に打って、7手目G4、8手目E7の進行となっていましたので、私は8手目E7を予想して対策を立てていました。このため、ベンが打った8手目H6に、今度は私が意表を突かれました。H6はベンが予選13ラウンドで一度も見せなかった「秘密兵器」ですね。

F5F6E6F4G5G6G4H6
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3++++++++
4+++○○○ 7+
5+++●●●◆+
6++++●○ 6 8
7++++++++
8++++++++

しかし、kurnikでベンと対戦したとき、ベンに8手目H6を打たれたことがあったため、幸いなことに少しだけ研究したことがありました。私の棋風ですと9手目はE3ですが、ネットでE3に打って負けたことを思い出したので、H5に当てることにしました。ベンの10手目はE7。黒番の私は早くも11手目で右辺を取るかどうかの決断を迫られることになりました。

/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3++++++++
4+++○○○●+
5+++●○●●●
6++++○○○○
7++++◇+++
8++++++++
次、黒番(11手目)

準決勝1-1(ベンとの決戦)

2006-10-22 10:45:39 | WOC2006
本日から自戦解説を再開します。まず最初に取り上げるのは、世界選手権・準決勝のベン・シーリー戦です。私自身、世界選手権の3日目にベンと対戦するのが、WOC2004ロンドン大会以来の目標でした。WOC2004では私は最終日に残れなかったため、ベンの試合を眺めることしか出来ませんでした。準決勝のアンドリアス・ホーン戦、決勝の末国九段戦で見せたベンの圧倒的な強さに強い衝撃を受けたのを覚えています。自分もベンと同じ舞台で戦いたい!それだけを考えて、一昨年末以降、練習に打ち込んできました。残念ながら、WOC2005ではベンが不調だったため、最終日でベンと私の対戦は実現しませんでした。

私は今年の全日本選手権で敗れた後、王座戦に出場しないことを決めました。その知らせを聞いて一番残念がったのは他ならぬベン・シーリー氏でした。ベンは世界選手権・最終日で私との対戦を実現させて、昨年の覇者である私に勝って世界チャンピオンに返り咲きたいという強い思いを持っていたのだと思います。両者にとっても、待望の対戦が実現したことになります。

第1試合については予選の順位が上だった私に石の選択権がありましたので、黒を選択しました。仮に第1試合を落としたとしても最低あと一試合残っているので、第1試合は黒を持って思い切った試合をやってみたいと思ったからです。ベンは予想通り、斜め取りを選択しました。ベンとの試合で斜め取りになった場合、私は「バッファロー」ではなく、「飛び出し」を打つことに決めていました。ベンがバッファロー(5手目C3)を徹底的に対策していると予想したからです。私の狙い通り、ベンは「飛び出し」に意表を突かれたようで、深いため息をついた後、長考に入りました。

F5F6E6F4G5
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3++++++++
4+++○○○++
5+++●●●◆+
6++++●○++
7++++++++
8++++++++
次、白番 (6手目)

WOC2006終盤問題3(R13)

2006-10-21 18:55:30 | WOC2006
本日掲載した写真は本文とは全く関係ないのですが、世界選手権の前、大会が終わったら自分へのご褒美として「富乃宝山」を買いたいとブログに書いた通り、「富乃宝山」を買いました。記念に、WOC2006で頂いた個人戦と団体戦の優勝トロフィーと一緒に写真まで撮ってしまいました。家族からは「大げさな奴~」と言われております。。。

当初、私はホワイトラインの黒の通しを維持することで勝つつもりでしたが、逆に、ホワイトラインを白の通しにすることで、左上隅で連打して石数を稼ぐ方針に変更しました。実戦の49~51の手順は以下の通りです。

/ A B C D E F G H
1+○49○○○○○
2+50○○○●●○
3○○●○○○●○
4+○●●○○●○
5●●○●●●●○
6+○○○●●○○
7○+○○○○●○
8++○+◇51●+

白が52でH8なら、黒はA1に打ってその後A2に打ちます(左上隅で連打)。白が52をA4に打った場合は、黒は先にA2に打ってから、次にA1に打ちます。試合後、Zebraで確認しましたが、49~51はこの手順が最善のようです。49を先にF8に打つ手順(49F8 50H8 51C1 52B2)も最善手順です。

/ A B C D E F G H
1+○●○○○○○
2+○○○○●●○
3○○●○●○●○
4+○●●○●●○
5●●○●●●●○
6+○○○●●○○
7○+○○○●●○
8++○+○◆●+
次、白番 (52手目)