私共のような零細企業は手形の取引が無いから不渡りは無い。ではどういう時に倒産するかというと物理的にはお金が回らなくなった時である。私共のような不動産業者の場合は商品不動産が売れなくなり、通常一年の約定弁済期に一括返済出来なくなり、銀行から次の融資が受けられなくなって先細り、キャッシュが回らなくなるというのが一般的なパターンである。ただそれも借りれなくなっても不動産を買取しているミラクルな会社もあるので、あくまでも一般論の話である。約定弁済期に返済をしなくても事務所の家賃さえ払っていればとりあえず表面上は会社は存続できる。中小零細企業は小さいだけに風評被害が起きにくいので(世間は関心が無い)意外に生きながらえる場合もある。それでも倒産する場合は従業員の給料が払えなくなったり、家賃が払えなくなったらもうどうしようも無いが、それも零細企業は比較的固定費が掛かってないので何とかなったりする。では中小零細企業の倒産とはどういう時か。それは経営者がもう駄目だ。もう「なしのつぶて」だと思った時が本当の倒産だと私は思う。経営者は不屈の精神でやっていてもどこかで心が折れる時があって、その心が折れた時が正しく中小零細企業の倒産だと私は思う。私も苦しい時にパソコンのスクリーンセーバーに「絶対に諦めない」と書いてそれをいつでも見れるようにしていた。それが原因かどうかはわからないが、V字回復出来た。私共のような零細企業の経営者には「諦めない」事くらいしか取り柄が無いのかもしれないが、私は一番大事な事だと思っている。
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