『君の名は。』2016年を代表する大ヒット作品となりました。そして日本だけでなく海外でも高い評価と大きな感動をもって迎えられている。そういう現象を目の当たりにすると、人間の感情って国や性別関係なく普遍なんだなって思ったりもする。
ここにきて監督の新海誠氏(43歳)にも大きな注目が集まっていますが、新海監督自身も述べていますが、別にこの方最近パッと出てきた人でもない。新海作品としても6作品目。
以前より新海監督のファンの人からしたらちょっと冷めた感じもあるかもしれません。
そういう私も、新海作品に触れるきっかかえとなったのは4年前のWOWOWでの特集。2012年4月に、「ほしのこえ」(02)「雲のむこう、約束の場所」(04) 「秒速5センチメートル」(07)「星を追う子ども」(11)の4作品を一挙放送しました。WOWOWで放送するからといって毎月すべての放送作品を見る事などできるわけもなく、自分の好みのものを絞って見て(録画)いくわけですが、“繊細な映像美で国内外から注目を浴びるアニメーション界の俊英”というキャッチコピーにひかれて見ました。
そして見事に新海ワールドに魅了されました。 ☆その時の過去記事☆
「あ~、こういう感覚をアニメで表現できる人がいるんだな~」と思いました。 基本、余韻のある切な系の作品大好きなので。これ10代や20代の多感な時期に見たらもっと心に来たろうなとも思いました。でもまだ共鳴するハートが心の中に眠っていてよかった。
『雲の向こう』『星を追う子供』は、切ない想いの中にもSF的なスケールも大きいエンターテイメント性も十分あり見ごたえもありました。
『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』は、かなりの切な系作品。
新海作品に魅了されたと言ってる割には、今年になってやっとみた『言の葉の庭』(13)にもやっぱり魅了された。
そして最新作『君の名は。』です。
今年の8月から公開されたにも関わらず、忙しさもありますがなかなか映画館に足を運べなかった。新海誠作品、個人的には今の所外れはありません。
それでもすぐに見に行こうと思えなかった理由が、漫画家の江川達也も言っていましたが「男女が入れ替わる設定」って昔『転校生』という映画があって、設定的には新しくなく私も今更男女が入れ替わる設定なの!?って思ったのは事実。(見たらわかりますがその設定というか要素は『転校生』と全然ちがうのですが)
後、田中将賀氏のキャラクター・デザインがそんなに好みじゃなかった。深夜アニメ的、今風なんでしょうが。これまでの新海作品との相性もどうなのよ等とも思いましたが、作品にふれたら全然良かった。
マンガチックなキャラを、リアルな絵柄を得意とするという作画監督として起用されたジブリ出の安藤雅司氏との融合が良かったのだと思う。
そんな感じでチンタラしてたのですが、すこぶる評判がいい。周りの見に行った人も「良かった」と。ロングランヒットにならなかったら上映終わっていたかもしれませんが、11月に入りやっと見に行くことができました(一人で)。
映画館で見れてよかったですが、号泣しそうになったわ。映画館って出るとき人に出会うから、大泣き状態で出る恥ずかしさになんとか耐えましたがっ。
前述の、男女の入れ替わりの設定、タイトル画や映画紹介にもふれられている彗星。ま~これまでの新海作品にもある彗星にいろいろな意味が込められ物語が展開されると思っていたら、全然想定外のビターな展開で、見てる途中で「まじかっ」って、見事に新海サイドの戦略にはまったわけです。
『君の名は。』、興行収入も200億円超えでまだ伸ばしてるみたい。観客動員も1500万人越え。これまでの作品が、1億円台だそうですから、想定外すぎるヒット。だいたいこういうヒット作品って口こみで「いいよいいよ」ってなって、メディアにも取り上げられ、さらに相乗効果を生み、老若男女が映画館に足を運んでいくからだと思う。
NHKでも「なぜここまでヒットしたのか?」と分析してたけど、60代の人たちも大粒の涙を流して感動していた。
さらに海外でもヒットしてる。こういう想いは万国共通なんだなと思ってしまう、同じ人間なんだなと。
新海誠が描く世界は、とてもピュアなものだと思う。
元々、この作品も10代、20代をターゲットに作ったと新海監督も述べている。ピュアな感性がビンビンのこの世代に共感されるのはわかるけど、この層だけではここまでのヒットにならないと思う。
当初、音楽を担当したRADWIMPSが作品を牽引したようです。映像と音楽のコンビネーションが絶妙とか。前述の江川達也もただのミュージックビデオ作品って言って炎上したけど。その辺はエッセンスに過ぎないと思う。物語がしっかりしている上に、物語に絶妙に融合した音楽がのっかった。
新海作品は、音楽も重要。これまでだいたい天門という方が、ピアノやシンセをベースにシンプルで余韻のあるバック・グランド・ミュージックで作品に空気感をさらに作った。
歌ものとして、大きくフューチャーされたのが、「秒速5センチメートル」(07)で主題歌となった山崎まさよしの「One more time,One more chance」。「One more time---」は、この作品の為に書き下ろされた曲ではなく、山崎まさよしの97年発売の4枚目のシングルで、さらに彼が主演もした『月とキャベツ』(監督 篠原哲雄)の主題歌にもなった曲で、彼の初期の大ヒット曲。しかし、この作品のために作られた曲とも思えるもので、作品の切なさを増強させた。
『言の葉の庭』(13)では、大江千里のカバー曲「Rain」が取り上げられ秦基博がセンチメンタルに歌う。
そして、今回はRADWIMPSなわけです。
基本、新海監督が「ビビッ」ときた楽曲やアーティストに、音楽の依頼をし、相手も快諾し、新海監督の想定も超える楽曲で応える。見事に作品にマッチします。
日本のクインシー・ジョーンズ→久石譲とタッグを組めている宮崎駿氏が羨ましい的な事も新海氏は述べていましたが、新海氏自身の千里眼は見事。
『君の名は。』のヒットの根底はStoryの素晴らしさだと思う。原作、脚本も新海誠。
相変わらずのリアルで美しい風景(背景)と描写、アニメなんだけどアニメじゃない。どちらかといえば実写の感覚も持つけど実写でもない。
新感覚のアニメ作品。
作品のモチーフとなった場所を聖地と呼びそこを訪れる“聖地巡礼”というのも社会現象になった。
舞台となった田舎の場所は、飛騨高山(大好き!)だそう。諏訪湖も重要な場所となっている。
カルデラみたいな場所があって、最初、阿蘇の方が舞台かと思ってた。
そういう日常の舞台が、作品と融合し非日常の世界となり、またその現実の場所を訪れて非日常感を体感するってのもいいとは思う。
今作は、特にストーリー展開に大きなドラマがあって衝撃を受ける。
ストーリーがしっかりしているので、よりリアルな実写版としても見てみたい、感じてみたいと強く感じた。
声優の、神木隆之介、上白石萌音もすばらしかった。特に神木、表現力高い。
『君の名は。』のヒットの理由は、当初のターゲットの10代、20代だけでなく、さらに60代の心も掴んだところにあると思う。70代の人のハートに共鳴する力も持っていると思う。ティーンをターゲットにした作品かもしれないけど、今、40代、50代、60代の人もかつてはティーンだったわけで、今の若者と同じように人を好きになり、ときめき、切なさを感じた。ただ年齢を重ねていく中で、日常に追われ現実に中でそういう感覚は薄れていく感じがする。その中には慣れや照れや、常識とかもあるのかもしれない。
新海作品は、そういった人を好きになった時のピュアな思いを呼び起こさせる。これまでの新海作品も根底に流れているものは同じように思う。
NHKの特集の中でも、60代の人たちが涙していた。中には離婚された方もいて、またプロポーズしたくなったとも言われていた。かつて好きだった人を思い出したという女性もいた。おっさんになったりおばさんになったからといって、そういう感情を失うわけではない。奥底に眠ってるだけ。
あと、新海作品って、「時」と「空間」、〝時空‴というのもすごく大切な要素。どの作品にもそれは感じる。
『君の名は。』は、さらにSF的な極限の時空の要素を加え、その辺にエッジ感をさらに効かせた印象。。「雲のむこう、約束の場所」もSF的な設定があってけっこう難解だったけど、『君の名は。』わかりやすさもあった。
前述の江川達也は、「プロから見ると全然面白くないんですよ。作り手から見ると、作家性が薄くて、売れる要素ばかりぶち込んでいる、ちょっと軽いライトな作品」と評して炎上した。江川達也自身、才能ある方だと思うけど、自分の見解をプロからという括りで評しているのがまずかったと思う。
言われた新海監督も、「それならやってみればいい」って返してたけど、当然そう思う。そんなに簡単にそういった事が作品として作り上げれるのなら毎年メガヒット作品が出るっちゅうに。
ただ新海監督も、作品作りの基本スタンスは変わっていないと思う。現実、ある程度の収益が出ないと作品作りはできないと思うけど、「メガヒット作品を作ろう!」というスタンスではなく、自分の思い描くものを皆に伝えたい、見て欲しいというのがほんとの所だと思う。
そしたらこんなにも受け入れられたと。
新海作品は、心の純度を測るバロメーターになる。4年前に新海作品を一気見したとき、心が浄化された感じがした。この前、『言の葉の庭』を見たときもまたそう感じた。
別に心が汚れてるとかではないと思うのだけど、誰しも人を好きになった時に感じるあの気持ち。相手の事を思い、お互いを慈しみ合う、大切に思う気持ち。本当に好きな人と結ばれるってどんなに幸福かと思う。
現実に生きていくと、その思いだけでは難しい。そういった現実の中で、つい相手を傷つける言葉をはいたり、自分を優先してしまう事も多々あると思う。そういう中で、その思いは慣れとなり鈍化していくのかもしれないけど、新海作品はそういったピュアな思いをまた呼び起こしてくれる。
だからおれは見た人に「どうだった?」って聞いちゃう。「泣けた」っていう人に出会うとなんだかうれしくなる。
おれみたいに「号泣」って人にはまだ出会ってないけど・・・
江川達也氏とか新海作品をディスる人って、その辺の感度が著しく鈍化してる気がする。鈍化してるから悪いって話でもないけどさ。
でもこうして多くの人が、老若男女がこの作品を見て心を動かされているのは、なんだかうれしい。
そして国境をこえてこの作品が多くの人の心に届いているのもうれしい。
こうして人との絆や思いを大切に思える気持ちがあれば、持ち続ければテロとかも卑劣な事件もなくなるのにって思ってしまう。
あなたも新海作品に触れて、忘れていたあの気持ちを呼び起こしてみて!
1作品目「ほしのこえ」(2002)
2作品目「雲の向こう、約束の場所」(2004)
3作品目「秒速5センチメートル」(2007)
4作品目「星を追う子ども」(2011)
5作品目「言の葉の庭」(2013)
ここにきて監督の新海誠氏(43歳)にも大きな注目が集まっていますが、新海監督自身も述べていますが、別にこの方最近パッと出てきた人でもない。新海作品としても6作品目。
以前より新海監督のファンの人からしたらちょっと冷めた感じもあるかもしれません。
そういう私も、新海作品に触れるきっかかえとなったのは4年前のWOWOWでの特集。2012年4月に、「ほしのこえ」(02)「雲のむこう、約束の場所」(04) 「秒速5センチメートル」(07)「星を追う子ども」(11)の4作品を一挙放送しました。WOWOWで放送するからといって毎月すべての放送作品を見る事などできるわけもなく、自分の好みのものを絞って見て(録画)いくわけですが、“繊細な映像美で国内外から注目を浴びるアニメーション界の俊英”というキャッチコピーにひかれて見ました。
そして見事に新海ワールドに魅了されました。 ☆その時の過去記事☆
「あ~、こういう感覚をアニメで表現できる人がいるんだな~」と思いました。 基本、余韻のある切な系の作品大好きなので。これ10代や20代の多感な時期に見たらもっと心に来たろうなとも思いました。でもまだ共鳴するハートが心の中に眠っていてよかった。
『雲の向こう』『星を追う子供』は、切ない想いの中にもSF的なスケールも大きいエンターテイメント性も十分あり見ごたえもありました。
『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』は、かなりの切な系作品。
新海作品に魅了されたと言ってる割には、今年になってやっとみた『言の葉の庭』(13)にもやっぱり魅了された。
そして最新作『君の名は。』です。
今年の8月から公開されたにも関わらず、忙しさもありますがなかなか映画館に足を運べなかった。新海誠作品、個人的には今の所外れはありません。
それでもすぐに見に行こうと思えなかった理由が、漫画家の江川達也も言っていましたが「男女が入れ替わる設定」って昔『転校生』という映画があって、設定的には新しくなく私も今更男女が入れ替わる設定なの!?って思ったのは事実。(見たらわかりますがその設定というか要素は『転校生』と全然ちがうのですが)
後、田中将賀氏のキャラクター・デザインがそんなに好みじゃなかった。深夜アニメ的、今風なんでしょうが。これまでの新海作品との相性もどうなのよ等とも思いましたが、作品にふれたら全然良かった。
マンガチックなキャラを、リアルな絵柄を得意とするという作画監督として起用されたジブリ出の安藤雅司氏との融合が良かったのだと思う。
そんな感じでチンタラしてたのですが、すこぶる評判がいい。周りの見に行った人も「良かった」と。ロングランヒットにならなかったら上映終わっていたかもしれませんが、11月に入りやっと見に行くことができました(一人で)。
映画館で見れてよかったですが、号泣しそうになったわ。映画館って出るとき人に出会うから、大泣き状態で出る恥ずかしさになんとか耐えましたがっ。
前述の、男女の入れ替わりの設定、タイトル画や映画紹介にもふれられている彗星。ま~これまでの新海作品にもある彗星にいろいろな意味が込められ物語が展開されると思っていたら、全然想定外のビターな展開で、見てる途中で「まじかっ」って、見事に新海サイドの戦略にはまったわけです。
『君の名は。』、興行収入も200億円超えでまだ伸ばしてるみたい。観客動員も1500万人越え。これまでの作品が、1億円台だそうですから、想定外すぎるヒット。だいたいこういうヒット作品って口こみで「いいよいいよ」ってなって、メディアにも取り上げられ、さらに相乗効果を生み、老若男女が映画館に足を運んでいくからだと思う。
NHKでも「なぜここまでヒットしたのか?」と分析してたけど、60代の人たちも大粒の涙を流して感動していた。
さらに海外でもヒットしてる。こういう想いは万国共通なんだなと思ってしまう、同じ人間なんだなと。
新海誠が描く世界は、とてもピュアなものだと思う。
元々、この作品も10代、20代をターゲットに作ったと新海監督も述べている。ピュアな感性がビンビンのこの世代に共感されるのはわかるけど、この層だけではここまでのヒットにならないと思う。
当初、音楽を担当したRADWIMPSが作品を牽引したようです。映像と音楽のコンビネーションが絶妙とか。前述の江川達也もただのミュージックビデオ作品って言って炎上したけど。その辺はエッセンスに過ぎないと思う。物語がしっかりしている上に、物語に絶妙に融合した音楽がのっかった。
新海作品は、音楽も重要。これまでだいたい天門という方が、ピアノやシンセをベースにシンプルで余韻のあるバック・グランド・ミュージックで作品に空気感をさらに作った。
歌ものとして、大きくフューチャーされたのが、「秒速5センチメートル」(07)で主題歌となった山崎まさよしの「One more time,One more chance」。「One more time---」は、この作品の為に書き下ろされた曲ではなく、山崎まさよしの97年発売の4枚目のシングルで、さらに彼が主演もした『月とキャベツ』(監督 篠原哲雄)の主題歌にもなった曲で、彼の初期の大ヒット曲。しかし、この作品のために作られた曲とも思えるもので、作品の切なさを増強させた。
『言の葉の庭』(13)では、大江千里のカバー曲「Rain」が取り上げられ秦基博がセンチメンタルに歌う。
そして、今回はRADWIMPSなわけです。
基本、新海監督が「ビビッ」ときた楽曲やアーティストに、音楽の依頼をし、相手も快諾し、新海監督の想定も超える楽曲で応える。見事に作品にマッチします。
日本のクインシー・ジョーンズ→久石譲とタッグを組めている宮崎駿氏が羨ましい的な事も新海氏は述べていましたが、新海氏自身の千里眼は見事。
『君の名は。』のヒットの根底はStoryの素晴らしさだと思う。原作、脚本も新海誠。
相変わらずのリアルで美しい風景(背景)と描写、アニメなんだけどアニメじゃない。どちらかといえば実写の感覚も持つけど実写でもない。
新感覚のアニメ作品。
作品のモチーフとなった場所を聖地と呼びそこを訪れる“聖地巡礼”というのも社会現象になった。
舞台となった田舎の場所は、飛騨高山(大好き!)だそう。諏訪湖も重要な場所となっている。
カルデラみたいな場所があって、最初、阿蘇の方が舞台かと思ってた。
そういう日常の舞台が、作品と融合し非日常の世界となり、またその現実の場所を訪れて非日常感を体感するってのもいいとは思う。
今作は、特にストーリー展開に大きなドラマがあって衝撃を受ける。
ストーリーがしっかりしているので、よりリアルな実写版としても見てみたい、感じてみたいと強く感じた。
声優の、神木隆之介、上白石萌音もすばらしかった。特に神木、表現力高い。
『君の名は。』のヒットの理由は、当初のターゲットの10代、20代だけでなく、さらに60代の心も掴んだところにあると思う。70代の人のハートに共鳴する力も持っていると思う。ティーンをターゲットにした作品かもしれないけど、今、40代、50代、60代の人もかつてはティーンだったわけで、今の若者と同じように人を好きになり、ときめき、切なさを感じた。ただ年齢を重ねていく中で、日常に追われ現実に中でそういう感覚は薄れていく感じがする。その中には慣れや照れや、常識とかもあるのかもしれない。
新海作品は、そういった人を好きになった時のピュアな思いを呼び起こさせる。これまでの新海作品も根底に流れているものは同じように思う。
NHKの特集の中でも、60代の人たちが涙していた。中には離婚された方もいて、またプロポーズしたくなったとも言われていた。かつて好きだった人を思い出したという女性もいた。おっさんになったりおばさんになったからといって、そういう感情を失うわけではない。奥底に眠ってるだけ。
あと、新海作品って、「時」と「空間」、〝時空‴というのもすごく大切な要素。どの作品にもそれは感じる。
『君の名は。』は、さらにSF的な極限の時空の要素を加え、その辺にエッジ感をさらに効かせた印象。。「雲のむこう、約束の場所」もSF的な設定があってけっこう難解だったけど、『君の名は。』わかりやすさもあった。
前述の江川達也は、「プロから見ると全然面白くないんですよ。作り手から見ると、作家性が薄くて、売れる要素ばかりぶち込んでいる、ちょっと軽いライトな作品」と評して炎上した。江川達也自身、才能ある方だと思うけど、自分の見解をプロからという括りで評しているのがまずかったと思う。
言われた新海監督も、「それならやってみればいい」って返してたけど、当然そう思う。そんなに簡単にそういった事が作品として作り上げれるのなら毎年メガヒット作品が出るっちゅうに。
ただ新海監督も、作品作りの基本スタンスは変わっていないと思う。現実、ある程度の収益が出ないと作品作りはできないと思うけど、「メガヒット作品を作ろう!」というスタンスではなく、自分の思い描くものを皆に伝えたい、見て欲しいというのがほんとの所だと思う。
そしたらこんなにも受け入れられたと。
新海作品は、心の純度を測るバロメーターになる。4年前に新海作品を一気見したとき、心が浄化された感じがした。この前、『言の葉の庭』を見たときもまたそう感じた。
別に心が汚れてるとかではないと思うのだけど、誰しも人を好きになった時に感じるあの気持ち。相手の事を思い、お互いを慈しみ合う、大切に思う気持ち。本当に好きな人と結ばれるってどんなに幸福かと思う。
現実に生きていくと、その思いだけでは難しい。そういった現実の中で、つい相手を傷つける言葉をはいたり、自分を優先してしまう事も多々あると思う。そういう中で、その思いは慣れとなり鈍化していくのかもしれないけど、新海作品はそういったピュアな思いをまた呼び起こしてくれる。
だからおれは見た人に「どうだった?」って聞いちゃう。「泣けた」っていう人に出会うとなんだかうれしくなる。
おれみたいに「号泣」って人にはまだ出会ってないけど・・・
江川達也氏とか新海作品をディスる人って、その辺の感度が著しく鈍化してる気がする。鈍化してるから悪いって話でもないけどさ。
でもこうして多くの人が、老若男女がこの作品を見て心を動かされているのは、なんだかうれしい。
そして国境をこえてこの作品が多くの人の心に届いているのもうれしい。
こうして人との絆や思いを大切に思える気持ちがあれば、持ち続ければテロとかも卑劣な事件もなくなるのにって思ってしまう。
あなたも新海作品に触れて、忘れていたあの気持ちを呼び起こしてみて!
1作品目「ほしのこえ」(2002)
ほしのこえ | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
2作品目「雲の向こう、約束の場所」(2004)
雲のむこう、約束の場所 | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
3作品目「秒速5センチメートル」(2007)
秒速5センチメートル | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
4作品目「星を追う子ども」(2011)
星を追う子ども | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
5作品目「言の葉の庭」(2013)
言の葉の庭 | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |