監督:エドワード・ズウィック/主演:レオナルド・ディカプリオ
以前『ルワンダの涙』というアフリカを舞台にした映画をレビューしましたが、今回もアフリカが舞台です。テーマはちょっとちがいますが、根底の部分にあるものは同じような気がします。アフリカの紛争問題は根深く、複雑といわれています。ヨーロッパの植民地支配の遺産、民族対立、政治権力闘争・・・現状を分析するのも難しく、さらにその解決法となると見通しまっくら。アフリカに未来はあるのか?しかし、こういう言い方はどうかと思いますが、アフリカが豊かになるとそれこそ資源の争奪はますます熾烈になる。高校の時の教師が、その頃アフリカの飢餓問題が深刻だったとき、「住んでるあいつらが悪い」的な事を言ってました。当時は、教師の言う事はぜったいで間違いはない的なとこがあったのですが、今考えると、ろくでもねーなって思います。あの世界も相当閉鎖的。だから世間の感覚とずれがあるんだと思う。
作品の話にもどってこの作品はタイトルどおり“血のダイヤモンド”の問題を提起している社会派の作品です。貧しい国が多いアフリカにおいてダイヤモンドが取れる国は、本来それは貴重な外貨を獲得する産物のはずなのですが、獲得した外貨で武器を購入し、さらに内戦が長引き深刻化するという構造があります。
この映画の舞台は、シエラレオネとリベリア(西アフリカ)です。この国でとれる貴重なダイヤモンド原石を、反政府ゲリラが密輸して手にした資金で武器を購入し、大量殺りくを繰り返していた事実を描いています。反政府ゲリラにより、10年間の内戦で5万人以上が殺害され、民主化の動きも民衆が選挙で投票できないよう何千もの人々が手を切断されます。少年兵の問題も深刻。彼らは教育を受けるのではなく、武器の扱い方を学ぶのです。
主演は、ディカプリオです。彼の役は、密売人(仲介者)の元傭兵。けっこう最近の彼の作品見てます。『ディパーテッド』『アビエイター』『ギャング・オブ・ニューヨーク』など。もうおれの中では『タイタニック』の好青年役のイメージはうすくなりました。彼独特の語尾に「ハッ」ってつける感じが最近の役でイメージがかぶってるんですが。この作品で、主演男優賞もノミネートされます。今回も残念ながら受賞はできず。
社会派の作品ですが、エンターテイメント性も十分です。全編緊張感が漂っている。ダイヤモンドの裏側にこういう世界があるとは知りませんでした。この作品を見ると、テレビで「これは何カラットのダイヤです」って自慢してるセレブ系の人たちはとても愚かにみえます。
1990年代は、この戦争ダイヤモンドは全体の15%もあったそうですが、近年の各国の取り組みで1%にまで減少しているそう。だいたいなんでダイヤモンドが婚約指輪の定番になってんでしょうね。ある意味業界にのせられてる気も。ただ単純にとても美しくてきれいなものであるとは思います。
社会的な問題を提起しつつも、エンターテイメント作品としても見事に仕上げている作品だと思います。
(最近見てレビューしてない作品)
SAW Ⅳ(ソウ4)
このシリーズ、実はずっと見てます。1は、設定もシンプルなとこが斬新だし、ミステリー、サスペンス色が強くて、最後のおちに驚きました。前編の謎もまだあったので、その流れで2もみました。またなんか幅が拡がった感じで楽しめましたが、3あたりからエグさが増してきて、この4は拷問機が女性の髪の毛を引っ張って頭の皮全体がはがれそうなシーンで見るに絶えずやめました。でも数日後、また再開したのですが、なんだか前作からのつながりがよくわかりまへん。5もあるんですね。なんか描写のエグさがどんどんエスカレートしてて、この作品見て喜んでる人はひく。
以前『ルワンダの涙』というアフリカを舞台にした映画をレビューしましたが、今回もアフリカが舞台です。テーマはちょっとちがいますが、根底の部分にあるものは同じような気がします。アフリカの紛争問題は根深く、複雑といわれています。ヨーロッパの植民地支配の遺産、民族対立、政治権力闘争・・・現状を分析するのも難しく、さらにその解決法となると見通しまっくら。アフリカに未来はあるのか?しかし、こういう言い方はどうかと思いますが、アフリカが豊かになるとそれこそ資源の争奪はますます熾烈になる。高校の時の教師が、その頃アフリカの飢餓問題が深刻だったとき、「住んでるあいつらが悪い」的な事を言ってました。当時は、教師の言う事はぜったいで間違いはない的なとこがあったのですが、今考えると、ろくでもねーなって思います。あの世界も相当閉鎖的。だから世間の感覚とずれがあるんだと思う。
作品の話にもどってこの作品はタイトルどおり“血のダイヤモンド”の問題を提起している社会派の作品です。貧しい国が多いアフリカにおいてダイヤモンドが取れる国は、本来それは貴重な外貨を獲得する産物のはずなのですが、獲得した外貨で武器を購入し、さらに内戦が長引き深刻化するという構造があります。
この映画の舞台は、シエラレオネとリベリア(西アフリカ)です。この国でとれる貴重なダイヤモンド原石を、反政府ゲリラが密輸して手にした資金で武器を購入し、大量殺りくを繰り返していた事実を描いています。反政府ゲリラにより、10年間の内戦で5万人以上が殺害され、民主化の動きも民衆が選挙で投票できないよう何千もの人々が手を切断されます。少年兵の問題も深刻。彼らは教育を受けるのではなく、武器の扱い方を学ぶのです。
主演は、ディカプリオです。彼の役は、密売人(仲介者)の元傭兵。けっこう最近の彼の作品見てます。『ディパーテッド』『アビエイター』『ギャング・オブ・ニューヨーク』など。もうおれの中では『タイタニック』の好青年役のイメージはうすくなりました。彼独特の語尾に「ハッ」ってつける感じが最近の役でイメージがかぶってるんですが。この作品で、主演男優賞もノミネートされます。今回も残念ながら受賞はできず。
社会派の作品ですが、エンターテイメント性も十分です。全編緊張感が漂っている。ダイヤモンドの裏側にこういう世界があるとは知りませんでした。この作品を見ると、テレビで「これは何カラットのダイヤです」って自慢してるセレブ系の人たちはとても愚かにみえます。
1990年代は、この戦争ダイヤモンドは全体の15%もあったそうですが、近年の各国の取り組みで1%にまで減少しているそう。だいたいなんでダイヤモンドが婚約指輪の定番になってんでしょうね。ある意味業界にのせられてる気も。ただ単純にとても美しくてきれいなものであるとは思います。
社会的な問題を提起しつつも、エンターテイメント作品としても見事に仕上げている作品だと思います。
(最近見てレビューしてない作品)
SAW Ⅳ(ソウ4)
このシリーズ、実はずっと見てます。1は、設定もシンプルなとこが斬新だし、ミステリー、サスペンス色が強くて、最後のおちに驚きました。前編の謎もまだあったので、その流れで2もみました。またなんか幅が拡がった感じで楽しめましたが、3あたりからエグさが増してきて、この4は拷問機が女性の髪の毛を引っ張って頭の皮全体がはがれそうなシーンで見るに絶えずやめました。でも数日後、また再開したのですが、なんだか前作からのつながりがよくわかりまへん。5もあるんですね。なんか描写のエグさがどんどんエスカレートしてて、この作品見て喜んでる人はひく。
いてた、監督による解説が面白かった。アフリカの鉱物資源って、携帯電話とか我々の物質社会に不可欠なんだってね。そうなると、遠い灼熱の大陸の話も身近に感じるね。そんな貴重なモンが採れるというのに豊かになれないなんて。アフリカに関心持ったって絶望的な気分になるだけなんだよなぁ。でもまぁこの映画は、一つ問題が解決したという話なのでいいと思いますけど。