'07/10/03の朝刊記事から
沖縄集団自決 「軍関与」記述復活へ
出版社 月内に訂正申請
沖縄戦の集団自決での日本軍による強制や関与を示す高校教科書の記述が削除された教科書検定問題で、削除に応じた複数の教科書出版社が2日、記述の回復を求めて今月中にも文部科学省に「訂正申請」を出す方針を固めた。
検定で修正された歴史的記述について訂正申請するのは極めて異例で、文科省は教科書検定審議会を改めて開き、修正を認める見通しだ。
今回の問題では、5社の高校日本史教科書で沖縄戦の集団自決を巡り日本軍の強制があったとする記述に「誤解する恐れ(虞)がある表現」と検定意見が付き、出版社が記述を削除して検定に合格した。
これに対して沖縄での反発が強まり、9月29日には県民ら11万人が参加する大規模な抗議集会が開かれた。
沖縄教科書検定問題
文部科学省は3月、2008年度から使用する高校教科書について教科書検定審議会の検定結果を公表。
それまで認められていた、沖縄戦の住民集団自決には日本軍の強制があったとする記述に修正を求める意見が付けられたことが判明した。
各教科書会社は反論の機会である意見申立書を提出せずに記述を修正、合格した。
検定意見を付けたのは、軍の命令の有無を巡り係争中の裁判があることなどが理由とされている。