'07/08/14の朝刊記事から
邦人への臓器移植再開
中国、死刑増加 秘密裏に
【広州13日時事】外国人に対する臓器移植を厳しく禁じた中国で、今月に入り日本人を含めた外国人への移植手術が秘密裏に相次いで実施されたことが13日までに分かった。
ドナー(臓器提供者)の大半を死刑囚が占めるなど中国の不透明な移植の実態に国際社会が批判を強め、中国政府は今年5月、移植管理強化に向け初の臓器移植法を施行したばかり。
移植再開は、一旦激減した国内での死刑執行が今月に入って大量に実施されたことが背景にあるが、規定を無視した今回の動きは議論を呼びそうだ。
国が黙認の可能性
中国の臓器移植問題に詳しい粟屋剛岡山大学大学院教授(生命倫理)の話
中国はいわば「準国策」として移植治療を推進してきた。
設備投資を行い、米国に次ぐ世界の移植センターになった。
しかし、死刑囚の臓器使用などについて北京五輪開催を前に国際社会への配慮も必要になっており、建前として外国人への移植を制限したのではないか。
ただ、「ドル箱」である外国人への移植を行いたいのが本音で、簡単に方向転換できない。
特にトラブルを起こさない日本人患者は好ましいとのこと。
今後の状況を見る必要があるが、現時点では黙認している可能性がある。(時事)