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サンダースが民主党の大統領候補争いから離脱した背景(2/2)

2020.04.10
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 2014年にオバマ政権は中東だけでなく、ロシアと中国に対する攻撃を始めたのだが、その結果、中国とロシアは急速に接近し、戦略的な同盟関係に入ってしまった。パイプラインや交通網での結びつきが進み、経済的な交流も活発化していく。中国とロシアが接近するはずがないと高を括っていたアメリカ支配層は衝撃を受け、「必ず分裂する」と念仏を唱えている人も少なくない。

 

 しかし、アメリカの支配層にも中国とロシアとの接近を懸念する人はいるはず。2016年2月にキッシンジャーがロシアを訪れた背景にはそうした懸念があったのだろう。そしてロシアとの関係修復を訴えるドナルド・トランプが急浮上した。

 

 そのトランプを引きずり下ろすために民主党、CIA、司法省、FBIなどは2016年の段階で動き始めている。選挙で勝利したトランプがフリンを国家安全保障補佐官に据えると、有力メディアは激しく攻撃した。その理由は言うまでもないだろう。

 

 2014年のウクライナにおけるクーデターを現場で指揮していた人物としてネオコンで国務次官補だったビクトリア・ヌランドが知られているが、ホワイトハウスで指揮してのは副大統領だったバイデンだ。そして汚職事件の容疑者になる。

 

 未成年の女性らを各国の有力者に提供、その行為を記録することで弱みを握り、操るというイスラエルのプロジェクトで中心的な役割を果たしていたジェフリー・エプスタインが2019年7月に逮捕され、収監中の8月に房の中で死亡した。

 

 これも繰り返し書いてきたが、エプスタインの妻はギスレイン・マクスウェルであり、その父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェル。

 

 ロバートは生前、イギリスの情報機関と関係していると言われていたが、イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関、つまりAMAMに所属していた。

 

 2019年の段階でアメリカの支配層はスキャンダルで危険な状態になっていた。その背後では支配層の内紛があるはずだが、そうした中、司法長官として登場してきたのがウィリアム・バー。この人物はジョージ・H・W・ブッシュが大統領だった1991年から93年にかけて司法長官としてイラン・コントラ事件を処理している。

 

 バーは1971年から73年にかけてコロンビア大学の大学院で学んでいるが、その時点でCIAの仕事をしている。1977年にCIAを離れて連邦巡回裁判所判事の書記になるが、それはジョージ・H・W・ブッシュの推薦による。父親がアレン・ダレスと親しいブッシュが遅くともエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高いことは本ブログでも書いてきた。

 

 2019年から民主党、CIA、司法省、FBIなどが有力メディアを使ってトランプ攻撃とロシアとの関係悪化を目的として始めた「ロシアゲート」は破綻、仕掛けた側が危機に陥っていた。それを放置しておくと支配システムそのものを壊すことにもなりかねない。すでに崩れ始めているシステムが一気に崩壊することもありえる。そうした情況を処理する役をバーは命じられたのだろう。バイデンが再登場してきたのは、その処理が一段落したからかもしれない。(了)






 

最終更新日  2020.04.10 00:00:08


 
 
2020.04.09
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 アメリカでは今年11月に次期大統領を決める投票が予定されている。巨大資本やシオニストに支配される「2大政党」、つまり民主党と共和党の候補者で争われる恒例の行事だが、それでも支配システムにとって好ましくない候補者も存在する。

 

 最も嫌われていたのは戦争反対の立場を鮮明にしていたトゥルシ・ガバードだろうが、支持率は低かった。バーニー・サンダースも嫌われていたのだが、ここにきて選挙キャンペーンを中断することが明らかにされた。残ったのはウクライナの汚職事件に関係していると言われているジョー・バイデンだ。

 

 ウクライナのスキャンダルもあって2月には人気が大きく低下させていたバイデンだが、大富豪のマイケル・ブルームバーグ、イスラエルやCIAとの関係が露見したピート・ブータジャジ、やはりイスラエルとの関係が深いアミー・クロウバシャー、元ハーバード大学教授で外交問題はイスラエルに従っているエリザベス・ウォーレンらが撤退、COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大が話題になる中、復活した。

 

 民主党の幹部は2016年の大統領選挙でもサンダースを潰すために工作を裏で行っていた。その一端を明らかにする電子メールを2016年3月に公表したのがウィキリークスだったが、その看板的な存在だったジュリアン・アッサンジは2019年4月、ロンドンのエクアドル大使館でイギリス警察に逮捕され、現在はベルマーシュ刑務所の中だ。ここはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われている。

 

 尋問にはアメリカから国防総省、FBI、CIAの人間が参加、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されとも伝えられた。この薬は幻覚を生じさせ、現実と幻覚を混乱させるほか、昏睡、物忘れなどを含む意識障害、あるいは運動失調症を引き起こすとされている。精神的な面で治療が必要な情況になったとも言われた。

 

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ウィキリークスが2012年2月に公表した民間情報会社​ストラトフォーの電子メール​によると、アメリカ当局がアッサンジを秘密裏に起訴したのは2011年初め。その後、この情報は公的な文書で確認された。​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書​の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されているのだ。

 

 2016年の選挙での勝利者はヒラリー・クリントンだと2015年の段階では見通されていた。2015年6月中旬にオーストリアで開催された​ビルダーバーグ・グループの会合​にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。

 

 こうした流れに変化が生じたと言われたのは2016年2月。10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したからだ。

 

 クリントンはバラク・オバマ政権の外交政策を引き継ぎ、ロシアとの関係悪化を推進すると見られていた。オバマ政権の副大統領がバイデンだ。

 

 オバマ政権は中東制圧を正規軍からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵(アル・カイダ系武装集団)に切り替え、2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が売り出された。この武装集団は残虐さを演出、リビアのケースと同じようにアメリカ/NATO軍による空爆と地上の傭兵を連携させた侵略を容認する雰囲気を作ろうとした。

 

 オバマ政権の政策はダーイッシュ的なサラフィ主義者やムスリム同胞団の武装集団を作りだし、シリア東部をその集団が支配すると​2012年の段階で警告​していたのがアメリカ軍の情報機関DIAで、その時のDIA局長がマイケル・フリン中将だった。フリンは2014年8月に退役を強いられる。

 

 2014年2月にオバマ政権のネオコン(シオニストの一派)はウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。選挙で民主的に選ばれた政権をアメリカは暴力的に倒したのだ。

 

 この年の9月から12月にかけてアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6は香港で「佔領行動(雨傘運動)」を仕掛け、中国政府を揺さぶった。その運動の指導者として知られているのは、イギリス王室の顧問弁護士を務めていた李柱銘(マーチン・リー)、メディア王と呼ばれる親欧米派の黎智英(ジミー・リー)、香港大学の戴耀廷(ベニー・タイ)副教授、あるいは陳日君(ジョセフ・ゼン)、余若薇(オードリー・ユー)、陳方安生(アンソン・チャン)らだ。(つづく)






最終更新日  2020.04.09 18:34:00
2020.04.08
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 安倍晋三政権に限らず、世界規模で「ロックダウン」状態になりつつあるようだ。隔離、封鎖、感染した可能性のある人びとの拘束、全体の自宅軟禁などへ進みつつある。イデオロギーには関係なく、こうした手段は体制を維持するためには有効だと考えられているのだろう。

 

 支配的な立場にある人びとが自分たちの利害と大多数の人びとの利害が一致しないと考えている場合、支配者は被支配者が集まり、相談し、行動することを恐れ、被支配的な立場の人びとを分断しようとする。逆に被支配者は支配者に対抗するため、団結する必要があるわけだ。

 

 建前上、支配者と被支配者という階級は存在したとしている国が少なくないが、勿論、存在する。最近は日本の被支配者もそうした実態に気づき、「上級国民」という用語が使われるようになった。被支配者は言うまでもなく「下級国民」だ。被支配者が体制の仕組みに気づき始めたのは支配者にとって危険な兆候と言えるだろう。

 

 支配者とは巨大企業、その企業を所有している富豪、その周辺で働いているエリートなどのネットワークに属す人びとで、一種の私的権力である。その私的権力がコントロールしてきた支配システムが現在、揺らいでいる。これも本ブログで繰り返し書いてきた。

 

 その支配システムを維持することが困難になっていることは支配者も認識しているはずで、新たな世界秩序の構築を目論んでいる。そうした中からTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は考え出された。

 

 この仕組みに含まれているISDS(投資家対国家紛争解決)条項によってアメリカを拠点とする巨大資本が世界を直接統治できるようになり、そうした巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制は賠償の対象になるはずだった。健康、労働、環境など人びとの健康や生活を国が守ることはできなくなるのだ。こうした協定への反発は強く、最近は話題にならなくなったが、かれらが放棄したとは思えない。

 

 こうした仕組みを作ろうとしていた私的権力は現在、世界を収容所化し、大多数の人びとを囚人として管理しようとしている。その計画を推進する上で好都合な出来事が昨年後半から起こっていることは言うまでもない。COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大だ。

 

 これまで強大な私的権力は国を内部からコントロールしてきたが、ここにきて国を支配下に置いて自分たちが直接統治しようとしているように見える。ボリス・エリツィン時代のロシアを全世界、少なくとも西側全域に広げようとしている可能性がある。かつて、フランクリン・ルーズベルトやヘンリー・ウォーレスが警告したファシズムの世界を彼らは作り上げようとしていると考えるべきだ。

 

 1932年のアメリカ大統領選挙でニューディール派を率いるフランクリン・ルーズベルトが当選、その翌年にはニューディール派の政権を倒すためにクーデターを計画した。ある時期までこの事実を語ることはアメリカでタブーだったが、インターネットが発達した現在、少なからぬ人が知るようになっている。

 

 このクーデター計画でウォール街が司令官候補と考えていたのは海兵隊の伝説的な軍人で軍隊の内部で人望のあったスメドリー・バトラー退役少将。この人物を抱き込まないとクーデターは成功しないという判断からの人選だった。

 

 そこでウォール街のメッセンジャーが説得のためにバトラーの下を訪れるのだが、少将は計画内容を詳しく聞き出した上で拒否、カウンタークーデターを宣言し、議会で告発している。

 

 この話を聞いたジャーナリストのポール・コムリー・フレンチはクーデター派を取材、コミュニストから国を守るためにファシスト政権をアメリカに樹立させる必要があるという発言を引き出した。

 

 クーデター派の中心的な存在だったJPモルガンは当初からバトラーをラディカルだとして信用していなかった。この巨大金融機関が考えていた人物は陸軍参謀長だったダグラス・マッカーサー。この軍人が結婚した相手の母親はJPモルガンの共同経営者と結婚している。

 

 ちなみに、大統領選挙があった1932年に駐日大使として日本へ来たジョセフ・グルーはいとこがジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりJPモルガンの総帥と結婚している。関東大震災以降、日本の政治経済がこの金融機関の影響下にあったことは本ブログで繰り返し書いてきた通りだ。戦後日本の進む方向を決めたジャパン・ロビーの中枢にもグルーはいた。






 

最終更新日  2020.04.08 16:55:24
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