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グローバル化に異を唱え戦争に反対するバノンを排除したネオコンは自分の傀儡からも嫌われている

2017.08.24
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8月17日にカタルーニャ自治州の州都バルセロナのラ・ランブラでバンが歩行者に突入、13名を殺害して130名以上を負傷させた。その自動車を運転していたとされるヨウネス・アボウヤーコウブが警官に射殺されたようだ。

ラ・ランブラの事件から6時間後にカンブリスで5名の男性が自動車で歩行者を轢いてひとりを殺害、6名を負傷させているが、この5名も射殺されている。殺された容疑者6名は偽物の自爆ベルトを身につけていたという。

自動車を使った「テロ」が実行される前、8月16日にやはりカタルーニャのアルカナーで家が爆発によって破壊されるという出来事があり、少なくとも2名が死亡している。当初、警察はガス爆発事故だと主張していたが、爆弾を製造中の事故だったことが後に判明している。

アルカナー、ラ・ランブラ、カンブリスの出来事はリンクしていると見られているが、現地の報道によると、事前にCIAがスペイン当局に対し、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)がバルセロナで攻撃を計画していると警告、ラ・ランブラがターゲットになる可能性が高いとしていたようだ。

ダーイッシュはアル・カイダ系武装集団から派生したが、このアル・カイダとはロビン・クック元英外相が2005年にガーディアン紙で指摘したように、CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵の登録リスト。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

ズビグネフ・ブレジンスキーの計画に基づいてCIAがスンニ派を中心とする戦闘集団を編成したのは1970年代の終盤、アフガニスタンにおいてだった。その主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。武器/兵器の提供や軍事訓練はアメリカが担当したが、資金や戦闘員を提供したのはサウジアラビアで、イスラエルが工作に協力している。

アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が2012年8月に作成、ホワイトハウスへ提出された報告書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者やムスリム同胞団で、バラク・オバマ大統領が言うような「穏健派」は存在しないとされている。これは事実。そして、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているともされていた。こうした実態のため、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるともDIAは警告している。

この報告書が作成された当時のDIA局長がネオコンなど好戦派に憎悪されているマイケル・フリン中将。ダーイッシュが売り出された直後の2014年8月に退役させられているが、その後、アル・ジャジーラのテレビ番組に出演してダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている。

つまり、CIAとダーイッシュは非常に緊密な関係にある。ダーイッシュがバルセロナで爆弾攻撃を計画していることをCIAが知り、それを阻止したいなら、その関係を使えば可能だろう。CIAがスペイン当局に「テロ」計画を事前に警告していたとする報道が正しいなら、その「テロ」がダーイッシュによるものだと信じさせる演出だとも考えられる。

ところで、過去の「テロリスト」で裁判まで生き延びられなかった人は少なくない。例えば、エイブ・リンカーン大統領を暗殺したジョン・ブースは事件の12日後に死体となって発見され、1933年2月、前年の大統領選で勝利し、就任間近だったフランクリン・ルーズベルトと並んで立っていたシカゴのアントン・セルマック市長を射殺したジュゼッペ・ザンガラは3月20日に処刑されてしまった。

ジョン・F・ケネディ大統領暗殺では容疑者とされたリー・ハーベイ・オズワルドは警察で射殺され、その射殺犯だとされるジャック・ルビーもテキサス州で事実を語るチャンスが与えられないまま死亡した。9/11をはじめ、21世紀に入ってから続いた「テロ」の容疑者も殺されている。
最終更新日  2017.08.24 05:03:28 
 
2017.08.23
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ステファン・バノン首席戦略官が解任された。グローバル化を批判するバノンをアメリカの支配層が排除したということだろう。バラク・オバマ政権がダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を生み出したと語っていた元DIA局長のマイケル・フリン国家安全保障担当補佐官をホワイトハウスから追い出した段階で道筋は決まっていたとも言える。

バノンの政策を「保護主義」と表現してきた日本のマスコミなどは今回の解任を肯定的に伝えている。確かに問題のある人物ではあるが、巨大資本が全てを支配するシステムに異を唱え、戦争に反対していたことは事実。それを大手メディアは嫌っている。中国との経済戦争をバノンは望んでいたが、朝鮮の核兵器開発問題では軍事的な解決を否定、「忘れろ」と語っていた。



しかし、ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は軍事的な手段しか思い浮かばないようだ。19世紀に経済破綻を侵略戦争(幸徳秋水が言うところの切取強盗)と麻薬でイギリスは乗り切ろうとしたが、アメリカは同じことをしようとしている。

日本を含む西側のメディアはアメリカの巨大資本が君臨する世界を夢想している。政府、議会、司法を上回る権力をアメリカの巨大資本に与えるISDS(国家投資家紛争処理)条項を含むTPP(環太平洋連携協定)を推進してきたのはそのためだ。

こうした夢想を実現できると彼らに思わせる出来事が1991年12月に起こっている。ソ連が消滅したのだ。これによってアメリカは「唯一の超大国」になったと認識したネオコンは残された服わぬ国々を武力で制圧しようとする。それが1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。1991年のうちにポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すべき国として挙げていた。

イラクは2003年に侵略されたが、その前にアフガニスタンが攻撃されている。自分たちが作り上げたタリバン政権がコントロールできなくなり、破壊しようとしたのである。アメリカの傀儡として大統領に就任したのがハミド・カルザイだが、今はアメリカに批判的で、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はアメリカが作った道具だとしている。

1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックはアル・カイダについてCIAから訓練を受けた戦闘員のデータベースだと説明したが、その戦闘員の多くはサウジアラビアが雇い、送り込んだサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で、アフガニスタンでソ連軍と戦わせることが目的だった。

イラクでサダム・フセイン体制が倒された後、アメリカは親イスラエル政権を樹立しようとして失敗、ヌーリ・アル・マリキが首相になる。この人物もアメリカの影響下にあったはずだが、2014年3月にアメリカの同盟国であるサウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると語り、ロシアへ接近する姿勢を見せた。21世紀に入ってウラジミル・プーチンが大統領になると、ロシアは再独立して国力を急速に回復させていたのだ。

その年の4月に実施された議会選挙でマリキが党首を務める法治国家連合が第1党になるのだが、マリキは首相になれなかった。アメリカ政府が介入したと見られている。マリキはペルシャ湾岸産油国を批判しただけでなく、アメリカ軍の永続的な駐留やアメリカ兵の不逮捕特権を認めなかった人物で、アメリカ支配層に嫌われたようだ。

しかし、新しく首相になったハイデル・アル・アバディ首相もアメリカに背く。2015年9月30日にロシアがシリア政府の要請で空爆を始め、その成果を見た彼はイラクもロシアに空爆を頼みたいという意思を示したのだ。そこでジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長がイラクへ乗り込み、ロシアへ支援要請をするなと恫喝したようだ。

そうした状態であるため、アフガニスタンでもロシアや中国の存在感が強まっている。戦略的に重要な場所にあるだけでなく、アヘン戦争以来、米英がカネ儲けに使っているケシ(アヘンやヘロインの原料)の産地。ケシの畑を守ることもアメリカ/NATOの役割だと言う人もいる。最終更新日  2017.08.23 16:08:49 
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