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シリア騒乱と修羅の世界情勢
ヘンリー王子、パパラッチの写真を請求して反撃される「米国では王さまであっても市民の財産は奪えない」
パパラッチに執拗に追跡されたと怒るヘンリー王子とメーガン妃。 辞退が意外な方向に展開している。
By Yoko Nagasaka2023/05/19
メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)、ヘンリー王子(Prince Henry)BackgridAflo
今週初めに勃発したヘンリー王子対パパラッチの闘い。ざっくり復習するとヘンリー王子とメーガン妃は現地時間5月16日(火)夜、ニューヨークで開催された授賞式に出席した。
妃の母ドーリア・ラグランドも一緒だった。授賞式が終わり、3人はタクシーに乗って滞在先に帰ったが、その道のりでパパラッチと呼ばれるカメラマンたちに追いかけられた。
王子と妃は激怒、翌日カメラマンやマスコミを非難する声明を出した。「執拗に追跡され、大惨事になりかねない状況だった」と主張。
「公人は関心を寄せられるものだが、それは誰かの安全を犠牲にするものであってはならない」と批判した。
フォトエージェンシーのバックグリッドは対抗する声明を出した。
バックグリッドは4人のカメラマンから写真を受け取ったことを認め「彼らには王子や妃のような公人を取材する職業的な責任がある」「カメラマンたちはカメラしか持たず、2人に迷惑や危害を加える意図はなかった」とコメント。
さらに「王子を護衛していたSUV4台のうち1台が無謀に見える運転をしていた」「写真の中には車内で微笑む妃が写っているものもある」と反論した。
ヘンリー王子(Prince Henry)、メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)Kevin MazurGetty Images
これに対して王子と妃が新たな動きを見せた。エンタメサイト「TMZ」によると弁護士を通して、バックグリッドにある要望を突きつけた。
「私たちはバックグリッドに対し、夫妻が授賞式を去ってから数時間に渡ってフリーランスのカメラマンが撮影した写真、ビデオ、フィルムのコピーをただちに提供することを要求する」。
同サイトによると理由は「セキュリティを強化するため」。つまりカメラマンたちの画像を見て警備の弱点を研究したいということのよう。
これにバックグリッドは猛反発。同じように弁護士を通じてこう返答した。
「ご存じだと思うがアメリカでは、財産はその持ち主のものだ。第3者がそれを要求することはできない。王はできるかもしれないが」。
さらに王子と妃の弁護士に痛烈なコメントも。「財産を王室に引き渡せと市民に要求するという、あなたのクライアントの持っている英国王室の特権的なルールはこの国ではずっと昔に否定されている。あなたはそのことをクライアントにじっくり教えてあげる必要があるだろう。
私たちは建国の父を支持する」。もちろん英国王室だって今は市民の財産を勝手に奪ったりはしないはず。王子が前時代的な特権意識を振りかざして市民の財産をおびやかしていると皮肉り、嘲笑まじりに批判した。
全面対決の様相を見せている王子とパパラッチ&フォトエージェンシー。この戦いが来週までもつれ込むのは間違いなさそう。
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2023年5月19日(金)17時45分
キャサリン・アルメシン
ヘンリー王子とメーガン妃(2022年12月) REUTERS/Andrew Kelly/File Photo
<ニューヨークでパパラッチに追い回されて「大惨事寸前」のカーチェイスになったと王子夫妻の広報担当者は主張しているが、大げさすぎるとの声が>
英ヘンリー王子とメーガン妃の広報担当者は、夫妻とメーガンの母ドリア・ラグランドが5月16日夜、「きわめて強引なパパラッチ」に「2時間以上」も執拗に追いかけられたという声明を発表。
「大惨事寸前の」カーチェイスに巻き込まれたと述べた。しかしこれに対して専門家や、さらには当事者たちからも「非常に怪しい」「カーチェイスではなかった」「クレイジーな誇張」といった反発の声があがっている。
英ニュース専門放送局「GBニュース」の国内・安全保障問題担当編集者マーク・ホワイトは、夫妻のこの体験をめぐる状況について「非常に怪しいと思った」と語った。「パパラッチのように容赦ないフリーランスの人間に追跡されるのは恐ろしい体験であり、それを軽視するつもりは全くない」と彼は述べた上で、さらにこう続けた。
「だが王子夫妻の報道官によれば、彼らはパパラッチを避けるためだけに2時間のカーチェイスを繰り広げたという。これはまた別のレベルの話だ。2時間も運転し続けることを厭わないタクシードライバーとは、いったい誰なのか。
王子夫妻が(タクシードライバーに)それを強く要望したのか。近くに車で寄ることができる警察署はなかったのか。(当時の状況をめぐっては)答えの出ていない疑問が多くある」
「現在のところ、情報源は王子夫妻の側の人間だけだ」ということを差し引いて考える必要があるとホワイトは指摘。
「私が言っているのは、いま入ってきている情報について、一歩下がってやや慎重に考えてみようということだ」
けが人はなく身柄を拘束された者もいなかった
ヘンリー、メーガンとその母親の3人は16日夜、ニューヨークにあるジーグフェルド・ボールルームを訪れた。
メーガンが授与された「ウィメン・オブ・ビジョン賞」の授賞式に出席するためで、この会場を出た後、3人はパパラッチに追跡された。
夫妻の警護担当者がCNNに語ったところによれば、けが人は出なかったということだ。
ニューヨーク市警は、「多数の」カメラマンが夫妻の移動を「困難なものに」したことについては認めている。
だが衝突事故が起きたり、誰かが負傷したり身柄を拘束されたりすることはなかったという。
王子夫妻と契約している民間警備会社を運営するトーマス・ビュダは、パパラッチが乗った複数の車は歩行者が横断歩道を渡っている時に赤信号を無視したり、マンハッタン34丁目で対向車の走行を妨害したり、一方通行の道路を逆走したりした疑いがあるとしている。
「あれをカーチェイスとは呼ばないだろう」
そのため警備担当者は、パパラッチからヘンリーとメーガンとドリアの3人を逃がすために、東67丁目にあるニューヨーク市警第19分署に移動させたという。
2人はそこからタクシーに乗り、周辺をぐるりと回って再び警察署に戻ったとされる。
このタクシーを運転していたサクチャラン・シンは米ワシントン・ポスト紙に対して、第19分署で3人を乗せてから車を走らせたのはわずか10分程度で、距離もジーグフェルド・ボールルームから1.6キロメートル強のみだったと語った。
「あれをカーチェイスとは呼ばないだろう。自分が危険な状況に置かれているとは一度も感じなかった。映画で見るカーチェイスのような状況ではなかった。(ヘンリーとメーガンは)無口で怯えているように見えたが、ここはニューヨークだ。安全だよ」と彼は述べた。
現場にいたあるカメラマン(匿名)は、パパラッチの追跡を「大惨事寸前」と称するのは「大げさ」だと主張。
米ピープル誌に対して、「誰も違反切符を切られなかったし、身柄を拘束された者もいなかった。あれが大惨事寸前のカーチェイスだというのは、クレイジーな誇張だ」と語った。
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