書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

習作  王昌齢詩 胡茄曲

2012-07-01 09:08:48 | Weblog

城南虜已合

一夜幾重圍

自有金笳引

能令出塞飛

聴臨關月苦

清入海風微

三奏高楼暁

胡人掩涕歸

 

 

城南 虜 已に合し

一夜 幾重にか囲む

自ずから金筋の引有り

能く出塞をして飛ばしむ

聴は関月に臨んで苦え

清は海風に人りて微かなり

三奏す 高楼の暁

胡人 沸を掩うて帰る

 

辺境の地に異民族の大軍と苦戦する晋の将軍、劉現の故事をうたう。

彼は晋陽(いまの山西省太原)で優勢な敵軍の包囲をうけ、

寵城も力尽きようとしたとき、ある月明の夜、楼上にのぼって胡茄を吹いた。

その哀切なしらべに、包囲していた異民族の兵士はみな嘆声をあげたが、

真夜中にふたたび吹くと、敵軍は望郷の思いをそそられて、涙を流しはじめ、

彼が暁に三たび楼上から胡茄を吹いたときには、

敵の大軍は包囲を解いて引きあげたという。

胡茄は西北方の異民族の楽器、芦笛とも木管とも言われる。

ー岩波文庫「唐詩選(中)」より引用ー

 

 

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