気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

カノコユリ 鹿の子百合

2007-08-23 20:39:56 | 庭で

 カノコユリを石垣に植えているお宅がありました。とても美しいだけでなく、馥郁たる香りがあたりに漂っていました。

 カノコユリは、その豪華な美しさを見ると園芸品種のようですが、四国と九州に自生する野生の百合です。鹿の子は、鹿の背中の模様という意味ですが、和服の鹿の子絞りのように華やかですね。

 花屋で売っている花の大きな百合(カサブランカ、ルレーブなど)のグループを、オリエンタル百合(oriental hybrid)といいます。オリエンタル百合の交配親は、カノコユリ、ヤマユリ、タモトユリ、オトメユリなどですが、すべて日本原産の百合です。日本は、世界に誇る美しい百合の宝庫なんです!ただ、それを発見し、自国に持ち帰り、交配して世界に広めたのはオランダ・・・・・日本人は何してたんでしょうね、ほんとに。せめて、oriental(東洋の)ではなく、japanese hybridにして欲しかったです。日本の百合だったんですから。

 斑点のない純白のシロカノコユリもあります。鱗茎は食用にもなり、美しい上に人間の役にたつ優秀な植物です。

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7 コメント

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そこが昔の日本人らしくていいですやん (あすかちち)
2007-08-24 08:41:44
Quさん、おはよう!
朝から勉強になりました。
日本は、純血種をこよいなく愛する島国民族ですからね。
交配なんて考えもしなかったんじゃないですか。
その分、外来種より弱く、絶滅してしまった種も多いんですけどね。
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Unknown (あた子)
2007-08-24 10:21:36
 本当にいろいろなゆりがあるんですねえ。ゆりはどれも好きなんですが、昔の人は、どのゆりを想定して「歩く姿はゆりの花」って言ったんでしょうか。オニユリ?ちょっと違う気がする。
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Unknown (hisohiso)
2007-08-24 19:12:16
百合は他の花と違って、改良の加えられていない野生種が園芸上多く扱われているんだそうですね。あれこれ改良する必要のないくらい、美しく完成された花ということなのでしょう。
明治後半から昭和初期にかけて、日本の百合の根は諸外国への重要な貿易品だったとか。それらの百合からカサブランカなどが生まれたんでしょうねー
でも百合はホントにどれも魅力的!
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あすかちちさんへ (Qu)
2007-08-24 19:52:25
やはりそれが日本人らしいと諦めるしかないのでしょうね。
交配しなくても、充分美しい日本の野生の百合たちですし。
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あた子さんへ (Qu)
2007-08-24 19:54:35
個人的には笹百合がいいな。
ひっそり、やさしく、たおやかに。
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Unknown (Qu)
2007-08-24 20:02:05
そっか。
持っていかれたのではなく、積極的に売っていたのですね。
売れるものは何でも売る、その精神で日本は飛躍的な経済成長を遂げたのかしら。
その恩恵に預かり、私たちは豊かに(少なくとも、飢えたりせずに)育ってきたわけで。
ま、いずれにしても、どの百合も美しく、日本は美しい国です。
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hisohisoさんへ (Qu)
2007-08-24 20:03:37
すみません。すぐ上のコメントはhisohisoさん宛てです。
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