気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

月草

2010-09-08 23:38:24 | 田畑で


 ツユクサ ツユクサ科ツユクサ属


 はっとするほどの青い色、はかなげなその姿にファンの多い露草。昔から、その色に感動する人が多かったとみえて、たくさんの名前があります。藍花、青花、カマツカ、蛍草、帽子花、鴨跖草(オウセキソウ)、着草、月草・・・。朝開いて、数時間でしぼんでしまうから、まるで朝露のようだと露草。青い色が着くので着草(ツキクサ)、転じて月草。この花が咲く頃は、月の美しく見える季節でもあります。


 この青を衣服に染めたいという思いも古代からあったようです。でも、月草の青はすぐに色が落ちてしまいます。そこから、心変わりや、命のはかなさに例えられて、万葉集にも月草を詠んだ歌が何首かあります。


 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ 坂上大嬢


 (人の心は月草のようにうつろいやすいからでしょうか。私の思う方からは何の便りもありません。)


 現在でも、色が落ちてしまうという性質を逆に利用して、友禅など染物の下絵を描くのに使われます。露草の栽培種で、花の大きなオオボウシバナが用いられています。 


 


 


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