気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

蓮華草  レンゲソウ

2009-04-12 21:47:41 | 田畑で


 ゲンゲ マメ科。ゲンゲというのが、実は標準和名だそうです。レンゲが正しく、ゲンゲは方言のように思っていました。蓮の花に似ているから蓮華草。遠くから見た感じの紫雲英(れんげ)も、好きです。田んぼの肥料として、すき込むためのレンゲ畑もだいぶ少なくなったようですが、ご近所にはまだあります。


 レンゲ畑を見ながら、愛犬花子とぼーーっとしていると、雲雀がピチクリパチクリ声を限りに歌いながら、せわしなく羽を動かして、円を描きながらどこまでも上昇して行きます。と思うと、今度は羽をピタッと止めて急降下。その間も歌は続いています。やっと、歌い終わった頃、また向こうの田で、別の雲雀が舞い上がります。太陽は半分くらい沈みかけていますが、まだ十分明るい空に、飛行機雲がひとすじ。平和な春です。


 



 


 れんげ草また友を思い出してる     空


 土曜の句会に出した句です。れんげは、幼馴染の雰囲気ですね、という評価でした。俳句というものは、作者の手を離れた瞬間から、読み手の解釈に委ねる文学です。でも、実は、という話をしたいこともあります。


 一昨年亡くなった友Tさんのこと。子供の保育園がご縁で仲良くなった彼女は、誰よりも元気で、家族のため、地域の人のため、身を粉にして働く人でした。少し年下だけれど、ぼんやりしている私よりずっとしっかり者。3人の息子たちの良き母でもありました。その彼女が病魔に倒れるなんて、今だに信じられないことです。亡くなる何ヶ月か前に、めずらしく家族で旅行に行ってきたとうれしそうに話してくれました。秘境の温泉宿に一泊して、記念に小さなれんげ草の絵の額を買って来たと。その当時は、まだ、彼女の運命を知らなかった私は、ふーんとあっさり聞き流したのでした。でも、それから何度も何度も思い出すのです。あの時、彼女の楽しい気持ちに、もっと共感してあげれば良かったと。なにげない会話、いつまでも続くと思って、気にもとめていない日常に、突然終わりがくることがある。れんげ畑で、あの時の彼女の笑顔を、何度も何度も思い出している私です。


 


 


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