気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

アーティフィシャル フラワー

2010-09-18 21:09:10 | 店先で


 バッグの形のブーケを作りました。実物を見ても騙される(?)人が多かったですが、実はニセモノの花です。これは、結婚式の前撮り用なので、気温が高い屋外でも大丈夫なように造花で作りました。ニセモノといっても、実は本物の花より高価なのですが、造花というとあまりイメージが良くないですね。造花、アートフラワー、シルクフラワー、ホンコンフラワーなど、呼び方はいろいろですが、なかなかいい名前がありません。アーティフィシャルフラワー(人工的な花)と呼びませんかというメーカーがあります。なかなかおしゃれな響きなのですが、舌を噛みます。


 


 造花に対する偏見は、実は私もかなりあるほうです。でした、かな。最近は品質のいいものなら、許容範囲だと思っています。夫婦で働いていて、日中閉め切りの家では、この熱帯のような夏中、切花は飾れなかったのではないでしょうか。胸や頭につける花も、気温と体温と乾燥した空気で、すぐに萎れてしまいました。動けない病気の方へのお見舞いや、お年寄りへのプレゼントにも、造花は親切なのかもしれません。


 


 バッグの下側(置く側)も、造花だからこそきれいにできます。


 



 右下の黒っぽいバラは、造花ならではの色合いでしょう?これは、渋い赤のドレスを着た花嫁の頭を個性的に彩ります。左の大きなマムと芍薬は、白無垢用。大きく華やかに花嫁の頭を飾ります。いづれも、生花ではなかなかむずかしい演出なのです。知り合いの方なので、ぜひ、前撮り写真を見せてくださいねと、お願いしてしまいました。


 新郎は、というと、右上のブートニアをちょこんと胸につけるだけ。やはり、花は女性のもの、なんでしょうか。


 


 


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スクテラリア コスタリカナ

2010-07-23 22:00:47 | 店先で


 スクテラリア コスタリカナ  シソ科 スクテラリア属


 不思議な南洋の花のようですが、シソ科と聞くと親しみがわきませんか?日本の野草「タツナミソウ」と同じ仲間です。中央アメリカのコスタリカ原産。オレンジ赤が主流ですが、最近は白も出回っていて、涼しげな風情です。


 



 噴水みたいな花の形は、個性的で目をひきます。性質は丈夫で暑さに強く、半日陰くらいが好きなので、真夏の家の中でも次の花が育ってきます。冬の寒さは苦手なので、水やり控えめで家の中がベストです。


 


 


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ペンステモン

2010-07-19 23:44:31 | 店先で

 ペンステモン ゴマノハグサ科ペンステモン属


 ゴマノハグサ科の花は、なんだか不思議な雰囲気を持っています。あーんしている感じとでも言いましょうか。何か叫んでいるようでもあります。紫の茎に咲く紫がかった白い花は、声なき叫びをあげ続ける小人さんたち。ムンクの叫びを思い出したりもしています。


 


 


 


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タチアオイ 立葵

2010-07-17 23:08:34 | 店先で


 タチアオイ アオイ科タチアオイ属       2010.6.26撮影


 立葵というと、線路端や、農家の庭先に群生している一重のはっきりした色をイメージします。必ず同じところで毎年咲いている、すくっと背の高い、何やら頼もしげな花です。でも、ホリホックというと、イングリッシュガーデンや、ターシャ・テューダーの庭を思い浮かべませんか。イングリッシュガーデンという言葉の魔力に、ついヨロヨロとしてしまうミーハーな私ですが、イギリスの植物は高温多湿の日本では育てにくいものが多いのです。でも、ホリホックは、亜熱帯同様の日本の梅雨時に、堂々と咲いてくれます。立葵には梅雨葵という別名もあるそうです。


 アオイ科の中には、ハイビスカスや、芙蓉、綿、オクラなども含まれていて、 一重のものは、薄い花びら全開であっけらかんと丸く咲くグループです。単にアオイといった場合はこの立葵を指すので、アオイ科の代表選手と言えそうです。


 水戸黄門でお馴染み「葵の紋所」は、フタバアオイ(ウマノスズクサ科)がモデルなので、立葵とは無関係なんですよ。  


 


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セイロンライティア

2010-07-15 19:22:29 | 店先で


 セイロンライティア キョウチクトウ科ライティア属


 夏になると鉢で出回る清楚な花です。スリランカ(旧セイロン)には、普通に自生しているのですって。高温多湿に強いので日本の夏向き。夏に枯らすのは、水枯れが多いようです。冬の寒さには弱いので、戸外での冬越しはまず無理でしょう。


 実は、この植物の名を、長い間「セイロンランティア」と誤解していました。どなたかが一文字間違えて市場出荷したものを、そのまま覚えこんでしまったようです。ランティアではなく、ライティア。うちの店で買われた方、ごめんなさい。謹んでお詫び申し上げます。


 


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利休草の花

2010-06-28 01:46:26 | 店先で


 ビャクブ ビャクブ科 ビャクブ属


 花業界では、もっぱら利休草として流通しています。つる性で雰囲気のある草姿は、お茶花、生け花に重宝ですが、最近は花嫁のブーケにも使われています。ビャクブは百部。妙に惹かれる名前ですが、語源は調べられませんでした。根にアルカロイドを含む毒草にして薬草。鎮咳、駆虫、殺虫などに効果があるそうです。家に置いておくと、邪気を祓うとの言い伝えもあります。最近ついていない方、おうちに活けてみてはいかが。


 



 地味な緑の花は、よくよく見ると、何やら妖しい雰囲気です。しかも、花茎が葉脈と合着しているので、葉から花が咲いているようです。幅の広い葉なのでそうは見えませんが、百合と同じ単子葉植物でもあります。なぜか、こういうワケアリ植物に興味しんしんなのです。


 


 


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オオカナダモ

2010-06-14 01:15:58 | 店先で


 毎年初夏になると、お店でメダカを売っています。花市場から仕入れる場合もありますが、これはスタッフのHちゃんのおとうさんが、愛情こめて育てているメダカです。容器の中に一枝いれてくれている藻に花が咲いていました。近くの川でもよくみかける藻なのですが、正式な名前を知らず、今回調べてオオカナダモという名前にたどりつきました。南アメリカ原産で、実験材料として日本に持ち込まれたものが大繁殖したということ。葉が薄く、細胞が大きく、中高生の顕微鏡を使った細胞観察に最適なのだそうです。でも、外来種がはびこると、似たような在来種は激減してしまうのが、この世の法則のようです。似た環境を好み、姿も似ているけれどかなり小型のクロモは、ほとんど見られなくなったそうです。


 人間が地球を縦横無尽に歩き回り、植物や動物まで移動させ、そのため絶滅してしまった種はどのくらいあるのでしょう。もちろん、外来種の動植物そのものに罪があるわけでもなく。オオカナダモは、小さなメダカのプラスチックの容器の中で、精一杯生きて、無心に可憐に花を咲かせているだけなのです。


 



 2008年7月に、近くの宝泉川で撮影した写真を見つけました。ここまで来ると、その無心さがちょっと恐いですね。


 


 


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イワカラクサ  岩唐草

2010-04-01 23:48:38 | 店先で


 イワカラクサ  ゴマノハグサ科エリヌス属


 アルプス原産の山草だそうで、寒さには強いが高温多湿には弱いタイプ。でも、夏越しして庭の雑草化しているという話も聞きますから、かなり丈夫な植物のようです。


 


  芝桜のような小さい花がたくさん咲きます。でもサクラ型にみえる花をよーく見ると、ゴマノハグサ科っぽい怪しさ。上手にサクラの真似しているだけみたいです。


 


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ローダンセマム アフリカンアイズとプチハート

2010-03-17 00:23:23 | 店先で


 この可愛い花は、ローダンセマム 「プチハート」。そして、クリサンセマム マウイとも呼ばれます。なんでも、最近クリサンセマムから独立してローダンセマムとなったそうで、まだ両方の属名が流通しているので、ややこしいらしいです。どちらも間違いではないのです。


 



 ピンクの花びらに赤茶色の目。こんな配色の花は、昔はなかったなあ。クレヨンでお絵かきした花のようです。


 



 たくさん咲いたら、ピンクのじゅうたん。


 



 ローダンセマム ホスマリエンゼ 「アフリカンアイズ」。これも同じ理由で、クリサンセマム ホスマリエンゼとも呼ばれます。シルバーリーフで、寒さに強く、花立ちも良い、庭植えにおすすめしたい花です。


 



 横から。


 



 下から。いろいろな表情のアフリカンアイズ。


 


 


 


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ヒューケラ  つぼさんご

2010-03-13 20:39:16 | 店先で







 ヒューケラ ユキノシタ科ツボサンゴ属


 30年ほど前に勤めていた花卉生産者向けの種苗会社で、ツボサンゴという植物の種を扱っていました。丸い葉の茂る中から細い茎を立ち上げ、紅い小さな花をつける植物は、いかにも野草のようで、営利栽培する人がいるのだろうかと疑問の商品でした。野山を歩くのが好きだった私は、ズダヤクシュという野草に似ていると思いながら、特に注目することもありませんでした。それが、いつの頃からか、ヒューケラと名前を変え(変えたわけではなく、学名のカタカナ表記ですが)、葉色のバリエーションが増え、今ではカラーリーフプランツの代表格になっています。半日陰でも、育つというのが、アピールポイントのひとつでしょうか。住宅事情で、日陰の庭が多い割には、欧米からきた園芸植物は、みな「日当たり排水良好」を好み、高温多湿に弱いものばかりです。もともと日本の日陰の庭に適応していたユキノシタやヤブランは、いかにも和でなんだか暗いイメージもあります。明るい葉色でおしゃれなヒューケラ、今人気上昇中です。


 



 花はこんな感じ。春先から、品種によっては秋まで次々と咲くようです。


 


 


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ハオルチア コンプトニアナ

2010-03-11 21:38:43 | 店先で


 ハオルチア コンプトニアナ ユリ科。何やらすごい植物ですが、この上空には・・・


 



 こんなおしゃれな花が咲いています。人は見掛けによらないものです。


 



 ちなみに、こちらの賑やかなのは、金のなる木。花月(カゲツ)とも呼ばれますが、本当の名前はフチベニベンケイというのですって。誰が金だなんて、言い出したのかと思うけれど、英名はdollar plant。どちらが先に命名したのでしょうか。


 


 


 


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クリスマスローズ

2010-03-09 20:59:05 | 店先で











 今年、うちの店先を通り過ぎていった、美しいクリスマスローズたち。誰かの庭で、窓辺で、可愛がってもらっているかな。いい仕事をしているなあとしみじみ思う、春寒の夜。


 


 


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八重のチューリップ

2010-03-05 14:42:26 | 店先で


 何の花でしょう?八重のチューリップがきれいに開いています。本来シンプルで自然な花が好きですが、こういう花のゴージャスさには、感動してしまいます。でも、葉がついていないと、全然チューリップらしくないですね。


 



 下から見ると、チューリップらしさにほっとします。


 



 トルコキキョウ エクローサリラ


 ああ、一度こんなドレス着てみたい!みたいな、豪華ふりふりの花。一重のトルコのシンプルなラインもいいけれど、ちょっと、これには負けてしまいそうです。


 


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ハーデンベルギア 白花

2010-02-16 21:28:46 | 店先で


 ハーデンベルギア マメ科ハーデンベルギア属


 春、紫や白やピンクの、小さな花房をたくさんつけるつる植物です。花をアップでよく見ると、マメ科という事実に納得。豌豆やスイートピーの花型によく似ています。耐寒性は、霜にあたらないところと言われますが、かなり強いほうだと思います。コマチフジという別名を持ち、日本的な風情ですが、オーストラリア原産なのですって。


 


 


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