アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

アルケミスト双書「錯視芸術」

2018-08-10 05:27:37 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
アルケミスト双書 錯視芸術 遠近法と視覚の科学
  フィービ・マクノートン 著 駒田曜 訳
              定価1200円+税 創元社

 線遠近法、空気遠近法、だまし絵、目の錯覚、そういったことについて書かれた本。視覚トリック全般について書かれているので、そうしたことについてはこれ一冊で十分。特に絵画制作者や美術鑑賞をする人にとっては手元にあると便利な本。

 たった59ページしかない本書は手軽そうに見えて、その内容は幅広く、そして深い。筆者の見識の高さが窺える。単に視覚トリック全般について紹介しているに留まらず、20ページの「影 光の不在」や56ページの「現実の捉え方 世界を新しい見方で見る」に筆者の一貫した考えが表れている。

 先週紹介した、同じアルケミスト双書の「黄金比 自然と芸術にひそむもっとも不思議な数の話」に引けを取らない充実した内容で、甲乙つけがたい。

 この「錯視芸術 遠近法と視覚の科学」もお薦めです。よろしかったら、ぜひお読みください。


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