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DAZN観戦 2019年J2リーグ第17節 水戸ホーリーホックvsアビスパ福岡

2019-06-11 19:16:03 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸のテキストはこちら(9節・甲府戦)
※前回の福岡のテキストはこちら(11節・山形戦)

試合前にウェブ上・地方テレビではこんな事件が起きていたので、
水戸側の怒りの鉄槌が炸裂したような結果になった。

そんな冗談は置いといて。
首位の座を伺わんとしている水戸、11人中7人が23歳以下という若いメンバーで挑んだこの試合。
センターバックでキャプテンの細川(34歳)が故障離脱、その代役にンドカ・ボニフェイス(ナイジェリアとのハーフ・23歳)が選択された事で平均年齢も大きく低下中。

しかしこの日の最大の懸念は、「水戸の心臓」とも評されるボランチ・前寛之が累積警告で出場停止な点でした。
前節の山口戦で兄・貴之との兄弟対決を演じたかと思ったら、双方イエローカードを貰って今節出場停止になるという事態になってしまいました。
その前の代役には、同年齢(23歳)の平野を同じポジションで起用します。

さて試合の方は、立ち上がりからややオープンな展開に。
いきなり水戸がコーナーキックを2連続で得たり、福岡・石津がシュートを2本放ったり。
水戸はやはり駒落ちによる強度の低下が拭えないのか、福岡の方は故障から復帰した、攻撃面ではオールマイティな存在の石津が躍動します。

そして前半10分、CB・吉本のロングパスを頭でトラップした石津。
左サイドバックの輪湖とともに左サイドを抉り、クロスを上げると飛び込んだのは松田。
頭で合わせたシュートが水戸GK・松井の手を弾いてゴールに吸い込まれました。
長身のヤンドンヒョン・城後がエリア内に居た所、裏をかいた格好となった見事な先制点。

その後は水戸ペースに。
14分に敵陣で茂木がインターセプト、すかさずスルーパスを送るも黒川は反応できず。
15分にも敵陣での浅野のカットから、中盤でパスを回してから縦パスで崩そうとするも通らず。
しかしこの直後にも敵陣でボールを奪った水戸、平野から浅野にボールが渡ると、浅野はドリブルで中央突破してからミドルシュート。
三度目の正直、という相手のパス回しを封じてからの豪快なゴールで同点に追いつきます。
これで中盤での優位性を植え付ける事に成功した水戸、以降は強度の低下を完全に忘れさせるような試合を展開します。

こうなると福岡側は1トップのヤンドンヒョンが孤立してしまい、それをサポートするためなのかトップ下の城後がフォワードの位置に上がる場面が目立つようになります。
そして中盤が4人になってしまい、4-4-2である相手・水戸とのミラーゲームのような格好となると、尚も中盤で水戸側が有利になってしまうという悪循環。

この試合から監督を交代し(ファビオ・ペッキア氏→久藤清一氏)、仕切り直しを図る福岡。
コーチから昇格という人事は千葉と同じですが、千葉・江尻篤彦氏と違い、Jリーグで指揮を執るのは初めてである久藤氏。
最初の試合なので、少なくとも「何をしたいのか分からない」という状況には陥りたくない。
早めに自分のサッカーをチームに植え付けるのか、それとも先に勝ち点を稼ぐ事を優先とした采配を見せるのか。
現在の福岡の順位を見るや、J2残留すら覚束なくなっている危急存亡の秋。
時間的猶予も、もうすぐ日程の半分が迫っているという状況であまりありません。

試合から消えつつあるヤンドンヒョン、前半も終わり際になると、ボールを受けにサイドに流れる場面が散見されます。
一方水戸の2トップ・村田と黒川ですが、それぞれアイデンティティを持ったしっかりとした動きが目立ちます。
村田は最前線からあまり動かず、ポストプレイヤーとしてどっしりと構える。
黒川はほとんどセカンドトップのような動きで、様々なポジションに位置取りを変えて中盤の攻めをサポートする。

そんな役割をこなす村田に、前半終了間際最高のプレゼントが。
45分、右SBの岸田が中央に向けてドリブルしチャンスを作ると、パスを受けた白井がエリア内中央へスルーパス。
右から走り込んだ村田、すかさず左足でシュートし見事左サイドネットネットに突き刺し勝ち越しゴールを決めます。

反撃に出たい福岡、後半立ち上がりも石津を軸にしてペースを掴まんとします。
しかしシュートまでは持ち込めず、逆に後半4分。
ここでもヤンドンヒョンが左に流れてボール回しに参加、その甲斐あって鈴木がクロスを送りますが水戸GK・松井に直接キャッチされます。
すると松井は即前線に送りカウンターを発動させ、ボールを受けた白井が中央をドリブル。
村田→黒川と渡り黒川がクロス、エリア内で村田が受けたもののシュート出来ず。
得点にはならなかったものの、これを契機に以降は完全な水戸ペースに。

後半7分、平野からパスを受けた黒川はドリブル開始。
一気に福岡選手を複数かわしてエリア内に進入しますが、福岡GK・セランテスの飛び出しを受けてシュートは撃てず、逆に倒れた事でシミュレーションの反則で警告。
10分には平野の自陣からのロングパスを、エリア手前で浅野がワントラップ。
この動作だけで福岡DF・篠原を置き去ってエリア内に進入、シュートを撃ちますがこれもセランテスが阻みます。
11分、相手のパスミスからCB・伊藤が上がり右へ展開、サイドに開いた村田からボールを受けた白井がミドルシュート。(左に外れる)
12分にも福岡陣内でボールカット、黒川から左へ展開して浅野がクロス。
これは逆サイドに流れますが、茂木が拾って黒川にパス、これを黒川は一旦スルーして福岡・鈴木を釣ってからシュート。(ブロックされる)

あまりにも怒涛の攻めに追加点は時間の問題という雰囲気となり、迎えた13分。
ンドカが左サイドに展開してからの攻撃、浅野が巧みにフェイントで福岡選手を翻弄し、すかさず白井→志知へと繋ぎます。
浅野のボールキープに振り回された後で福岡側は完全に対応が遅れており、志知のクロスを村田が収めて右に出すと、どフリーの茂木に対し慌ててGKセランテスが飛び出すという絶望的な状況に。
これを難なく茂木がかわしてシュート、DFのブロックをかいくぐってのゴールで3点目。

そしてその2分後の後半15分。(ここもヤンドンヒョンのボールロストで福岡が攻撃権を失った所から始まる)
中盤で村田がポストプレイで送ったボールを黒川が難しい体制ながらスルーパス、前掛かりになっていた福岡DFの裏を取って浅野がGKと一対一に。
浅野はゴール左に冷静に決め、決定的な4点目を取ります。

一気にどん底に叩き落された福岡は後半19分、田邊を石原に交代、3-4-2-1の形にシフトして巻き返しを図ります。(ウイングバックに石原・輪湖、ボランチに鈴木・城後)
しかし4バック→3バックへの変更というのも近代では在り来たりになりつつあり、相変わらずパスを繋げず、散発的な縦パスを送るしかない攻撃が続きます。
やっとウォンドゥジェの縦パス→ヤンドンヒョンがポストプレイ→松田スルーパスで石津抜け出す(オフサイド)という、形らしき攻めが出来たのが後半27分の事。

水戸側も、28分に伊藤のロングフィードを清水(村田と交代で出場)が収めて右サイドでキープし、岸田・平野を交えたパス回しからサイドチェンジ。
ここでも浅野・志知・白井がパスを回してから、最後は平野の縦パスで志知がエリア内からシュート。(DFがブロック)
これが最後のシュートとなり、以降は茂木の交代(37分、平塚が出場)もありペースダウン。

後半32分、福岡のコーナーキックで鈴木がファーサイドへ上げ、松田と平野の競り合いから松田が倒れて審判の笛が鳴り平野の反則となってPKに。
これをヤンドンヒョンが落ち着いて中央に決め1点を返した福岡。

その後2枠残していた(遅くないか……)交代カードを切りますが、輪湖→實藤・ヤンドンヒョン→森本と、流れを変える交代とはなり得ませんでした。
若手だらけの水戸とは対照的に、かなり平均年齢が高い福岡。
この2つの交代策も、新顔投入でスイッチを入れるというものでは無く、見慣れたベテランを使っておこうという風に見えました。
経験豊富な選手の力で「とりあえず勝ち点を稼ぐ」事を優先させた起用に久藤氏はシフトしたのでしょうが、それは間違いでは無いものの勝ち点を奪えなければ結果的に間違いとなる諸刃の剣となり得ます。
三國ケネディエブスが故障中な現状、ペッキア氏退任で前川・木戸といった数少ない若手の出場も止まるとなれば、干上がってしまいかねない。

サッカーの内容も、結局この日は最後まで「何をしたいのか分からない」という域を出ていないように映りました。
福岡の明日はどちらになるでしょうか。


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