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DAZN観戦 2023年J3リーグ第9節 FC岐阜vsY.S.C.C.横浜

2023-05-06 16:21:04 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

今季からとうとう始まってしまった、JFLへの降格制度。
「プロリーグからの脱落」という恐怖は、当然どのクラブにも平等に与えられるもので。
それはスタートダッシュに失敗し迷走が始まってしまうクラブか、あるいは昇格が遠い目標で独自の戦いを繰り広げるクラブか。
このカードで言うならば、前者が岐阜・後者がYS横浜といった立ち位置でしょうか。

YS横浜を見てみると、前年はただひたすらテールエンドを突っ走ってしまい、最終盤に辛うじて最下位脱出を果たしたというだけのシーズン。
今季も同じ轍を踏めば、残留争い引いては降格の憂き目に遭う事は間違いないという立ち位置。
それでも選手編成の独自路線は変わらず、ここで述べたような、多国籍・無国籍ともいえる経歴の選手が数多集結。
思わず「謎の選手」と言いたくなるような、ハーフや無名の助っ人の名前も見られ。
それは他クラブから見て不気味な一方で、寄せ集めの中で何処までサッカースタイルの構築を果たす事が出来るかという懸念もあり、降格のプレッシャーがかかる状況ならば尚更です。
そうして迎えた今季、前節にようやく初勝利を挙げたという状況であり、前年から続く低迷から抜け出す手法を確立できるかどうか

ボール保持による主体的な攻撃、というのはこれまでと変わらないYS横浜。
経験豊富な中里を頼りに、最終ラインからの繋ぎで主導権を握らんとします。
彼がアンカーの位置で構える事で、3バックからスライドして2センターの形を取ってのビルドアップにより、サイドから運ぶのを容易にし。

対する岐阜の前線は、同じくベテランの田中が中里をチェックしたうえで、他選手で最終ラインにプレッシャーを掛けるスタイル。
前半10分にはその体勢で敵陣深め左サイドでボール奪取に成功し、そこから左ポケットを伺ったのちのポストプレイを経て田中がミドルシュート。
ループ気味で良くコントロールされたものの、惜しくもゴール上部へと外れ。

依然として実績豊かな有名選手が残っている岐阜の方が、マンパワーを活かして押しきるかと思われたここまでの流れ。
しかしベテラン選手に頼るという事は、攻守の切り替え・インテンシティ勝負の面で脆さが露呈しがちなのも確か。
14分、左サイドでボールキープする宇賀神が、萱沼の反則気味のディフェンスでボールロストし一転してYS横浜の攻撃に。
ゆっくりと前へ運びながら岐阜の戻りを遅らせ、スピードアップからアーリークロスを上げる萱沼、そしてこれを裏へ抜け出した福田が合わせヘディングシュート。
デュエルでのボール奪取からの速攻と、岐阜の弱点を完全に突いての先制点となりました。

先行を許した岐阜、その攻撃面はというと、立ち上がりから左サイドで深さを作る攻撃。
上野のドリブル突破が最初の攻撃機会になる(5分)と、それを有効打とすべく、その後は左奥へロングボールを送り続ける立ち回り。
その一方で最終ラインのビルドアップの形は、右サイドバックの三國を前に出し、(4バックの)残りの3人による3枚+庄司という形。

この「右肩上がりの形を作ったうえで、左から攻める」というギャップをどう生かすか。
スコアが動いて以降、フィニッシュまで辿り着けない時間が長く続く厳しい展開を強いられるなか迎えた30分。
ゴールキックからショートパスでのビルドアップに入ると、今度は右へと深さを作りにいき、三國のスルーパスを受けた田中。
一旦戻して逆サイドへ展開し、上野のスルーパスに走り込んだ宇賀神のクロスを入れると、ファーサイドで合わせにいったのは三國。
長身SBの本領発揮という場面でしたが、手前でGK児玉のパンチングでクリアされ。
しかし尚も攻撃は続き、今度は三國がクロスを送ると、田口が中央からヘディングシュートを放ちますが枠を捉えられず。

ようやく1本シュートしたのが切欠となったか、以降左サイドでは、宇賀神が偽SBのようにハーフレーンをオーバーラップする攻撃に舵を切り。
これにはYS横浜ディフェンスも対応に難儀し、34分はワイドでのボールキープで、花房が北を倒してしまい反則。(ここからのフリーキックはフィニッシュに繋がらず)
37分には川上のロングパスを受けた宇賀神、そのままカットインを経てシュートするもGK児玉がセーブ。
立ち上がりの左サイドアタックと併せ、揺さぶりが実を結ぶかに見えたこの時間帯の岐阜。

しかし再び、攻め続けるもシュートまでいけない時間帯となった終盤。
するとYS横浜の逆襲を受け、43分には左サイドで飛距離の長いスローインを田原が入れ替わって裏を取り、そのまま左ポケットを突き。
そして福田が巻くシュートでゴール右を狙うも枠を捉えられず。
45分には岐阜のFKからの直接カウンターで、クリアを拾った福田がドリブルで一気に敵陣まで運び、そのままミドルシュート。(GK茂木セーブ)
前節も2ゴールを挙げた福田、この日もそのリアルストライカーぶりを発揮し、1点だけでは飽き足らないという姿勢を見せます。

結局前半は0-1のまま終了となり。
ボールポゼッションを軸とした組織的な攻撃を見せた岐阜ですが、スコアに結び付けられず終わってしまった事で、修正するか否かを問われるようなハーフタイムを迎えました。
そしてその軸となる選手交代は行わず。
修正したかどうかは外野からは不明なものの、それが披露される前にさらに試合は動く事となります。

YS横浜のキックオフで始まった後半。
お互いロングボールを蹴り合うも、YS横浜陣内で確保した中里がさらにロングパス。
これが岐阜のベクトルの逆を突く格好となり、田原の落としを拾った福田がドリブルで岐阜ディフェンスのアタックをかわしながらエリア内を突き。
そして放たれたシュートがゴールネットを揺らし、2試合連続のマルチゴールに辿り着いた福田。
岐阜は心の緩みを突かれるような失点で、ロングボールの蹴り合いが行われた事で、前半ボールを握っていた状況から一転する絵図となったのが拙かったでしょうか。

2点差を付けられ、こうなると組織力云々というより、とにかく得点が欲しい状況を強いられ。
その通りに押し込む状態を作る岐阜、後半4分には敵陣深め左サイドでボール奪取し、北が萱沼に反則を受けてFK。
キッカー庄司のクロスを田口が合わせにいくも、GK児玉のパンチングで跳ね返されシューは撃てず。
クロス→クリアの応酬は得点期待値的には薄いものの、1点を返すには何でも良いという状況故に敵陣でサッカーを展開し、セットプレーも得る事でひたすら攻撃を継続したい所。

しかし迎えた10分、最終ラインから中央を前進していく岐阜、田中が細かいタッチでの前進から放ったミドルシュートは左ゴールポストを直撃。
しかし左サイドで上野が拾って攻撃を続け、宇賀神とのパス交換から左奥でカットインを狙うと、エリア内で花房に倒されます。
すかさず笛が鳴って反則・PKが告げられると、YS横浜サイドが判定に不服で猛抗議。
特にこぼれたボールをすかさず萱沼がクリアした事もあり、「反則が無くてもボールロストしていただろう」という異議だったのでしょうが、やはり腕で上野を倒してしまったのが印象悪く。
ともかくこのPKは、キッカーを務めた田口がゴール右へと決め、予想以上に早く1点差に詰め寄った岐阜。
直後の13分に三國・庄司→松本・生地へと2枚替えも敢行します。

しかしそんな岐阜の反撃ムードに水を差したのが、負傷による交代。
15分、プレッシャーを掛けにいった福田がそのまま杉田をチャージしてしまうと、既に足に重々しいテーピングが巻かれていた杉田は起き上がれずとなり。
結局スタッフに肩を借りてそのままピッチを後にし、交代の準備が取られます。(その間にYS横浜サイドが道本→菊谷に交代)
岐阜は一時的に10人となりますが、その間にも再び福田が最終ラインにプレッシャーを掛け、またも川上にチャージしてしまい反則。
これにはその攻めっ気が空回りしたとしか言えず。(これに警告が出なかったのは不可解)
あるいは、リアルストライカーとなるにはこうした不遜なプレーも必要という事でしょうか。
これで試合が止まると、ようやく岐阜が交代を果たし。(萩野と交代、同時に田中→ンドカ・チャールスへと交代)

思わぬ形で途切れかけた流れですが、相変わらず左サイドで優勢を確保しているだけに、そこから決定機を作りたい岐阜。
中々攻撃機会を得れないYS横浜サイドは、26分に田原→ロリス・ティネッリへと交代を敢行しても、流れは変えられず。
29分最終ラインからロングパスが上野に渡るという具合に、左サイドアタックを支えているのはやはり上野であり、彼に託す他無く。
その上野がカットインからグラウンダーでクロスを入れ、中央で受けた窪田の戻しの末に北がミドルシュートを放ったものの、惜しくもゴール右へと外れてしまいます。

尚も左サイドで押し込み、CKも量産するなど好機が続く岐阜。
そのCKからの攻めを防いだYS横浜は、32分に田場が足を攣ら手てしまいエリア内で倒れ込み。
守勢故のダメージは避けられずという状況で、田場はそのまま担架で運ばれたものの、復帰してプレーを続けます。

その直後の35分、一転して右サイドから攻める岐阜、ンドカが奥を突いてアタックを受けつつもエリア内へカットイン。
そしてマイナスのクロスが中央でフリーとなっていた田口に渡る決定機を迎えますが、あろう事かスリップしてしまった田口のシュートはミートせず枠外に。

ショックが残る逃し方をした岐阜、以降YS横浜へと流れは傾き。
38分に田場のボール奪取から前へ運び、ティネッリのドリブルからのヒールパスで崩し、福田のラストパスがエリア内左へ。
そして走り込んだ古賀がシュートしますがゴール左へと外れ、試合を楽にする追加点は得られません。
これを境に逃げ切りへと舵を切ったか、41分に最後の交代で田場・福田→大嶋・ピーダーセン世穏へと2枚替え。
それに伴い、菊谷がボランチへと降りて3-4-2-1へとシフトします。(加賀が右ウイングバックへ回る)

試合も終盤に入り、中里まで足を攣らせるなどダメージは深刻なYS横浜。
しかし岐阜も疲労度が高まる影響で、パスミスが目立ち攻撃リズムを悪くします。
その度にYS横浜に陣地を回復され、攻め直しを余儀なくされ。

そしてアディショナルタイムへと突入。
川上が大嶋の反則チャージを受けながらもパスを繋ぐ(その後大嶋に警告)など、妨害のなかボールを運び何とか同点ゴールを狙う岐阜。
しかしYS横浜の守備陣を崩しきるのは難しく。
遅延行為のような、YS横浜のスローインの連続で神経を使わされ。
結局1-2のまま試合終了の時を迎えました。

岐阜がこれで4連敗となった一方で、連勝でようやく2勝目を挙げたYS横浜。
訪れた上昇モードを活かし、安全圏に入りたい所でしょう。

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