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DAZN観戦 2023年J2リーグ第42節 ベガルタ仙台vsFC町田ゼルビア

2023-11-27 16:00:54 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(41節・長崎戦、1-2)
※前回の町田の記事はこちら(順延26節・秋田戦、2-1)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節出場停止だったホヨンジュンはベンチ外のまま。
  • 梁が29節以来のメンバー入り。

<町田スタメン>

  • 39節(熊本戦、3-0)で無事にJ1昇格が決定し、続く40節で優勝も決定。
  • 26節で負傷交代した松本の詳細が発表され、全治6か月との事。

懸念された失速の予兆を綺麗に振り払い、悲願のJ1昇格並びに優勝にこぎつけた町田。
前回の勝利から連勝街道に乗った状況で、最終節を迎えました。
前節・山口戦(2-0)は山口ホーム(維新みらいふスタジアム)での開催のなか、ガードオブオナーで迎えられるなど、我が世の春を堪能中といった所でしょうか。

こうした送り迎えの儀式は、従来の町田のお家芸でもあり。
2年前は新潟との最終節、引退を表明していた田中達也を(交代の際)送り出す花道を作るのに協力。
前年は、天皇杯で優勝した甲府に対し逆にガードオブオナーで迎える、という具合。
そして今季の最終節、引退表明していた太田をスタメン起用(といってもこれで5試合連続スタメン)して仙台に挑みました。

最初の好機は前半2分、町田が左サイドから、右サイドの鈴木が逆からやって来てロングスローという具合の平常運転。(投げられたボールを直接GK林がキャッチ)
優勝決定した後もやる事は変わらずという流れでしたが、この日は意外にも地上での繋ぎの比率が高かった前半戦。
攻撃時はバイロンが一列上がり、鈴木を右SBとした4-2-3-1へ可変しての組み立てを見せます。
5分にバックパスを受けた鈴木がトラップをミスしてラインアウトするなど、不慣れな様子も窺えましたが。
それでも、じっくり落ち着く時間を作るという立ち回りは、いわき戦(37節・2-3)での反省が伺えるものであり。

そんな隙を突きたい仙台、自身もショートパス主体での組み立てを図り。
しかし町田のプレッシングは強烈で、9分にはあろう事かGK林が繋ぎをミスしてエリア内で高橋に拾われる危機を招き。
そして右ワイドに流れたのちクロス、中央でデュークがフリック気味にヘディングシュートを放つもゴール左へと外れ。
中途半端なポゼッションは格好の餌食という、プレッシングスタイルのサッカー。
ここではパスに迷いを見せてしまったGK林、(高橋が福森に詰めていたため)ワイドに開いたキムテヒョンへのフィードでのパスが正解だったでしょうか。

王者の力を発揮する町田ですが、自身のポゼッションによる攻撃は特に秀でたものは無く。
そのため、お互いに繋ぐも好機に結び付かずという時間が続く状況も生まれてしまい。(12~17分頃)

それでも静かな流れから、徐々に激しくなる展開は見応えがあり。
21分に再びショートパスでのビルドアップを図る町田、自陣でカットに遭うもこぼれ球を繋いで前進に成功。
鈴木→デュークへのスルーパスはカットされるも、鎌田から反則気味に高橋が奪い返し、拾った宇野がさらに長澤のアタックで倒されるもバイロンが拾いアドバンテージで継続と凄まじい攻防戦。
そしてカットインからミドルシュートを放ったバイロンでしたが、オフサイドポジションのデュークに当たってしまい実りません。

仙台は一定の割合で繋ぎには成功するも、敵陣でのパスのズレで好機を生み出す事が出来ず。
30分にGKへのバックパスから、林→長澤と経由するダイレクトでの左へ展開ののち、キムテヒョンがドリブルに持ち込み。
これまで散々左SBとしての資質に(自分が)疑問符を抱いてきた彼の姿でしたが、ここで鮮やかな持ち運びを披露します。
しかし敵陣での長澤へのパスがズレてしまい、折角の突破も活かせません。

時間が進むにつれ、町田がロングボールでの組み立てが増えるお馴染みの展開へと移り変わり。
35分にはGK福井のロングフィードを受けたバイロン、右サイド奥を取ってカットインの姿勢からクロスと見せかけてシュート。
福森がブロックするもコーナーキックとなり、ここからもデュークがヘディングシュートを放つ(枠外)など、徐々に町田らしさを発揮。
この、様子見を経て次第に得意技を押し出すという立ち回りは、入りから貫くよりも効いている風があり。
40分には空中戦の最中、合わせにいったバイロンをチャージしたキムテヒョンが反則・警告と、仙台サイドも対応に悩まされ。

終盤はセットプレーも量産して押し込んだ町田ですが、仙台サイドも粘りフィニッシュを生ませず。
結局スコアレスのまま前半終了となります。

今季も残り45分と、様々な思いにふけながら始まった後半戦。
入りはトランジションが激しくなり、その中で右スローインを得た町田が仙台サイドが戻りきらないうちに素早く裏へと投げ込み、宇野のクロスの跳ね返りを尚も繋いで組み立て。
そしてスローインをした鈴木のクロスが上がると、誰にも合わずファーサイドで小出がクリアの体勢に入るも、蹴られたボールが逆方向に飛んで右ポスト内側を叩いた末にゴールインというまさかの絵図となります。
どうやら小出は左足でのクリアをミスし(空振り?)、その結果軸足に当ててしまったようで。
町田にとって完全なラッキーゴール、というオウンゴールでスコアが動きました。

仙台はポストワークを務める山田が、町田の激しいデュエルによって倒れ込んでしまう事が2度。
それに伴ってかリズムを作れずという入りを強いられ、ビハインドとなったのちはさらに町田の圧力に難儀します。
6分には中盤で前に出てパスカットしたチャンミンギュ、高橋へパスを出すとともに自身もオーバーラップし、そのままエリア内に入ってターゲットを務める等やりたい放題という具合になっていき。(高橋はドリブルののちデュークにパス、デュークが右ポケットからクロスを上げるも繋がらず)
幾度も攻め込まれ、何とか凌ぐ仙台ですがクリアボールを拾われて二次攻撃を受ける等、流れを切る事すらままならず。

そして10分、ここでは最終ラインからショートパスでの繋ぎを選択する町田、左へ展開ののち太田縦パス→デューク前方へポストプレイで裏を取った荒木。
そのまま左ポケット奥へ切り込んでマイナスのクロスを送り、ニアで合わせにいった高橋がディフェンスに遭いこぼれた所を、デュークがボレーシュートで仕留めます。
キムテヒョンのブロックも及ばずゴール右へと突き刺さり、10分で2得点と真価を発揮する町田。

その後は仙台も、激しくなってきた町田のサッカー故に、多発するトランジションを突くチャンスは何度かあり。
12分にクリアボールを拾った菅田から長澤→氣田と中央を縦に速く繋いでいき、右へ展開して小出がクロス(合わず)とその片鱗を見せる攻撃。
しかし基本は中央を固める町田、それが出来ない時が大多数なだけにサイドからの崩しを図りたい状況に。

そんな思惑からか、17分に動き一挙3枚替えを敢行した堀孝史監督。
小出・長澤・山田→オナイウ・エヴェルトン・菅原へと交代し、これにより3-4-2-1の布陣へとシフト。
ウイングバックは右=オナイウ・左=氣田で、菅原を頂点として2列目に加藤・郷家という1トップ2シャドー。(キムテヒョンが左センターバック)

そして20分、空中戦から鎌田がボールを確保し、一旦戻したのち右から前進を図る仙台。
オナイウが加藤とのワンツーで右ポケットへ切り込み、太田のディフェンスに遭うも右CKに。
一つオナイウの持ち味を生かしたと思ったその刹那、このCKでショートコーナーを選択すると、右ハーフレーン手前から加藤がクロス。
これを中央で菅原がフリックで合わせると、ゴール左へと突き刺さる鮮やかな得点に。
1点を返し、ホームの大観衆の中で反撃の狼煙を上げます。

不意の失点という格好になった町田、キックオフの前にデューク→藤尾へと交代。
以降、太田を前に上げたうえで、彼をターゲットとしたロングボールでの攻めを繰り返し。
この日引退試合の太田はそれに応えて良く合わせていたものの、恐らくはサイドの突破力を上げた仙台に対し、使いきって交代し強度を上げる策を採ったと思われます。
実際23分に、仙台がオナイウのドリブルでカウンターに持ち込みかけた所を、宇野が反則で止めて警告という具合に被害が拡大しており。

それ故なるべく早めに追い付きたい仙台、27分に縦パス→フリックを鎌田がカットした事で、町田のトランジションの隙を突く絶好機を迎え。
縦パスを受けた郷家がさらに左ポケットへスルーパスを送り、走り込んだ菅原がフリーでシュート。
しかし角度が足りないのが影響したか、GK福井のセーブに遭い同点ならず。
ここでニア上を破る事が出来る人物となれば、ステップアップも可能でしょうが……。

そして太田の交代の時を迎える町田、29分に翁長と代え。
チームメイト全員と抱擁し、ラストダンスを終える事となりました。
同時に鈴木→奥山政へ交代と、両サイドをテコ入れと予想通りサイドの抑えを図る采配。

高まった強度をバックに、追加点を狙いにいく町田。
30分左サイドを下田縦パス→荒木ポストプレイ→翁長裏へミドルパスという崩しから、オフサイドの位置に居た藤尾がスルーして翁長が自ら拾い直し。
戻しを経て荒木のグラウンダーのクロスが高橋に収まり、シュートするもGK林がセーブ。
これでCKを得たのちも、二次攻撃でGK福井ロングフィード→藤原フリックから攻撃開始、拾った下田の低いクロスに藤尾が跳び込んでヘディングシュート。(眼前で菅田がブロック)
続く33分にも、敵陣でのボールカットからバイロンが右から切り込み、ポケットで切り返しからシュート(ブロック)と一方的に攻め続け。

何とか凌ぐ仙台、34分に再びキムテヒョンがドリブルで持ち運ぶと、今度は高橋が反則で止めて警告と成果?を上げ。
35分に再度カードを切り、加藤→相良へと交代し終盤の逆襲に繋げんとします。

町田にとっては逃げきるかどうかという判断も考慮に入れるような時間帯。
そんななか最後の交代カードを使ったのが38分で、荒木・高橋→安井・アデミウソンへと2枚替え。
来季のJ1での戦いを見据えての獲得と一部で謳われているアデミウソン、これが今季3試合目の出場。

まだ追加点を狙うといったカードに映るもので、その通りに攻め込む町田。
39分再び右からバイロンが切り込んでポケットからシュート、ブロックに遭い右CKに。
キッカー下田のファーへのクロスをマイナス方向へ落とすアデミウソン、拾った藤尾がシュートしましたが惜しくも左サイドネット外。
その後仙台も攻め込み、右→左へのサイドチェンジを受けた氣田の突破を経てCK攻勢に持ち込み。
お互いのCKの交錯を経て、ついに試合が動く事となります。

43分、GK林がロングフィードを送るも、藤原がヘッドで跳ね返したボールがそのまま仙台最終ラインの裏へ。
これを受けたアデミウソン、オフサイドをアピールする仙台ディフェンス(林のフィードの際、キムテヒョンの上がりが遅れたためとれず)を尻目にエリア内に持ち込んでGKと一対一を迎えます。
そして林の右を破るシュートでゴールネットを揺らし、追加点を齎したアデミウソン。
加入後初ゴールでの喜びに、ようやく戦力になれたという実感を露わにしていたでしょうか。

キックオフの前に、仙台は最後の交代カードで大ベテラン・梁を投入。
その梁のクロス(セットプレー含む)で最後の攻勢に入り、アディショナルタイムには菅田がそのクロスに合わせループヘッドを放つも枠を捉えられず。

結局その流れは直ぐに途切れ、町田が時間を使いながら攻める展開に。
ハイテンションのアデミウソンが、その後裏抜けで2点目を狙いにいくもオフサイドとなる事2度という具合に、微笑ましいシーンも作り。

何とか最後に好機を作る仙台、それはオナイウの右からのロングスロー。
エリア内で混戦が生まれ、掻き出されたボールをミドルシュートに持っていったオナイウでしたがゴール上へと大きく外れ。
同時に試合終了のホイッスルが鳴り、最終戦も1-3で勝利し5連勝フィニッシュとなった町田。
その戦いぶりは賛否両論あれど、とにかく強かったのは不変であり。
この日のボールポゼッションも、初のJ1での戦いに備えた「4局面」のスタイルを高めるためのものと考えれば納得の一言。
クラブ自体はそのまま定着を目指している節が見受けられるものの、まずは新しいその景色に馴染みたい所でしょう。

一方の仙台、開幕前は昇格候補と謳われながらの低迷ぶりは、それと対極を描くようなものとなり。
おまけにサポーターの不祥事や元社員の不正と、グラウンド外での事象も目立ってしまっては、浮上の機運も高まらないのは仕方無いといえるでしょうか。
前者についてもう少し述べると、この日も太田交代の際に則して、拍手どころかブーイングを送るという具合に何処か履き違えたような行動が目立っており。
冒頭で触れた町田の姿勢のような「良き敗者たれ」の精神は、現場よりも周囲の人物に必要な状況なのかもしれません。

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