ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第42節 ロアッソ熊本vsレノファ山口FC

2023-11-22 18:12:55 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(40節・清水戦、3-1)
※前回の山口の記事はこちら(38節・大宮戦、1-2)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 40節で負傷交代した岡崎の詳細が発表され、全治8週間との事。

<山口スタメン>

  • 前節負傷交代したGK関はベンチ外。代わって途中出場したのは寺門だが、この日は初スタメンとなるチェヒョンチャンを選択。

ともに残留を決め、一安心というボトムハーフ同士の対決。

既に熊本は、大木勉監督の続投も発表されており来季に向けて足場固めの最終節。
プレーオフに最後まで残った前年と違い、主力の大量流出は今の所無さそうな雰囲気であり。(あるとすれば平川・竹本・島村辺り?)
それでも、そうなりそうな原因が成績低迷・長期離脱(石川・三島)というネガティブな要素なのが皮肉な事ですが。
また選手層の薄さも相変わらずなので、浮上のためには来季はサッカーの練度に加えてタフなチーム作りも目指したい所。

そんな状況で、その足掛かりとして有効利用したい最終節。
相手の山口は、無失点ゲームが途切れて以降、フアン・エスナイデル監督の指向が色濃く表れたチームへと徐々に変貌。
彼の持ち味であるハイライン・ハイプレスの趣が強まり、その成果はオフサイドを取った数はリーグ1位という数字(放送席の談)に表れており。
水戸戦(33節、1-2)・ヴェルディ戦(34節・0-2)・大宮戦の8という数字は圧巻の一言ですが、全体の成績的には今一つ。(その3試合はいずれも敗戦)
前節(町田戦、0-2)は試合前に他力で残留決定と締まらない結果となっただけに、「終わり良ければ……」の格言通りにしたい所であり。

早速熊本はその山口の姿勢に対し、開始4分間でオフサイド3度を記録する事に。
ならばと続く前半5分、細かいパスワークを経て左サイドを松岡がドリブルで奥へ切り込むも、これも成岡に蓋をされてクロスは入れられず終わります。

すると直後の山口、ゴールキックから短く繋いで運ぶビルドアップを敢行。
道中成岡が平川に倒されるもアドバンテージというシーンを交えながら、池上→吉岡へのミドルパスがカットされかかった所をすかさず吉岡が拾い直した事で好機を迎え。
そして河野が中央から前進を経てミドルシュート、熊本は大西・江﨑の2枚掛かりでブロックするも、跳ね返せずエリア内へこぼれてしまったのが運の尽き。
駆け込んだ五十嵐が詰め、ゴールネットを揺らして先制点に辿り着きます。
やはり複数での守備は、完全に防がねば傷口を広げてしまうだけに終わる事を再確認させる得点でした。

これでペースを握るかと思われた山口ですが、直後の7分にハイラインを支える守備陣が乱れ。
竹本の縦パスが流れた所、拾いにいった生駒と平瀬が被ってしまい、こぼれ球を拾った松岡のドリブルに繋がる事態に。
左ハーフレーンを突き進み中央の阿部へラストパス、遮断されるも自ら拾い直し、エリア内からシュートした松岡。
戻った生駒にブロックされるも右コーナーキックで継続すると、最初の絶好機の直後という事もあったか、サインプレーを選択するキッカー平川。
グラウンダーのクロスに対し、ニアに走り込んだ竹本がスルーすると、その奥で上村がダイレクトでシュート。
ボールは右ポスト内側を叩いてゴールに突き刺さり、奇襲を見事に決めきり同点に追い付きました。

リードした矢先の思わぬ失点となった山口。
何とかボールポゼッションで落ち着かんとするも、11分には田中の左→右へのサイドチェンジがマイナス方向にズレた結果タッチラインを割るなど、文字通り色を失ってしまった感があり。
続く12分に島村が、13分には松岡がそれぞれエリア内からシュート(いずれもGKチェヒョンチャンがキャッチ)と、厳しい流れに突入する結果となります。

そしてそれを堰き止められず、迎えた17分。
最終ラインから江﨑の縦パスで攻撃開始する熊本に対し、山口は受けた島村を掴まえにいけずに、最終ラインも中途半端な位置に。
すると島村→上村縦パス→平川ポストプレイ→島村スルーパスで完全に裏を取られる結果となり。
オフサイドにもならず、抜け出した伊東がGKと一対一を迎えた末に、エリア内からGKチェヒョンチャンの股を抜くシュートで仕留め。
10分弱の間に倍返しを決め、逆転を果たします。

その後も攻勢を続ける熊本。
それでも山口のハイラインは壮観の一言で、22分にはパスワークで前進する熊本に対し、しっかり高目の位置でフラットとなる最終ライン。
しかし右サイドで平川のスルーパスで裏を取る熊本、抜け出した阿部がクロス(大外で松岡が走り込むも手前で遮断)と、常に危機と隣り合わせという状態であり。
何度もボックス内に運ばれる危機を招き、CKも量産となるなど押し込まれ、反撃どころの話では無く。

何とか落ち着かせ、主体的な攻撃体勢に入る山口。
そのビルドアップは、一言で言うならばウイングバックを高めに位置取らせるものであり。
センターバックとWBの間に選手を立たせて出口を作るのを基本とし。
その方法は、

  • ボランチの一人がワイドに張り出す
  • シャドーが降りて来る
  • 3CBが変形し、左右のCBが前に出る

のいずれかで、熊本サイドも完全に掴まえるのは困難という風でした。

しかし29分、上村が前に出てボランチを切る姿勢を取り、前方の3トップ+トップ下が最終ラインに規制を掛けるというハイプレス。
そして左サイド(山口から見て右サイド)に追い込んだ末に上村が前に出てボール奪取、そのまま左ポケットに入りキープと、絶好のショートカウンターという状況となりますがフィニッシュには繋がらず。
このハイプレスを続ければ山口も非常に困るといった印象でしたが、既に30分を迎える時間帯で、かつリードしている事もあり以降控えめとなる熊本のプレス。
それでも34分には、攻め込んだものの作り直しを選んだ山口に対し一斉にラインを上げ、規制を受けてボールキープしながら自陣へ追い込まれる成岡。
そしてGKへ戻すも、チェヒョンチャンのパスがズレてタッチを割るという具合にここぞのプレッシャーは半端無く。

苦戦する山口、38分に後方から成岡が一気にロングパスを送ると、エリア内でバウンドしたボールに走り込んだ梅木がボレーシュート。
GK田代がセーブと、窮鼠猫を噛むといった脅かしを見せると流れは変わります。
続く39分には池上がGK田代にプレッシャーを掛けると、そのパスをエリア内左でカットする絶好機に。
しかし直ぐにシュートは撃てず、左奥でのキープを経てクロスを入れる池上。
ファー奥で合わせにいった河野、ディフェンスに遭いこぼれた所をすかさず戻って反応しシュートを放ちましたが、大西の頭でのブロックに阻まれ。

決定機を続けた山口、その圧巻は45分。
吉岡が右サイドをドリブルで持ち運ぶと、クロスでは無く小さな浮き球を選択し、右ポケットで受けた河野がカットインで狭い所を破った末にシュート。
GK田代が足でセーブ、こぼれた所をさらに池上が追撃するも、これも黒木のブロックで防がれ。
GK・DF一体となっての死守を受け、中々ゴールに辿り着けません。

結局2-1で前半は終了。
この反撃ムードを保ちたい山口、左WBにメスを入れ田中→野寄へと交代したハーフタイム。

いきなりの後半1分、池上が右サイド深めでボール奪取してショートカウンターという入りに。(吉岡がクロスを送るもフィニッシュには繋がらず)
前掛かりな姿勢を見せる山口、投入された野寄も5分・7分にそれぞれシュートを放つなど積極性を披露。(前者はGK田代キャッチ・後者は黒木がブロック)

しかし8分、攻めの姿勢を続ける山口ですが、後方に戻されたのちキムボムヨンの縦パスがズレて奪われると熊本のカウンターに。
右サイドから前進する熊本、黒木のボールキープで減速するも、スルーパスを受けた平川から島村経由で中央へ戻し。
そしてダイレクトで上村がミドルシュートを放つも、大きく枠を外して命拾い。
焦って無理に前へ入れるのは禁物、といった警告となり。

リスクを抱えながらの攻撃を強いられるも、迎えた12分。
左サイドを細かく繋いでいき、池上のスルーパスを受けた河野が左ポケットを突いてシュート。
GK田代がセーブするも、右サイドで吉岡が拾って継続、マイナスのカットインを経てミドルシュート。
しかしこれもGK田代がセーブし、詰めにいった河野の(黒木に対する)反則で終了。
複数シュートを浴びせる放つ分厚い攻撃が目立つも、いずれも決めきれません。

そんな山口は守備の姿勢も相変わらずで、14分には前進する熊本に対し、極限まで高くラインを取る最終ラインの姿が再び。
熊本は左サイドから松岡がドリブルでそれを突破し、カットインを経てポケットへスルーパス(伊藤が受けるもその後奪われる)と、冷静に攻めきる姿勢を貫きます。

19分に再度ベンチが動く山口、吉岡・河野→高橋・沼田へと2枚替え。
これによりポジション・布陣ともに大きく変わり、最終ラインはCBにキムボムヨン・平瀬、サイドバックが右=生駒・左=沼田。
一列前にはアンカーとして成岡で、更にその前には池上・五十嵐のインサイドハーフ、その右に高橋・左に野寄。
そして梅木の1トップと、4-1-4-1のような立ち位置で、変節に望みを託す事となりました。

以降、生駒が前に出る右肩上がりの状態を重視し、高橋と2段構えでの右サイドアタックが多くなり。
左に野寄という一本槍を作ったので、逆サイドのテコ入れを図ったという感じでしょうか。
一方の熊本も、22分に松岡→東山へと交代。

25分に山口のパスミスから、矢印を反転させて攻め込む熊本。
右ワイドで持った島村がカットインすると、ポケットへのスルーパスを選択し、奥で受けた平川からエリア内での攻防に。
混戦の中、拾った阿部がマイナスのクロスを浮き球で送ると、ファーサイドで伊東がボレーシュートを狙うもジャストミート出来ず。
その後も28分にパスミスから熊本が好機と、ここに来て精度が乱れてきた山口。
東山が左サイドをドリブル突破してクロス(制度を欠く)と、交代選手もその力を見せ付け状況は変わりつつあり。
これまでのリーグ戦、特に目立った働きはないという個人的な印象の東山でしたが、この日は前掛かりな山口を相手に本領を発揮。

ミスが目立つようになり、疲労度も考慮しながらの戦いとなる山口。
直後の好機、池上の裏へのミドルパスを収めにいった梅木、勢いのままに黒木とのデュエルを制してボール確保。
そしてエリア内に切り込みシュート、ゴールネットを揺らしましたがその前に反則を告げる笛が鳴ってノーゴール。
強引な姿勢も交え、何とかしようという気概が行動に表れてしまい。

32分にドリブル突破を図った野寄が、阿部に反則で止められた事で長らく倒れ込み。
このタイミングで最後の交代を敢行する山口、野寄の無事を確認したのちに梅木・池上→シルビオ・皆川へと2枚替え。
一方の熊本もすかさず動く形となり伊東・竹本→大崎・田辺へと2枚替え、山口の左からのFKの前に、慌ただしくなった両ベンチ。
このFK、入れられたクロスが流れた所を五十嵐が折り返し、ゴールに向かう軌道となった所にキムボムヨンがフリックで追撃。
コースを変えられたものの、GK田代はこれをしっかりキャッチして防ぎます。

以降山口は2トップ(シルビオ・皆川)となったため、五十嵐がボランチに降りる事で4-4-2へとシフト。
しかし時間も浪費されるなか、再び攻め急ぎの意識が顔を出してしまったでしょうか。
38分、平瀬縦パス→高橋フリックの流れが繋がらず田辺に拾われると一転して素早く運ばれ危機に。
スルーパスに走り込んだ東山のグラウンダーでのクロスは遮断されるも、平瀬がクリアでは無くカットを選んだ事が再度裏目となり、小さくこぼれた所を島村が拾って継続。
そして奥へ切り込んでのマイナスのクロス、受けた大崎がキープする所に、先程ワイドでクロスを入れた東山がサポートに。
その目論見通りに、ディフェンスにこぼされた所を詰めてシュートした東山、ゴールネットに突き刺さるボール。
最終節で見事初ゴールという結果を叩き出し、貴重な追加点を齎しました。

一方度々好機を作りながら、同点どころか2点差とされてしまった格好の山口。
その苛立ちも最高潮といった感じで、41分には江﨑に反則を受けた成岡がヒートアップし、倒れたまま脚でチャージし返すという蛮行に出てしまい。
直後の42分には島村のドリブルを反則で止めた沼田が警告と、精度を欠いた末に粗さが顔を出す展開を強いられます。
(熊本は42分に大西→宮㟢へと交代)

残り時間も少ないなか、何とかゴールを目指す山口。
しかしそれを嘲笑うかのように、アディショナルタイムにカウンターに持ち込む熊本、平川がドリブルで長い距離を運んだ末にエリア内へスルーパス。
オフサイドも無く、走り込んだ大崎が撃つと思いきや、逆サイドに走り込む東山へとさらにスルーパスを送り。
しかしこれは流石にオフサイド(映像では結構際どかったが)となり、跳び込んでシュートした東山でしたがこの日2点目とはなりませんでした。

結局そのまま熊本が攻め続けた末に、試合終了ならびにシーズン終了を告げる笛が鳴り響き。
快勝した熊本、この日の東山の活躍を切欠に、控えの層の向上に努めたい所でしょう。

一方の山口は、試合翌日にエスナイデル監督の退任が発表される事となり。
破天荒なサッカーへの期待とは裏腹に、無事にチームを残留させた末に颯爽と半年で去る事となりましたが、次のキャリアへの前段階だったのかもしれません。
何せ2019年以降監督業は皆無という状況なので、助走を付けるには渡りに船とばかりに、山口のオファーに乗ったという可能性も無きにしも非ず。
どんな道を選ぶのかはまだ判りませんが、その武運を願いたいと思います。

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