ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

外国人や漁師と仲良くなる方法。

2015-01-08 20:32:49 | 唐桑日記
取り貯めた写真が
整理されないまま10月で止まっている。
もう年も変わってしまった。
最近いちよさんと仕事していないので、
報告することが少なくて,
自分のことばかりだ、、、笑

自分のことといえば。
今年の抱負というか、テーマというか。
今年はすし職人であることをもっと
楽しもうと思います。
鮨を握る機会や増やして、
それとワークショップも
やっていこうと思ってて。

去年いちばん
楽しかった仕事は
交換留学生と、
来日を歓迎するライオンズクラブの
社長さまたちの交流会で
70人相手にお鮨を教えたことでした。


まずは見てもらって。

もちろんひとりじゃできないから、
つなかんで知り合った立教の学生や、
商社に務める美人OLのかおりさん。
旅人のさとみとおゆみにも手伝ってもらって。

練習その1


練習その2
握る順番を覚えてもらって。


各テーブルで
「りょうすけはこうやってたんだよー」
つって見せながら。
70人全員握れるようになりました。

こういう時の外国人の反応は
すっごいいいよね。
全然話きいてないし、
順番めちゃめちゃなのに
どや顔で自身満々で握っていく。
完成したお鮨を見せて
「どう?私のすごいでしょ?」
ってこの感じを見れたのは
すごいよかった。
僕は今だに「どう?すごいでしょ?」
なんて思ったことはなかったから。
でも、今の自分にできることを
やってるんだったら、自分より
すごい人を見てまだまだだなーと
思ってても。
「どう?すごいでしょ?」
そういう顔で楽しんでた方が、
周りは楽しいんだなって。
留学生と、しれっと
「わたし、握れるんだから」と
堂々と教えているボランティアスタッフを
見ながらすごい感動しちゃいました。



鮨の仕事で気仙沼でも
印象に残ってる事があって。
こっちの出来事は楽しかったというより、
「鮨が握れてよかったな!」と
心から思えたこと。


つなかんで働きだして一ヶ月、
メカジキ漁師のしょういちさん
という唐桑の漁師に出会った。
市場にはでまわらない
「メカジキの腸,エラ肉」を
つなかんに届けに来てくれた。


「いちよさんいる?」

「こんちわー、今いちよさん
いないんですけど。」

「、、、。」

「はじめまして、先月から
ここで働いてるりょうすけと言います。」

「、、、。」

すっげー無愛想で
なんだ一言も話さないじゃん
やっさんと同じだな
と思ってたら
うちの社長のやっさんが来て。

「やっさん、どうも!
メカのエラ持ってきました。
ちゃんと持っで来っどき、
船につるしながら
血抜きしたっけ
うまいっずよ!」つって。
(ちゃんと処理したんで
美味しく食べられますよ。の意味)
どや顔で話しだした。

なんだよしゃべれんじゃん!
つーか何言ってるかわかんないし、
それにぜんぜん態度違うし!!
あーむかつくー!!
その日はそのまま魚を置いて帰っていった。
帰ってから「しょういちめー!!」
と心のなかで毒づいた。


(このさー
赤いつなぎがいかにも
カッコつけマンでしょ!!笑)

それでも魚はそのあとも
2〜3度届けてくれて
毎回
「こんちはー!
この前のめっちゃ鮮度よかったすね!」

「、、、。うす。」

うすってなんだよ、うすって!!
それでも,しょういちさんは
届けてくれる魚を見たら
嫌いにはならなかった。

しょういちさんの魚は
「余ってるから持っていこ」
って魚じゃなくて、
「美味しい魚をいい状態で届けたい!」
そういう気持ちで届けてくれている
って魚をみればすぐわかる状態だし、
そういう魚は大切に使わなきゃって思える。
態度が悪いことくらいどうってことない。


そういうラリーを繰り返してるうちに
まだまだうだる熱さの9月の中旬。
今度は穴子を持って来てくれたことがあって。

じゃあ穴子なら鮨にできるから。
「握って家まで持ってこー!」と思って。

お鮨にして家まで届けた。
したっけ

「え?お前にぎったの?
すげーじゃん!」って
目をキラキラさせながら


「やっぱプロは違うなぁ!」
と話かけてくれて。
しょういちさん調子いいなぁ、
と思いながらも
「お鮨が握れてよかった!」
心からそう思える瞬間でもあった。
気仙沼はこういう機会に
恵まれてるんだよね。
魚をもらって鮨にして返す、とか。
「カウンター越しでの板前と客」
とはまったく違う関係性での
「鮨」がすごい新鮮!


それは,今ここでしか
できないことだと思うから、
去年は楽しく握れたよ。
(心配してくれてる友だち達へ。
落ち込んだりもするけれど、
私は元気です。笑)

まぁそれからはしょういちさんとは
冗談も言える仲になれて、
色恋の事とかもね色々話してる。
いやーモテ漁師なんです。
車もトヨタのいいやつだし。
家も広すぎだし。

35歳まで全く違う仕事していたんだけど。
「35歳からは違う人生歩む!」
って決めてたみたいで、
じぶんで決めて
じぶんから漁師になったんだよね。
だからすっごい楽しそうに漁師の話をする。

先日は地元の小学生に
しょういちさんが15分間
漁師の話をしてきたんだけど。
そのたった15分の話を聞いて
「俺,大きくなったら漁師になるんだ!」
っていう子どもがでるくらい、
魅力的な漁師ばなしをしてくれる。

それなのに僕にはぜんっぜん
口をきかなかったけど!
子どもと女性には優しい唐桑漁師、
それがしょういちさん!
そろそろ身を固めるのかどうか。
そういう所も含めて今年は
楽しみであります笑。


なんて話もできるくらい
漁師と仲良くなれたり。
「人生で一番うまく握れたよ!」
「おまえ、初めてだろー!」
外国人と仲良くなれたのも、
鮨が握れるからだなーと
思ってさー。

今はよく魚をもらう町に住んでてさ、
町の人たちが鮨握れるようになって
もらった人に鮨でお返しとかできたら
ずいぶんと楽しくなるなと
思っているんだよねー。


で、まぁ今月はプレイベントなんだけど
鮨のワークショップ
始める事にしたんだよー。


ドッキドキだけど。
まぁやってみるよ。
獅子ちゃんに見習って。
しかし知らない町の
知らない人に
ハロウィンメイクなんて
よくやりに来てくれたねー笑。
ありがとね。
自分でやるとなると
そのドキドキ感わかるわー。
唐桑の力、お借りしまーす。

追加記事!
しょういちさんの授業は
こちらのプロジェクト!!



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