goo blog サービス終了のお知らせ 

アンティーク・コーディネーターへの道

アンティーク・コーディネーターを目指して蒐集している古民具や古道具を日々の生活とともに紹介します。

陶芸7月作品

2005年07月28日 | 陶芸・版画
今月も新しい作品が焼きあがりました。
今回は焼きあがった4作品のうち3つほどご紹介しようと思います。
まずは一番手前の作品。こちらは直径25センチ程度の筒状の器(高さは3センチ程度でしょうか)の両端を若干持ち上げ変形させたものです。写真だと器の形状がちょっと分かりにくいかも知れませんね。釉薬は全体に今一番私が気に入っている白萩の一種をかけた後、緑萩を多方面から流しがけしてみました。白萩の自然な焼き具合とその間からのぞき見える土の地肌、うっすらと浮かび上がる緑萩の模様が特徴的な作品です(^^)
残り2点は同じ型から形をおこし、異なる釉薬をかけたものです。もともとの型は陶芸の先生が100円ショップで買い求めてきたとのことですが、同じ形でも陶器にすると全く違った印象を与えてくれます。左側はこれまたお気に入りの紅志野を二度にわけてかけたので(お皿が大きくて一度に釉薬をかけられませんでした)、二度かけされた部分だけがより濃いオレンジ色に発色しています。そして、その上からやはり緑萩を流しがけ。やさしい感じのオレンジ色と不規則模様の淡い緑(かなり白に近いです)との自然な調和感がでています(自画自賛^^)。
最後の写真右奥の作品は、テーブルの色とかなりかぶって(最近忙しくて写真撮影も少々手抜き気味...)見えづらいと思うのですが、まずは全体に黒マットで光沢感のないマットな地の色をつくり、その上から緑萩と銅青磁を流しがけして見ました。右側のほんのり白い部分が緑萩で左側のうっすらと青色に発色する光沢感のある部分が銅青磁です。自分で言うのもおこがましいですが、抽象画のような絵柄がミロの絵を思わせるような作品となりました。
かなり自己満足の世界なんですけど、月に一回の作品の焼き上がりが満足いくものだった時はなんだか嬉しくハッピーな気持ちにしてくれるんです。来月もこの調子で制作活動に励もうっと(^^)V

陶芸6月作品

2005年06月29日 | 陶芸・版画
今月も出来上がったばかりの陶芸作品をご紹介します。
今回は成形後に白化粧土をかけるという制作過程でいくつかひび割れてしまったこともあり、少なめの3作品のみ。なかなか自然ないい感じに白化粧土がかかっていたので未だに悔やまれてならないのですが、たまにはこんなこともあります... 気を取り直してご紹介しますね。
ご覧のとおり3つともフォルムは同じ角皿で、それぞれの釉薬に少しづつ変化をもたせています。形状は私の大好きな制法「型つくり」で成形したもの。木製の茶托とゆるやかなカーブのステンレスの容器を貼り合わせて型をとってみました。ですから、よく見るとお皿の中央には茶托ほどの大きさの窪みと凹凸面の質感を感じ取れるかと思います。
まず左下の角皿は、オリジナルのフォルムで素焼きした後、全体に乳白の一種の釉薬をかけます。この釉薬も私の最近のお気に入りで、毎月のように作品に取り入れているのですが、今回も淡いブルーと柔らかなオレンジで発色してくれました。釉薬をかけてしばし乾燥させましたら、仕上げに緑萩という釉薬をスポイトで流しがけて完成です。うっすらと見える帯状のものが緑萩の効果です。流しがけはやり直しのきかないぶっつけ本番。この作品はなかなか渋い感じで出来上がったので大満足です(^^)
次に、右上の作品は、先ほどと同じ釉薬をかけた後、今度は飴釉という美味しそうな名前の「釉薬」を流しかけてみました。人間国宝 浜田庄司さんの作品のような、ダイナミックで力強さを感じるイメージで、釉薬をスポイトで思い切ってかけてみたのですが、まだまだですねぇ。心では思い切ろうと心掛けても、ついついお皿の空間だけにしか目がいかなくて、小さくまとまった出来になってしまいました... こればっかりは無数にトライ&エラーを繰り返して初めてたどり着く極致なのかも知れませんね。
最後の作品は、基本的な制法は2つ目と同じで、釉薬を「白萩」と「来待天目」の組み合わせに変えてみたところ、光沢のある白とこげ茶色のコントラストが際立った仕上がりになりました。
どれも取り皿やちょっとした盛付け皿として使うもよし、もともと茶托だった形状をいかして、ガラスのコップをのせるなどして、冷えた飲料とともに涼しさを演出してみるのも面白そうです。
今月は焼き上がりの品数が少なかったこともあって、7月に向けてちょっとユニークな作品をいくつか制作中です。新しい作品が焼きあがりましたらまたご紹介しますね。

版画家 山本容子さんと『向日葵』

2005年06月24日 | 陶芸・版画

私が生まれて初めて買った銅版画は山本容子さんの『向日葵』という作品でした。確か今から10年近く前だったかなぁと記憶しています。そもそもこの作品は辻邦生さんの小説「花のレクイエム」の挿画として制作されたようです。十二ヶ月の季節の花に導かれて綴られた十二編の短編集中、八月に登場する『向日葵』を見た瞬間にすっかり心を奪われてしまったのです。

あいにく写真でご紹介できないのが残念ですが、気になる方がいらっしゃいましたら新潮文庫から発刊されてる「花のレクイエム」をご覧になってみて下さいね。

それ以来、時折自分への日頃のご褒美として、銀座の画廊「ガレリアグラフィカ」にて一点づつ買い増し、今では六点ほど所有するに至ったのです。鉛筆を使った軽いタッチのソフトグランド作品(今ほど著名になる前の初期の頃のもの)から、色鮮やかに手彩色された作品(『向日葵』もこのタイプに属する)まで、その時々の彼女の作風が反映された作品たちです。最近5年ほどは新しい作品を購入するほどの余裕もなく過ごしてきたのですが、リビングに6枚並べて飾られた彼女の作品を眺める度に、どこか心が落ち着き、ホッとした安堵感に浸れたりするわけです。

そして、いつしか彼女の作品に浸っている間に、自分でも版画を作ってみたい衝動が芽生え始め、浜口陽三さんのカラーメゾチント作品の感動が引き金となって版画を制作する決心をしたのです。そんな意味でも、山本容子さんの『向日葵』は銅版画や陶芸といった趣味の芸術活動を始める原点の作品と言っても過言ではないのかも知れません。

ちなみに、上段の写真は、『Forever DALI』というタイトルの1989年の作品。私が所有する作品ではないのだけど、私が好きなアーティストの一人 サルバドール・ダリをモチーフにした作品がちょうど見つかったのでご紹介してみました。その他多数の山本容子作品をアートギャラリーミューズにてお買い求めいただけます。

今晩も帰宅したら今一度じっくりと『向日葵』を眺めてみようっと(^^)


陶芸5月作品

2005年06月01日 | 陶芸・版画
楽しみにして陶芸作品が先日全部で8点焼きあがりました。
本日はその中でもお気に入りの3点をご紹介しますね。
どれも型作りで成形し少々丸みを帯びたフォルムとなっていますが、釉薬の種類とそのかけ方を変えて2通りの作品に仕上げてみました。
まずは今回最も気に入っている写真左手前の角皿からのご紹介です。四つ角にゆるやかなカーブをもたせたフォルムのお皿にかけた釉薬は乳白の一種で、釉薬のかかり具合によって微妙な色合いを見せてくれます。以前ご紹介した陶器の額の時にも同じ釉薬を使用したのに不思議なくらい出来上がりの風合いが異なってとても面白いです。ご覧のとおり、全体的には淡いブルーを基調に、厚く釉薬がかかった部分は茶器に見られるようなユニークな肌合い、逆に薄い部分はオレンジ色に発色しています。淡いブルーとオレンジ色のコントラスト、自然にできた肌合いがとっても気に入っちゃいました。たまに食器棚から取り出しては眺めてニヤニヤしてる作品だったりします(^^)
残りの2点は、型をとって乾く前に白化粧土で刷毛目を入れ、素焼きした後、まずは白萩をお皿全体にかけます。ここからはやり直しのきかない一回勝負の釉薬流しかけです。今回は緑萩というとっても淡い緑色の釉薬と織部をスポイトにとり、思い切って流しかけしてみました。白萩の下に所々表情をのぞかせる白化粧土と御影石(のような)の斑点模様、さらに淡い緑と濃緑の色合いが重なって、全体として面白みのある作品に仕上がりました!和菓子や焼き菓子なんかをのせてみたらお菓子がさらに美味しく見えそう。はやく食卓に登場させる機会がきたらいいなぁ。
さぁて、6月はどんな作品を作ろうかなぁ。土鍋にもチャレンジしてみたいし(土鍋で炊いたご飯は美味しそう^^)、久しぶりに抽象的なオブジェも作ってみたいしなぁ。これからも自信をもってお見せできるような作品が仕上がりましたら順次プログにてご紹介しますね。

陶芸家『国吉清尚』

2005年05月10日 | 陶芸・版画
趣味の陶芸を始めて早6年半が過ぎました。始めるきっかけの一つとなったのが、当時沖縄の窯元で陶芸の修行を積んでいた弟Jの影響でした。
ある朝、いつものように眠たい目をこすりながら日経新聞の朝刊に目を通していると、圧倒的な力で視界に飛び込んできた小壷の写真がありました。作者の名前を見てもしばらくはピンと来なかったのですが、記事を読み進めるにつれ、記憶が蘇ってきました。作者の陶芸家『国吉清尚』は、弟のJが師事していた陶芸の師匠だったのです。
日本経済新聞に掲載されていた記事「無垢の力 十選」(2005年4月15日)を一部抜粋してみると、
「海からひろってきたような小壷だった。(中略)すべらかな釉薬のかかった心地よい陶器世界への安住を拒絶し、水底でずっと忍んできたかと思わせる表情。それは焼き物と呼ぶよりむしろ焼かれ物と呼びたくなく趣でもあり、ケロイド状の陶器とも見えた。(中略)小壷はすでに作者の最期を予感していたのかも知れない。1999年、国吉は自らの身を焼き、55歳で死んだ。(中略)沖縄の土が語りかけてくるところを、しかと肌にうけとめ、それを愚直に形の言語へと翻訳し、火炎の力をえて、定着させること。それが国吉の作陶原理だった」とあります。
この記事を読んで以来、実家にある『国吉清尚』の作品をもう一度手にとってみたい衝動に駆られ、GW中に帰省した際に実家から借りてきたのが写真の3作品です。左奥の酒器は父が窯元を訪ねた時に国吉清尚さんから直にいただいたもの。右奥は弟が修行中に師匠からいただいたもの。そして手前は国吉清尚さんの窯で焼いた弟の作品です。身内の作品はともかく、実際に手に持って使ってみると、作品には国吉さんの作陶原理が息づいているように感じます。特に左奥の酒器は焼かれた土の力強い風合いがよく表れていて、ずっしりとした重みの中に彼の魂のようなものが今でも宿っているようです。
陶器は使い込めば使い込むほど味わいがいっそう増して、愛着が湧いてくるものですね。今は亡き『国吉清尚』の作品も棚に並べてただ眺めるだけでなく、実際に手にとって唇に触れてみることでますます彼の作品の良さを実感できることでしょう。
よ~し、さっそく毎日酒器を代えて、日本酒や焼酎を飲んでみようっと。

リン版画工房『詩画集展』(4/24~4/29)

2005年04月11日 | 陶芸・版画
毎年恒例となっているリン版画工房の詩画集展が今年も4月24日(日)から29日(祝)まで辻堂のアートスペース・キテーネ(http://www.kiteene.com)で開催されます。
リン版画工房に通うワークショップ会員(今年度は30数名参加)による今年の詩画集は、銅版画や木口木版画などと金属活字(写真左上)とを合わせて作品にしたものです。各自思い思いの版画を画集用の紙に摺った後、写真中央にある手動活版印刷機にて活字を一枚一枚刷りこんでいくのです。詩画集のテーマは特に定められていないので、自分が好きな詩や歌(中には詩を自作する人も)と版画作品さえのっていれば後の創作はすべて自由。ちなみに私の作品は2月22日の当ブログ(http://blog.goo.ne.jp/arang/d/20050222)でもご紹介した子供の足型と「私があなたを選びました」(作者 鮫島浩二)という詩です。ほんとは自信を持って自分の作品を紹介できればいいのですが、金属活字を拾って文字を組む過程で大きな間違いをしてたことに全て刷り終わった後に気づきまして...。何を摺り間違えたのかはとても恥ずかしくてここには書けないのであしからず、Uちゃんごめん、だって本来あるべきでない場所に活字が紛れこんでいたんだもん...(-.-)
この詩画集は会員間で交換するものなので非売品ですが、会場がギャラリーということもあって会員が出品している作品(各自1作品)はその場で購入するのも可能です。私が出品しようと思っているもう一つの作品はまだ未完成。ここ1~2年、版画と陶芸が融合した作品を出品してきたので、今回も同じコンセプトでいこうと思ってはいるんですけどね。何せ陶芸で作った陶板の額は詩画集展の前日にならないと焼きあがらないので(念のため2枚制作してます)、会期直前にようやく作品が完成しそうです。それにしてもいつも困っちゃうのは自分の作品にいくらの値札をつけるかってこと。心情的には気に入ってくれた方がいたらタダであげたいぐらいなんですけどね~。陶板の焼き上がり具合によって決めようっと。
辻堂近隣にお住まいの方がいらっしゃいましたらぜひ詩画集展を見にキテーネ(*^^*)

陶芸作品(デイディナ・プレート他)のご紹介

2005年03月30日 | 陶芸・版画
本日はこの前焼きあがったばかりの新作陶芸作品をご紹介します。ついつい作りすぎちゃって(実際には写真の物も含めて9枚)またまたお財布が寂しくなってしまいました...とほほ。
陶芸を始めてはや6年半が過ぎましたが近頃はすっかり型作り(粘土を型に被せて作る方法)ばっかり。平凡な形の器にせずに如何に自分なりの個性を出せるか考えながら作品つくりに毎回没頭しています。自分なりのこだわりを加えながら一つ一つご紹介させてもらいますね。

・「デイディナ・プレート」(写真右上)
「デイディナ」って耳慣れない言葉ですよね。我が家の最近の楽しみは日曜の午後2時頃から夜までダラダラと飲んだり食べたりすること。真昼間の夕食(daytime+dinner)という意味を込めて「デイディナ」という勝手な造語をつくってみました。巷では一時期ワンプレートランチなるものがカフェで流行ってましたが、「デイディナ・プレート」も一つのお皿に色んなおつまみをのせてゆったりと食事を美味しむためのものです。釉薬は最近お気に入りの飴釉(飴みたいに美味しそうな色をしてるんですよ)にしてみました。

・角皿①(写真右下)
適度な丸みと掌にちょうど納まるサイズの角皿は何枚あっても重宝します。型をとった粘土に御影石のようなつぶつぶの効果を生み出す化粧土(のの土先生、化粧土の名前を忘れてしまいました...)を刷毛で丸く描いてみました。全体に志野釉をかけた後、円の部分は水捌け加工し、再度全体に黒マット(釉)をかけてみたら何だか不思議な風合いの作品に仕上がりました。のの土先生からは「ブラックホールみたいで面白いですね」とお褒め(!?)の一言。確かに見れば見るほど中に引き込まれて行きそうです。これも自然のいたずらかも知れませんね(^^)

・角皿②(写真左上)
これも角皿①と同じように刷毛を使って化粧土で模様を描き、白萩(釉)をかけただけのシンプルな作品。のの土先生からは「Arangさんの作品、生徒さんに好評ですよ。これをお手本にしてる人もいますよ」と嬉しいお言葉。今まで他の方の作品をお手本にすることが多かった私にとっては嬉しい限りです!これからも真似されるような作品を作っていきたいものです。

・亀模様皿(写真左下)
厚手のスポンジにスライスした粘土を置き、上から型を押し付けて成形した作品で、透明釉と銅青磁(釉)をかけてみました。銅青磁を器のへっこみに沿って流してみたところ亀のような面白い模様の作品に仕上がりました。う~ん、見れば見るほど亀みたい!

さてさて次はどんな作品を作ろうかなぁ。4月は銅版画の展示会もあることだし、陶板の額をまた作ってみようかなぁ(先週末にさっそく2枚の試作品完成!)。いつか「李朝アンティーク雅娘」サイトで自作の器を販売できるようになれたらなぁなんて夢また夢の思いをめぐらせるのでした(^^)

リン版画工房で詩画集作り

2005年02月22日 | 陶芸・版画
土曜日に月3回通っている版画教室「リン版画工房」では例年四月になると有志の会員による詩画集を発刊します。今回も30名弱の会員が自分の好きな詩に思い思いの版画(銅版画や小口木版画、紙版画など)を挿入した作品になりそうです。詩画集発刊と言うと大袈裟ですが、会員が内輪で交換し合う非売品のもので、10代の学生から70代(80代?)のお年寄りまで幅広い年齢層の方々が作ったオリジナルの版画を手に入れることのできる貴重な機会なんです。一会員として参加されるプロの版画家やイラストレーターの方の作品にも触発されて、詩画集のレベルと完成度は年々高まっているように思います。
さて、私も色々と思いをめぐらせて今回は「子供が生まれた感動」「子供が私たちを選んでくれた喜び」「子供を育てる親の責任」を一生忘れないような作品にすることにしました。選んだ詩は12月2日の当ブログでもご紹介した鮫島浩二さん(中山産婦人科クリニック)の『私があなたを選びました』(まだご覧になっていない方はこちら⇒http://blog.goo.ne.jp/arang/d/20041202をどうぞ)、そして、版画は生後3日目に病院で取ってもらった子供の足型をモチーフにして活版印刷機で摺ることにしました。
写真の版画制作風景をご説明すると、①まずUちゃんの足型を専門業者に頼んで版(樹脂凸版)にしてもらう ②活版印刷機上部の円盤にインク(私は朱色を選択)をのせる ③印刷機中段に版をセットする(版の配置を決めるのが結構大変) ④詩画集用の紙を所定の位置にセットする ⑤手動レバーを押し下げることでローラーが円盤からインクを補充しながら版にインクをつめる ⑥手動レバーに力をこめて版をプレスして、元の位置に戻せば出来上がり!(写真は摺りあがったところ)
実はこの活版印刷機は今や日本でも現存台数が少なくとても貴重なものとなっています(この印刷機メーカーも今では別の印刷分野に事業の軸を移されたとのこと)。インクの量やプレス(圧)のかけ方、紙の質などによって一枚一枚微妙に風合いが異なるのが活版印刷機の特徴でもあります。足型をスキャナーで読み込んでカラープリンターに出力すれば一度に大量の印刷が可能ですが、一枚づつ微妙な調整を繰り返しながら思いを込めて摺りあげた作品とは圧倒的にその存在感が違います。
今年も辻堂にある「アートスペース キテーネ」にて詩画集展(4/24~4/29)が開催される予定です(日曜か祝日には私も会場にいるかもしれませ~ん^^)。開催日が間近になりましたら当ブログにてまたご案内させていただきますね。春ののどかな昼下がり、湘南ドライブのついでにでもご観覧いただければ幸いです。

ユニークな形の灰皿

2005年01月18日 | 陶芸・版画
私のブログに度々コメントを書いてくれる友人の一権(イルクォン)。
彼は韓国での難しい試験を突破して昨年よりとある研究所に勤めています。まだ一度しか会ったことがないのだけど、私のことをヒョン(お兄さんの意味)と親しみを込めて呼んでくれます。私も弟のように可愛がってあげたいなぁと思うほどとっても良い友です。(見た目は一権の方がヒョンに見えるかも!?)
そんな彼から頼まれていた陶器の灰皿が先日ようやく焼きあがりました。写真をご覧のとおり見た目もユニークな面白い形の灰皿ですよね。彼が気に入っている銅製の灰皿をモチーフに、私なりのアレンジを加えて陶器の灰皿に仕上げてみました。数ある釉薬の中でも光沢があってつややかな味わいが特長の飴釉で銅の風合いを演出してみましたがいかがでしょうか?(余談ですが、私の妻は飴釉の陶器を見ると決まって「美味しそう!」といいます。名前に飴が付くだけのことはありますね)
制作工程でもっとも難しかったのは喫煙者の方にとって最適な形状にすることでした。私自身、一度もタバコを吸った経験がないので、どんな風にしたら使い勝手の良い物になるのか試行錯誤でした。陶芸の先生からもアドバイスをいただいて、灰皿の中央には吸いかけのタバコを置いたり、タバコの火を消すために使う筒状の突起物を配置したりもしてみました。
果たして一権はこの灰皿を気に入ってくれるかなぁ。「見た目だけじゃなくて、使い勝手もいい!」なんて言ってくれたら最高だなぁ。(なんだか無理矢理言わせてるみたい^^)

陶芸10月作品

2004年10月26日 | 陶芸・版画
先日焼きあがったばかりの陶芸作品をご紹介しま~す。
写真の作品を含めて今月は5点ほどできたのですが、その中でもお気に入りの作品を選んでみました。
まずは前方左手の瑠璃色の八角皿。これは薄くスライスした粘土を八角形の型にのせて成型した型作りという手法で、釉薬は瑠璃イラボを使用しています。初めて使ってみた釉薬なんですが、表面に水玉のような斑点模様ができていい味を出しています。住吉工房陶芸倶楽部(http://www.onyx.dti.ne.jp/~matsuki/)の先生曰く、一説ではイラボとは荒れた釉薬の手触りが「イライラする」「イボイボする」ところからとそのように呼ばれるようになったと教えてくださいました。
次に前方右手の飴色の八角皿も瑠璃色の皿と同様の手法で成型し、飴釉をかけてみました。写真だとちょっと分かりづらいかも知れませんが、まるで本物の飴を流しがけしたような独特の光沢を放っています。光の加減によっては琥珀色にも見えてとっても素敵な色あいに大満足の一品です。こういうのを自画自賛って言うんですね(*^^*)
最後に後方の白い器は、ラクビーボールを半分にしたような型を使って成型してみました。素焼きした器に少々水気を含ませた後、白化粧土(粒子の粗い白泥)をかけ、最後に透明釉をかけたものです。朝鮮時代(李朝時代)の茶碗に多く見られる粉引のような風合いになって、使い込むほどに味わい深くなるそうです。数年後、数十年後にはすごく渋い器になってるかも知れません(^_*)
また新しい作品が焼きあがったらこの場をかりて紹介していきたいと思います!!

付記)作品には焼きあがった時に誰のものか見分けやすいようにサインをいれることになってます。私は最初、「流風」(Ruka)と入れたかったのですが、二文字だとサインが大きくなりすぎてしまうので、今は「風」にしてま~す(^o^)

獅子頭の石膏刷り

2004年08月18日 | 陶芸・版画
毎週土曜日の午前中は藤沢にあるリン版画工房に通っています。
普段は銅版画がメインなのですが、毎年8月は先生が色々と面白い版画にチャレンジさせてくれます。
今年はご覧のような石膏刷り!なんでも原料には歯医者さんが歯の治療用に使う最高級の石膏を用いています。
作り方はというと・・・
1.銅版にインクをつめてふき取る(油膜を残し気味とよい)。
2.銅版の作品にしたい部分を油粘土で囲む(石膏を流しこんだ時の壁の役割を果たします)
3.石膏を水で溶く(分量比は石膏2:水1。水が多すぎると刷り上りの色が薄くなります)。この時、石膏を着色することも可能です。
4.石膏を流し込む(石膏はすぐに固まり始めるので手際よく流し込みます)。
5.石膏に麻の繊維を入れて石膏の強度を強化する(壁掛け用に紐やフックを入れてもよい)
6.1時間程度そのまま放置し、十分に乾いたところで油粘土と銅版を剥がす。
7.後日、作品の表面にニスを塗る(石膏はカビやすいのでカビ防止のため)
写真の作品は、愛読書「木の民芸」に登場する獅子頭をモチーフにして造ったものです。壁掛け用に藁を編んでものを入れてみました。
石膏刷りの面白いところは銅板から剥がしてみるまで出来具合が確認できないこと。私の場合も銅板の錆(オレンジ色の部分)がうまく石膏に転写されて民芸風の作品に仕上がりました。また、石膏を水で溶くときにグレーの粉を荒めに入れたので背景が御影石のようになりました。
今度の土曜日も色んな銅板で石膏刷りにチャレンジしてみます!

陶芸徒然(型作り)

2004年06月18日 | 陶芸・版画
陶芸を始めて5年半になります。
毎月3回(1回2時間)教室に通っていたので、単純計算でも400時間ぐらいは陶芸してたことを考えるとかなりの時間を費やしたことになります。まぁ、それだけ陶芸が好きだから続いたのと、やればやるほど陶芸の奥の深さが分かるからやめられなくなるのでしょう。
陶芸にもいろんな技法(例えばつまみ出しやひも作りなど)がある中で最も好きなのは型作り。
薄くスライスした粘土を好みの型にかぶせ、粘土を軽くたたきながら成型していくもので、同じ形のお皿や器をたくさん作りたい時にとっても便利で簡単な技法です。
一般的な陶芸のイメージ(電動ロクロを回しながら成型していく技法:映画ゴーストに出てくるような)を持っている方には敬遠されるようですが、私はむしろ同じ形のものができる利点をいかして、二つの器をくっつけて新たな形の花器にしたりして工夫しながら楽しんでいます。
今週日曜日はちょうど釉薬をかける会なので、来月にでも焼きあがったら、この場でご紹介できればと思います。
さて、帰宅途中で、どの釉薬をどんな風に作品にかけるかイメージを膨らませながら帰ろうっと。