雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

さらに「人形の碑」のはなし

2010-03-10 18:56:58 | 人形のまち 岩槻
        岩槻城址公園にある、石碑人形の碑の詩。



   その頬に ぼんぼり うつし
    
     その髪に さくら かざして
  
   城あとに 相逢うひとの

     いまも ひなに似る
   
   人形のまち



   その胸に 檜扇 ひそめ
     
     その袖に やまぶき 染めて

   七重八重 相寄るひとの

     いまも ひなに似る
   
   人形のまち



40年前、人形塚の隣接地にこの詩碑が建立されました。

当時、岩槻人形協同組合の前身、岩槻人形連合協会が「槇皓志」先生に「人形のまち」にふさわしい詩を作っていただいたそうです。

この「槇皓志」先生について、人形業界の先輩にうかがいました。

 大正13年、青森県うまれ
 埼玉県立浦和中学校卒業後、国学院大学入学
 在学中、海軍予備学生応召
 戦後、文筆活動をはじめ、詩・美術評論・児童図書・古代詩話など執筆
 埼玉文学賞・文芸賞詩部門選考委員
 埼玉文化賞(芸術部門)受賞

人形の碑は、やや公園のはずれの、木々が生い茂った目立たない場所にありますが、
人形塚の向かって右側にありますので、どうぞご確認ください。



石碑の裏側には当時、建立に関わった多くの人形業界の先輩方の名前が刻まれています。

  

毎年、人形供養祭は11月3日、この石碑、および人形塚、黒門付近にて開催されます。

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