雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

「衣裳着人形」と「木目込人形」

2009-01-16 22:04:22 | 文化
前々回、「雛人形の選び方」について触れたとき、雛人形には「衣裳着人形」と「木目込人形」の2種類があるとのお話をいたしましたが、今回はそれぞれの特徴について語りたいと思います。私が木目込職人である以上、木目込人形にひいき目になりますが…。

まず、「衣裳着人形」は華やかで豪華、着付けにボリューウムがある、といったところでしょうか。

一方、「木目込人形」は高貴な、落ち着いた優雅な雰囲気で、飽きのこない面相と形状をしている、といったところでしょうか。

これらの特徴は、一般的に人形業界人の共通理解の感覚であると思います。

さらに、木目込人形のいいところは何といっても、衣裳が型崩れしない、飾り付けと仕舞い込みに時間かからない、なおかつ、収納の場所を取らない、ということもあります。

人形そのものも、木目込人形には、それぞれの職人の特徴が現れます。基本的に筆で書かれた書き目の面相、デホルメされた無駄のないボディの形状、しっかりと織り込まれた上品で趣のある衣装等、一生の宝物であり、お守りとなる事でしょう。

明日、1月17日(土)1時より、東京浅草橋の久月様で、私、新井久夫の「木目込人形の制作実演」を行います。木目込人形にご興味ある方は、冷やかしにいらしてみては?
http://arai-kimekomi.co.jp/