夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』序論 十[自由と普遍]

2019年05月31日 | ヘーゲル『哲学入門』


§10[自由と普遍]
Der freie Wille als frei ist ferner nicht an die Bestimmtheit und Einzelheit, wodurch ein Individuum sich von einem andern unterscheidet, gebunden, sondern er ist allgemeiner Wille und der Einzelne ist nach seinem reinen Willen ein allgemeines Wesen.(※1 )


さらに、自由な意志は自由として、個人が他者から自己を区別する規定性や個別性にしばられるものではないし、むしろ、自由な意志は普遍的な意志であって、そうしてその個別者は、その純粋な意志からして一個の普遍的な存在である。

※1
自由な意志をもつ人間は、自らのあり方や個性にもしばられない。一個の個別者としての人間は、その純粋な意志の面から見れば、本質的に普遍的な存在である。個人は自由であることを介して一般的な他者、普遍とつながっている。

Einzelheit
個性
noun: 個性, 人格, 主体性, 個人性

ein Individuum
原意は「二つに分解できないもの」
noun: 個人, 個体, 個, 個人個人, 私人

der Einzelne
一者、個人、個別者

 

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