§ 11[意志と恣意]
Der Wille kann zwar mancherlei äußerlichen d. h. nicht aus seinem Wesen hervorgehenden Inhalt in sich aufnehmen und zum seinigen machen. Insofern bleibt er nur der Form nach sich ; gleich, nämlich, dass er sich bewusst ist, von jedem Inhalt sogleich wieder abstrahieren und seine Reinheit wiederherstellen zu können, nicht aber dem Inhalt und Wesen nach. Er ist /insofern/ überhaupt nur /Willkür./(※ 1)
意志は確かに、多くの外にある、すなわち、意志の本質からもたらされたのではない内容を、自らのうちに取り入れて、そして、意志自身のものにすることができる。
意志がただ形式においてだけ自己同一性を保つかぎり、同じく、すなわち、意志は自らを意識して、すべての内容を、同時に、再び捨象して、そして意志の純粋さを回復することができる。しかし、それは内容と本質によるのではない。意志は、/そのようなものであるかぎり/一般的にただ/恣意/にすぎない。
※1
意志は意志の本質からもたらされたものでない内容、たとえば、不倫や殺人などの「悪」をも、意識して自らの意志とすることができる。またそれを実行することなく、その意志を捨て去って、もとの白紙へと意志の純粋さを回復することもできる。しかし、内容と本質からそのようにするのでないかぎり、一般的にはその意志は恣意といわれるものにすぎない。
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