ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

今日で7ヶ月、石に心込めて。

2011-10-11 06:32:50 | 茨城の復興・石の現場から
 震災から7ヶ月の節目の日、石の復興現場のお話です。
茨城もまだまだこれからですか、東北も冬が近づいています。
少しでも復興が進むよう、願ってやみません。

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 写真は、お庭で苔むしはじめた筑波石さんです。
間近に見れば、石が苔むすまでに復興をと、促すような表情です。
震度6強の笠間も、屋根などは、まだシートと土嚢が二代目三代目で頑張っているのが現状です。

伝統恒芸に指定される前に、なんとか復旧したいものですね。
身体と生命と財産に関わる事態が最優先ですから、後回しになるものもあります。
倒れたお庭の石の灯篭などはどうでしょうか。

 伝統工芸・茨城真壁の石灯篭は、つなぎ目に横揺れ対応のホゾをこしらえてある真心設計でした。
お陰さまで、私の現場では皆、無事でした。
何事も、見えないところに手をかけるかどうかが、イザというときにものを言いますね。

昔の親方は、灯篭は震度6まで耐えるという話をしていました。
新宿牛込に住み、都心の現場で関東大震災を経験した実のおじいさん親方からの伝承です。
五重の塔と同じで、つなぎ目の自由さが免振構造を実現しているというお話です。

 さて、下の現場写真は、水戸市西部の、ある神社で倒れてしまった灯篭の修理風景です。
中断ほどの台の部材、片割れ状態ですが、もともとの設計です。
100年前には重機はありません。
石は重いですから、部材を分割して作ることは、戦後まで普通に行われていました。

石の世界は基本的に分業で、石切場、加工、現場施工、それぞれのプロがいます。
こちらのみかげ石の灯篭の加工は、設計も仕上げも、とても優れたものでした。
一方、施工のプロさんのほうは、ハテナ?でありました。
一度移設した形跡がありますので、ハテナの主は、そのときのボス、昔も今も十人十色の世の中です。

 こういう未曾有の事態では、いろいろな事象が表面化してしまいます。
どんなに隠しても、隠していることがわかってしまうというのが、これからの世の中でしょう。
かくして、他山の石のたとえを思い出し、己を見つめなおして仕事に精出すメンバーであります。

灯篭にかかわらず、石造美術はお庭の領域でもあります。
どんな名作でも、据えられる場によって趣が変化しますから、いくつになっても修行です。
古い時代の作には、工具は素朴でも精神性を感じさせる確かさがありますから、身が引き締まります。

 先人の心と、と石=自然さんの身体の一部に恥じない仕事が問われております。
開業の年に昔ながらの工法で積んで以来14年、苔むし始めた下の写真、加波山石の石垣の横顔です。
地球さんは石と人間を生んだというような、長い長いお話などは、後日ご報告致します。

話が堅くなりましたので、柔らかいお写真を一枚。
昨日の早朝、雨上がりのナツハゼさんのお姿です。
では、連休明け、お心健やかにお過ごしください。






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