カドノート

フレンチアンティーク・カド店主の日常のあんなこと、こんなこと。

外人さん***

2020-08-12 21:41:09 | 今日のコト


私の記憶に残る初めての「外人さん」は、小学校に上がった年のころ。

母と共に、ビザを取りにアメリカ大使館に行った時。
自分の背丈よりも高くて長い大使館カウンターの前で、母と私の横に
カーラーを外したばかりのようなクルンクルンの金髪の大きな女性がいた。
二人とも恐ろしくお尻が大きかった。

初めて手の届く近さで拝見させて頂く「外人さん」を、母に隠れて覗いているのだけど
何を話しているのか全く分からない会話と笑い。

ゼスチャーが指揮者のように派手で、鳥のような眼をした見たこともない人たち。
母の腰の陰に隠れて観察していたいのに、話の合間に私へ視線を向ける。
目と目が合っただけでもびっくりなのに、その瞬間にバッチーンってウインクを送ってくる。
ウインクなんかされたことないからビックリするよね。
ジャンボマックス君並みの大きな👀で、バッチーンって。
それも一回だけじゃなくて、二人の大きなお尻の外人さんが交互に。。。その度に地響きが起こるくらいの
電流が私の身体に流れたのを覚えてる。

私は今でもウインクなんか苦手だ。
でもいつの時代も「外人さん」はウインクが上手い。
ミカンをひとつ余分に袋に入れてくれた時も、一度走り出したバスが止まってくれた時も
お礼を言う私に返事はだいたいソレだ。(便利でいいよね)





ヨーロッパでも、「アジア人を実際に見たことがない」という大田舎はいまだに有って
どんなところにでも中国人はいるだろうと思うけど、そうでないところだってある。
カフェでお茶したりレストランで食事をしていると、遠慮のない大勢からのガン見に会う事がある。
「フランス語喋った」とか「ナイフ・フォークは使えるようだ」とか周りのヒソヒソ話まで聞こえてくる(笑)

以前、南イタリアの海に面した村に滞在した時、
立ち寄ったカフェで、ほぼすべてに人たちが私たちを見てる事に気が付いた。
居心地の悪さを感じながらビールを頼んだら、缶ビールが出て来て「コップはない」という。



私、缶ジュースとか飲むの本当にへたくそで、その時も口元からビールがこぼれてTシャツの胸元を濡らしてしまった。
そしたら失笑が店中に起こり、「缶なんて飲んだことないだよ」と口々にささやいてるようだった。
「早くこの店から出たい」とビールをちびちび消化している時に私の携帯が鳴った。

皆さんが聞いたこともない「キューピー3分クッキング」の着メロに、ヒソヒソもヒートアップ。
すごい視線を感じる中で、負けてはいけないと私は思ったのだと思う。
バッグから携帯を取り出して、二つ折りを開き、ガン見している皆さんのご期待に応えるべく
携帯の先端を耳ではなく、鼻の穴に付け「もしもーし」とやってやった。

みんなびっくりしたよね(笑)
むせてる人もいたし、椅子から落ちそうになってる人もいた。
あの、してやったり、今思い出しても笑える。

私がかつて強力なウインクビームに地面が割れそうになるほど衝撃を受けたように
私の鼻電話見てた子供達も初めての「外人さん」はすごくショックだった事でしょう。
今でもどこかで「日本人てさ、鼻で電話を受けるんだぜ!」って言ってるかもしれない(笑)





カドのお店は今、入ってるビルの外装修復工事が大々的に行われ
ビルごと大きな黒いネットに覆われて、朝から真っ暗(>_<)
臭い(シンナー)、暗い、うるさいの3重苦、こんな状態でお客様をお迎えするのもどーかと思い
8月に入ってからのご来店は、アポイント制にさせて頂いてます。
ご不便をお掛け致しますが、よろしくお願い致します。