『非正規公務員の現在』 深化する格差 単行本 2015/11/20
上林 陽治 (著) amazon カスタマーレビュー はまだありません。
官制ワーキングプアとも言われる非正規公務員。
地方公務員の3人に1人は、働き続けても独立して生活を設計することができない賃金や報酬しか支払われず常に雇い止めに危機に晒されている有期雇用の非正規公務員である。 その数は増え続けていて、一般にはあまり知られていない。
くわしい法律論(労働法、コンメンタール地方公務員)などは適度に飛ばして読んだ。詳しい法解釈、判例、法制史などにもおよびかなり専門的だ。統計表も豊富。参考文献も豊富だ。
もう少し詳しい実際の事例などもほしかった。
行政需要の高まり→世論の公務員定数削減要請(地公、ここ20年で約16.4パーセント減)→
非正規公務員の賃金は同じ質量の仕事をしても正規公務員の1/2から1/3程度。報酬は「物件費」で処理され「人件費」は増えない仕組み。
公務員バッシングも一筋縄でうまくいかない。
つじつま合わせの役所のサバクリに市民の不信はつのり、やがて相互不信へ、あまり表面化はしない。
さりとて、改善は容易ではなく・・・。
ツイッターで検索すると本書のデータを裏付ける新しい新聞記事が見つかるが、官民格差の激しい島の職場はどうなんだろう。検索は困難だ。
琉球新報の最近の記事をあげてみよう。
琉球新報
県内公務員、非正規化進む 35自治体が全国平均超え
2016年1月8日 05:00
<社説>非正規公務員 官製「働く貧困」を改善せよ
2016年1月11日 06:01
amazon 内容(「BOOK」データベースより)
「ブラック自治体」の実像。増加する非正規公務員を取り巻く深刻な格差・無権利状態を検証し、処遇改善への方途を明らかにする。
登録情報
単行本: 257ページ
出版社: 日本評論社 (2015/11/20)
言語: 日本語
発売日: 2015/11/20