奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

『「新しさ」の日本思想史』 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書) 新書 – 2022/2/9

2023年09月27日 | 本と雑誌

「新しさ」の日本思想史 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書) 新書 – 2022/2/9

「新しさ」という割と日常的な概念だけでこれほどの内容が語れるのか、と驚く。
日本思想史の本なので学術的で難解なところは、ところどころ飛ばしつつ読み進めてみたが、
最後までけっこう読み応えあり。日本語のスキルブラシュアップも兼ねた日本史のおさらいにもなった。

たとえば、海保青陵(wiki 人生の過半を遊歴に費やし、各地で『論語』などの中国古典や漢文作成の文法を教えながら、一方で経済上の様々な相談や指導を行って家計や経営の立て直しに手腕を振い、現在の経営コンサルタントの先駆けとも評される人物である)
についての項が興味を引いた。

いかなる人間関係も基本的にはウリカイ(売り買い)阿蘭陀ハ国王ガガ商ヒヲスル、「物ヲ売リテ物ヲ買ウハ、世界ノ理」
君臣関係もまた 「ウリカイ」 である。

そういわれてみれば「官尊民卑」のイメージが強い薩摩藩は、藩自体が奄美の砂糖などを「ウリカイ」するなどして破綻寸前の財政を立て直すなど、さまざまな貿易にものりだしている。
このことも地政学的に思想史の文脈で語ることも可能だろう。


登録情報
出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2022/2/9)
発売日 ‏ : ‎ 2022/2/9
言語 ‏ : ‎ 日本語
新書 ‏ : ‎ 288ページ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。