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『奄美大島物語』 増補版 (ハードカバー) 文 英吉 (著)

2009年09月09日 | 本と雑誌

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.奄美大島物語 増補版  文 英吉 かざり・えいきち (著)

2008年 1月10日 第一刷発行

全596ページ

この本は、著者 文 英吉 氏の没後50周年に際し、

「奄美大島物語」(昭和32年 南方新社発行)を第一部、

「野茶坊物語」(昭和29年 南日本新聞連載)を第二部、

「神父さん群像」昭和30年 南日本新聞連載)を第三部とし、

増補版として復刊されたもの。 

090909bookkazari2 >ここに感想文が入ります<

読書中

=== 

(ここから追記) P、146まで読みました。

奄美民俗学の父といわれる、著者 文 英吉(かざり えいきち、1890年 - 1957年)は奄美民俗研究家。号は潮光。奄美大島三方村大熊(現在の奄美市名瀬大熊)生まれ。

「奄美大島物語」という書名は、むかしから知っていたのですが、なんとなく、書いてあることは、想像できるさ、と、高をくくって、読んだことがなかった。読んでみてそれは大きな間違いだった。この歳になって、このての反省はこたえる。

古臭いと想像していた文章は、まるで最近書かれた本のように新鮮だった。かたい学者の文章とは一線を画している。奄美大島生まれの著者が奄美大島で生活し奄美大島で研究して書いた文章は、やわらかく、文学的で格調高い。それはナゼか。

1933年(昭和8年)『奄美大島民謡大観』(南島文化研究社)を公刊(1983年復刻、自家版)している著者が、奄美の歴史や民俗の説明に、自身の足で蒐集研究した、島歌の歌詞を用いている。文章はユーモアも感じられ、詩的ですらある。それが事柄の理解をいっそう深くしてくれる。(本の題名は控えめに、「物語」としている)

平家の落人、それに大阪夏の陣のあと南島へ逃れたとも言われるあの真田幸村((さなだゆきむら)の奄美での事跡をたどる「名将真田幸村南島入りのこと P.97」、や、「南島姓氏雑考 P.100」は、そのことによってひじょうに説得力を増している感がある。が、なにを言っても、前後二度にわたる薩摩藩による奄美の各家の系図没収は、著者をもってしても「千秋の痛恨事」と嘆かざるを得ない。(著者は別の箇所では、明治維新倒幕の急先鋒・・「わが薩摩藩」という呼び方もしているP118)

奄美って知らない、というひとにもおすすめ。奄美の前に沖縄でしょっていうひとにもおすすめ。もう読みたい本がないというあなたにもおすすめ。沖縄と奄美の違いがわかれば、さらに日本が見える。


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