2025年5月8日からNetflixで配信が開始
「演技力と役の幅広さ」、「チケットパワー」を持つ俳優=イ・ビョンホン主演。
ハズレはなかろうと、見はじめた。
囲碁のルールを知らなくてもこの緊迫感…! スーツ姿にオーラがただよう。それだけで、完走を決意した。
イ・ビョンホンの“静かなるカリスマ”ぶりが絶品だった。その魅力は映画全編をつらぬいていた。
言葉少なでも視線や間の取り方だけで感情を伝える演技は圧巻。顔演技とは少しちがう。
それと対照的な、弟子イ・チャンホ(李昌鎬)演 - ユ・アインの天才おとぼけ感につつまれた好演技。それに、奥様のさりげない気遣いも見逃せない。
脚本・演出を手掛けたのはキム・ヒョンジュ監督。一手一手から読み取れる人静かなる人間ドラマに仕上げた。
静寂も“演出”だ。石を置く音、打ち手の指の動き、ずれ、置いた石のわずかな揺れ、沈黙する時間さえもスリルを生む。囲碁盤上の格闘技。
勝負だけではなく、師弟愛・嫉妬・プライド、それらが交錯する構成。
画作りの精密さに、脚本・演出両面での評価がとても高い。
韓国では2025年3月26日に公開され、大きな話題に。
特にイ・ビョンホンは、その内面に潜む孤独・狂気をリアルに表現し、「勝負師の誇りと儚さを繊細に体現」と高評価を獲得した 。
日本では劇場規模は限られたものの、鑑賞後のTwitterやブログなどで「囲碁映画の最高峰」「思わず息が止まるような対局シーン」といった声。
囲碁を知らない層からも、「感情が全身に伝播した」「勝負と人間ドラマがここまで融合するとは」といった驚きと賞賛が集まっている印象だ。
単なる伝記でも、単なる囲碁映画でもない。勝負に懸ける者たちの熱と誇り、敗北の痛みと師弟関係の複雑な感情、そして静かなる迫力が見事に調和した“人間ドラマ”である。
イ・ビョンホンの(クールさと人間的温かみの両面を内包する)演技、緻密な脚本、計算された演出が三位一体となり、日韓両国で“囲碁という舞台”を超えた映画として高く評価されているのも当然だろう。一度みると、この役はイ・ビョンホン以外考えられない。