東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

フンザの旅 2019年 8月 No.9 カリマバード〜ナガール村~アッタバード湖~ボリレイク~パスー

2019年11月10日 | ヒマラヤ

7月7日
今日はカラコロムハイウエィを北上し、中国国境のクンジュラブ峠(4733m)を目指してカリマバードを出発。途中に寄り道してフンザ川対岸のナガール村まで行くと、ウルタル2峰の山頂付近のアタックルートの概要が伺え、長谷川恒男パーティーの辿ったルートを推測してみた。雲で中々見えなかったレディースフィンガーとフンザピークも良く見える。
カラコロムハイウェイに戻って北上すると突然立派なトンネルを通過し、そこを抜けると大規模な三体崩壊で出来た自然のダムのアッタバード湖が現われた。ダムの底には集落が埋没して20名が亡くなったそうだが、エメラルドブルーの美しい湖が出来て今や一大観光地に変わってしまった。
周りには建設中のホテルが数棟あって急激な観光地かが進んでおり、今後はパキスタンを代表するリゾート地開発が進み、さらに多くの外国人旅行者がやって来るだろう。今や「不老長寿の里」というフレーズは言葉だけになりそうだ。
勤勉なフンザ人は良く働き粗食にも耐えて長寿を全うしたが、今や車社会で歩くこともなくチキンやマトンを主としたハイカロリーの食事で腹はビア樽状態傾向とか。90~100歳と言われた長寿の里は今や平均寿命65歳らしい。
ガイドがパスー村の手前にお勧めの湖が有るとの事で訪れて見ると、坂道を15分程上がった先に突然緑のオアシスと綺麗に澄んだ湖が現れて、荒々しい岩と砂の無機質な世界から雰囲気は一変する。
ボリレイク(塩の湖)と呼ばれる湖の周りには建ったばかりのホテルが2軒有り、大きな方のホテルで昼食を取ってみたが食事も美味しく気に入ってしまい、パスーで2泊の予定をキャンセルして帰路の1泊をこのボリレイクホテル泊に変更した。
昼食後にはさらに細い道を車で30分ほど先に進み、その先から歩いてパスー氷河見学の散策となる。往復1時間半ほどのショートコースのハイキングだが、終点の小さな丘からは広大なパスー氷河の奥にパスーピーク (7478m)を見渡すことが出来る。パスー氷河はカラコルムでは珍しく氷が露出した白く綺麗な氷河だった。
ボリレイクからカラコロムハイウェイに戻って1時間程車を走らせるとそこは質素なパスー村で、村はずれの道路沿いのホテルに到着すると、ホテル目の前の6000m級の針峰群に我々は圧倒される。夕日を浴びるその姿を狙って思わず数多くのシャッターを切ったが、刻々と変化するその姿は日本では見る事の出来ない荘厳な世界だった。この光景を見るだけでもこのホテルに泊まる価値が有る。

カラコロムハィウェイから見るウルタル1峰(7329m)と2峰(7388m)。

さらにカラコロムハイウェイを北上するとウルタル2峰
の頂上付近がよく見える。右の急峻なリッジが日本山岳会東海支部の初登ルート。中央は第2登した日本隊(カトマンズクラブ)のルート。

カリマバードの対岸のナガール村から見るレディスフィンガー(5985m)とフンザピーク(6270m)。

ナガール村の奥にはゴールデンピラー(スパンテイック)がよく見える。

古代シルクロードの交通の要所だったフンザの面影が残っている。

フンザピーク(左)とウルタル1峰(右)

ウルタル2峰の南面

2年前に中国の資金で掘られたアッタバード湖のトンネル

中国の目的は国境を越えてイスラマバード~カラチ~イランに南進するための軍事道路。

この下に集落が埋まっているが山体崩落は今でも続いている様です。

深いところでは深さが100mあるらしい。

新築中のホテルや観光客用の貸テントなどが多い。トンネルが出来る前には船でトラックも運ばれていたが、慣れない仕事で転覆事故が多発していた模様。 

 朝のカラコロムハイウェイは車が少なく、朝の直線なら90キロ位で飛ばして行く。

 パスー方面から見るウルタル2峰東面の下部。

 ボリレークからシスパーレ(右)を見る。

 平出・中島パーティーは右の壁を抜けて雪稜を辿って山頂に立った。下降は右側の初登ルートの尾根を3~4日かけて下った。

 ボリレイクの小高い丘に登ると6000mクラスの針峰群が見える。地元のクライマーが挑んだが山頂には達しなかった模様。

 2年前にできたばかりのホテルの周りは素晴らしいロケーション。まだ派手な観光地化が進まず静かな雰囲気がお気に入り。

 この湖の水源は地下水で珍しく水が澄んでいる。上の緑のラインは氷河から引いた水路で村中を潤している。

 岩と氷の荒涼とした山とオアシスのような緑と湖の対比が生える。

パキスタン人も泳ぐとは意外。多分、南部ラホール方面から避暑にやって来る金持ちの観光客か?

 カラコロムハイウェイ沿いのパスー村手前の光景。居間は麦の収穫期で女性が畑仕事をやっているが男の姿はない。

 山が崩壊してアッパード湖が出来た際この村のそばまで水が上がってきたらしい。

 ポプラの木とシスパーレ。左はウルタル2峰の東面。

 こじんまりとしたホテルだが小奇麗で内装やトイレなどは立派な設備だった。

 ガイドの車でボリレイクから細い道を30分程進み、パスー氷河がよく見える丘を目指す。

 最奥に見える山はかつて日本・パキスタン合同隊が初登頂したパスーピーク。カラコルムでは珍しく氷河は白くてき綺麗。

 往復1時間半程のショートコースハイキングで家族連れの姿もチラホラ。

 パスーピークの初登ルートは左側の氷河かららしい。

 頭だけ突き出たシスパーレ。

 パスー村の顔とも言えそうな6000mクラスの針峰群。西遊記に出てくる光景はこの辺りか?

 先に見える緑の土地がパスー村。今や中国国境を越えて運ばれる大型トラックが頻繁に行き来する。

 荒々しい山と空のコントラストが印象的。

 カラコロムハイウェイ沿いのホテルに到着してみると目の前はこの光景。

 刻々と変化する光景を見ていると時間を忘れる。

 夕暮れ時の光景。こんな素晴らしい世界だがギャラリーは我々3人のお客と1人のガイドのみ。

 夕方に静かで質素なパスー村を散策。素朴な建物だが村人の教育水準は高く就学率はパキスタンでもトップレベル。多くの人材が海外で活躍しているらしい。

 モスクだけは大変立派。近くには最近日本の支援でできた学校が立っている。

 女性の写真を撮るのは中々難しいのだが意外とあっさりOK

 村の各戸の庭には杏やサクランボやリンゴが栽培されている。リンゴはドライフルーツ以外に翌年の春まで生食保存される。

 広い敷地のゆったりした環境が中々で、ホテルは綺麗で食事は今まで最高の味で大変満足。

 中央がオーナーで兄弟2人でやっている。食事の際には常にそばにいて細かい気づかいが素晴らしい。

 動画 ① ボリレイクの丘からウルタル2峰北面

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