昨日、白山書房より「日本50名ルート」3冊が送られてきた。
自分が直接編集に携わった訳ではないが、著者の菊池敏之氏よりコンテンツの一部と昔の画像を数点提供した件で有難く頂いたものです。
この「日本50名ルート」の選定自体が少し無理がある様な気もするが、その中に仙台や山形のクライマーに馴染みの深い黒伏山南壁中央ルンゼが選ばれた事は実に嬉しい。
今や日本を代表する著名なルートとなり更に人気が集中すると思われますが、反面、登攀スタイルや価値観の変化により役割を終た他のルートが存在し、嘗て夏冬せっせと足を運んだ身としては寂しい気もする。
最近、一部のルートの再整備が試みられている様で今後が楽しみですが、今思えば貸し切りで手付かずの壁にルートを引けた頃が楽しく恵まれていたと思う。
しかし、クライミング歴僅か2年の初心者にとって、激しいチリ雪崩と垂直に近い上部雪壁との挌闘だったが、黒伏山南壁特有の冬の壁は手強かった。
1975年1月 仙台海外登山研究会 この時はクライミング歴まだ2年目。
チリ雪崩で難儀な中央ルンゼの核心部を突破する。下は風の踊り場のビバークサイト。
1978年1月 ダイレクトルート 2.5m庇状の赤い大ハング (下部のみ攻略したが上部には手が届かず敗退)
ハングの出口は特に厳しい。
1993年1月 故遠藤さんと共にダイレクトルートの冬季初登を目指す。
風の踊り場から先は激しいチリ雪崩と表層雪崩が発生。
ダイレクトルートの上部核心部を攻略する遠藤さん。4ビバークの末に初登攀。
黒伏山南壁の上部は垂直に近い雪壁との挌闘が待っている。
【関連サイト】 黒伏山南壁の履歴書