東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

東北 朝日連峰 祝瓶山 ヌルミ沢の大規模雪崩の痕跡 2012.09.17

2012年09月18日 | 雪崩

祝瓶山のカクナラ沢を釣り上がり、桑住平から 直登尾根を登って山頂を踏んだが、驚いたのはヌルミ沢の大規模なブナの倒木。

最初は何なのか解らなかったが、これがどうやら祝瓶山東面のヌルミ沢で発生した大規模な雪崩の跡だと気がついた。直径40~60cm位のブナの木は根元からなぎ倒され、すべてが下流のカクナラ沢に向けて倒れていた。

ヌルミ沢と本流筋のカクナラ沢との合流点は破壊的な状況で、沢を塞いだ倒木は誠に厄介な置き土産ともなって横たわっている。豪雨の際には倒木が下流に流れ、砂防ダム辺りに流れ込む事も考えられ、快適なイワナ釣り場としての環境悪化が気になるところ。

今までも沢の中での倒木は良く目にしたがこの位の規模は記憶になく、また山頂からこれだけの距離を流れたとすればまったく見慣れない雪崩の痕跡の様に思える。大規模な倒木は竜巻で倒れたと思われる鳥海山の鳥越川流域の例を覚えているが、この状況はそれとは全く異なっている。当然付近には豪雨により流れた痕跡の岩や大きな石も見当たらず、明らかに雪崩と思われる状況が伺える。

この雪崩は新雪雪崩なのか底雪崩なのかは確定できないが、ブナの木の根元から倒されていることから見ると後者のケースと思われる。祝瓶山山頂からヌルミ沢とカクナラ沢の合流点までは水平距離で1600m程あり、これだけの雪崩の走路となるとスケールの大きさは別格で、おそらく東北の山では最大規模の雪崩では無いかと思った。山スキーで春山の飯豊・朝日の沢筋を滑っているが、雪崩の規模がやや大きくても急峻な上部の沢止まりで、1000m以上も距離を稼いで本流筋まで達する雪崩は見当たらない。

東面のヌルミ沢上部は急峻なスラブ帯を構成し、山頂から標高差800m余りを駆け下ってカクナラ沢に達したとなると考えるとうなづける。今シーズンの豪雪は近年まれな年だったため、よほどの条件が積み重なっての状況と思われる。しかし、残念ながら木地山ダム方面は6月頃まで林道に雪が残って車は入れず、その後は酷暑の夏が続いてヌルに沢のデブリは消えてしまい、実際この状況を確認した人は少ないだろう。

南東北の山は比較的雪崩が少ないと思っていたが、これはれ珍しいケースとはいえ貴重な資料ともなる訳で、どなたか雪崩の専門家の方に調査して頂く価値があるとも思えるのですが・・・。








































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        山スキー 沢登り 山歩きなどを楽しんでいます。

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