goo blog サービス終了のお知らせ 

東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

杉立て

2006年06月11日 | 林業

林業(山仕事)というとどういうイメージでしょうか?チェンソーで大きなエンジンの音を立てながら、杉や檜などの大木をばっり切り倒す光景でしょうか?
しかし自分の係っているのはこれとは違う。林業用語で「育林」と呼ばれる仕事で、杉の木を植林した後に下刈り、除伐、間伐、枝打ちをしながら、商品価値の有る木に育つまで面倒を見る作業の事を言う。

その中で積雪地帯特有の仕事に「杉立て」とう作業が有る。植林してからの3~10年め位の間、杉の幼木は雪の重さで押し倒されてしまい、5月頃から縄など引っ張ってまっすぐ立て直すことが必要になる。かなり地味な作業で手間ひまのかかる作業だが、5~6月はこれに追われる様な日々となる。

今時杉を伐採した後にもう一度植林する人など稀だが、植林~伐採~植林という60年くらいのサイクルを維持しようとすると、この「杉立て」も雪国では必要不可欠な作業となる。しかも今すぐ収入に直結することは無く、ようやく5~60年後に伐採して初めて現金収入となる気の遠い話なのです。普通ならば伐採した後はコストのかかる植林などせず、そのまま放置してしまうのが一般的。

殆ど金にならない仕事でめいってしまう事も有るが、このまま放置する事も忍びず、出来る範囲の手入れだけはやっておきたいというのが現状。
でも、すっかり立ち直った杉の木を見ると気分もすっきりし、雪にも負けず力強く成長してくれと思うものです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする