新・東京日記 ~ママチャリで行くわヨ!~

子育ても一段落し、だいぶ落ち着いてきた日々の備忘録。

正岡子規いろはカルタ:お正月の遊び

2011-01-04 | 家族

謹賀新年。

我が家は、毎年恒例で鎌倉の実家に長逗留。弟家族(夫婦+小1男子+3歳女児)や妹夫婦も入れ替わり立ち替わり泊ったり、食事に来たりで賑やかな毎日であった。

子どもたちの正月遊びの定番といえば、「カルタ」。娘と甥っ子が小学生にあがるあたりから、皆でカルタ遊びができるようになった。ので、昨年数十年ぶりに引っ張り出したのが「正岡子規のいろはカルタ」。今は亡き祖母が、故郷の松山で買ってきてくれたもので、我が家の冬休みの定番。私と妹と弟が、まだ娯楽の少なかった子ども時代に何度も何度も遊んだカルタである。

すべて子規の俳句なのだが、30年近く経ても、「音」や「絵札」が印象に残っている句がたくさんあるのが面白い。

 たとえば、かの有名な「柿食へば 鐘がなるなり、法隆寺」や、

「漱石がきて 虚子がきて 大晦日」

「松山や 秋より高き 天守閣」「春や昔 15万石の 城下かな」

などは、語呂と情景がシンプルかつ力強いだけあり、3人ともしっかり覚えていて、いつも取り合い になった人気札。

 言葉の響きがユニークで、意味はよくわからないけど三人で暗唱していたのが

「とまらんとす 蜻蛉(とんぼ)に動く 芒(すすき)かな」

「炉塞いで 書(ふみ)読む夜の 地震かな」

「句を閲(けみ)す ラムプの下や 柿二つ」

今読むと、子規が切り取った情景がふっと脳裏に浮かぶ。

 絵札が人気だったのは、

「蓮華草 われも一度は こどもなり」

「のら猫や 思ふがままに 恋ひわたる」

「赤き薔薇 白き薔薇皆 さみだるる」。

 きょうだい3人対決をやってみた。やっぱり、それぞれ得意な句があり、ちゃんと記憶しているから面白い。


なるほど、そういう意味だったのか。。と感慨深い句もいくつかある。

たとえば、子規が死の直前に詠んだ「糸瓜(へちま)咲いて 痰のつまりし 仏かな」。これが絶筆。

「若鮎や 二手になりて のぼりけり」春に若鮎が力強く川を上っていく様を捉えた句だが、一説には、自分が秋山真之、夏目漱石ら同級生たちとは異なる道を歩んでいく姿を重ね合わせているとも言われている。

「いくたびも 雪の深さを 尋ねけり」病魔に襲われ、根岸の家で寝たきりになった子規。雪が降ると、妹の律に何度もこう問いかけたと言う。

「鶏頭の14,5本も ありぬべし」彼の視界に入る小宇宙である「庭」の様子。鶏頭の鮮やかな赤い花が目に浮かぶ。

祖母や両親に読み手になってもらい、カルタ遊びに興じた子どもの頃。祖母も父も亡くなり、その代わりに新しい家族、次の世代の子どもたちと一緒に同じカルタで遊んでいることにしみじみと時の流れを感じた。

そして、大人になって改めて接する正岡子規の俳句。写生的な俳句、子規の心情と世界観が凝縮された俳句の数々に驚嘆したのだった。(2月には、家族全員で松山に法事に行ったのだが、私は一人で「正岡子規資料館」に行った。お勧めです。その後、子どもたちも一緒に夏目漱石や虚子らと句会を開いていた愚陀佛庵にも行ったのだけど、そのあとしばらくして豪雨で流れてしまったとか。。。。) 

それが去年のお正月。

今年はなんと!!娘と甥っ子の合作、手作りカルタが登場!!これにはたまげた。読み札も絵札も手作り。

自分たちで考えた読み札がユニークで、正月早々、爆笑の連続。

写実シリーズ

「いなりずし おすしやさんで 食べてみた」「レモンがすっぱい もういやだ」

「焼き芋食べたら へが ぷっぷ」「手相みて あらら あららと こまったよ」

ちょっとポエティックシリーズ

 「のらねこさん どこみて走っているの? まちかどよ」

「ラジオを聞いて ああニュース」

ダジャレシリーズ

「日本は 海におちて ジャッパーン」「桃食べて うしが もーもーもー」

家族登場シリーズ

「かずくんは せが高すぎ こまっちゃう」「まどふき かずくん まどがかり」

「ルミネで買い物 ああ ばあば」

 

さらには提言!?まで(笑)「くさった 食べ物 捨てようよ」

 

 基本的には同じ遊びなのに、毎年毎年、子どもたちの遊び方は進化する。カルタを作ろうという発想もすごいし、ひとつひとつ読み札も絵もよく考えてるなぁ~と思う。さらには、三歳児のまなちゃんも一緒に遊べるように「必ずまなちゃんがとる札」を決めようという工夫の仕方。そして、とれたら皆で大喝采。その時のまなちゃんの満面の笑みにまた一むわけで。まなちゃんもカルタの楽しさをしっかり心に刻み、来年はまたとれる札が増えていくのだろう。

お正月の遊びって、毎年同じように思えて実は変化を遂げているんだなぁと思った。そしてそれは、そっくりそのまま家族の歴史だったりする。


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