新・東京日記 ~ママチャリで行くわヨ!~

子育ても一段落し、だいぶ落ち着いてきた日々の備忘録。

こんなことがありました

2007-04-05 | Weblog

しばらく全く更新していないにもかかわらず、多くのアクセス数を頂いているようでびっくりしています。

で、いろいろありました。何があったか!?1週間くらい前に事の経緯を書き始めたらあっという間に7ページくらいになってしまった。子どもに関することなので、やはりあまり詳しく書くのもどうか思い直したが、やはり子どもを持つ方々には知っておいていただきたいという強い気持ちもあるので、叙情版はお蔵入りにして簡潔に報告することにします。

結論から言うと、息子の足の骨に良性腫瘍がみつかり、それを切除する手術をした。昨年末から足が痛いといっていたのだが、成長痛かサッカーのしすぎだろうとばかり思っていたところ、とうとう痛くてサッカーの練習にも行けない、朝起きたときに足が痛くてひきずって歩く、という状態になった。ので、1月下旬に近所のS会中央病院にいってレントゲンをとったところ、骨に腫瘍のようなものができていて、すぐに骨腫瘍専門医に診せるよう強く進言された。「悪いものの可能性もある」とのことだった。S会にも専門医はいなかった。K大病院系列なので、K大病院に紹介状を書くが、そこにも腫瘍専門医は一人しかいない上に1週間に一度しか来ないので予約をいつとれるかわからないといわれた。

すぐにインターネットや本で調べたところ、良性腫瘍と悪性腫瘍の決定的な違いは、痛みの有無だということ(悪性は痛みがあり、それがどんどんひどくなる)がわかった。あわせて、悪性腫瘍の代表的なものは骨肉腫、ユーイング腫といわれるもので10代の男の子に多いこと、スポーツをやっている子はその痛みだと本人も周りも勘違いし、近所の整形外科や接骨院でレントゲンも撮らずに痛み止めや湿布でやりすごし、その間にどんどん進行すること、悪性の骨腫瘍は発生件数は少ないが先ほどの2つ以外にもやたらに種類が多く、確実な診断をつけるためには骨腫瘍専門医の診断が欠かせないが、症例数が少ないために専門医の数も少ないことなどがわかった。子どもの場合は、接骨院や整形外科でやり過ごしているうちに痛みがひどくなり、総合病院にいってレントゲンを撮って初めて腫瘍の存在がわかるが、総合病院に腫瘍専門医が常駐していることはきわめてまれなので、紹介を受けて大学病院に行くがそこでも専門医は一人しかいなかったり、その一人も週に1度しか来ないというケースが多くあり、待たされているうちに手遅れになる、ということもあることがわかった。

K大の紹介なんて待っていられない。総合病院や大学病院でも1人しか専門医がいないところはどれだけ時間がかかるかわからない。とにかく、専門医がチームで常駐していて、検査から治療まで短期間でできるような体制が整っているところ(専門医チームと高度な検査キャパシティ)を探さないといけない。で、探し当てたのが癌研有明病院。しかし、紹介状が必要だし、予約時間もとっくに終わっている。このときには、息子の症状があまりにも悪性腫瘍のそれに合致していたので、とにかく一刻も早く診てもらわないと、という思いであった。そこで、次の朝、一人で癌研に行き、事情を話してどうにか診てもらえないか涙ながらに頼んだところ、整形外科部長が診てくださることになった。

それから、長い2ヶ月。レントゲン、CT、MRI、骨シンチ等ありとあらゆる検査をしたが、確実な診断はえられず、結局腫瘍を切り取って生体検査をすることになった。で、癌研に入院し、手術して生体検査をした。そして、やっとシロという診断がついたのである。

カズの場合、腫瘍の周りに炎症が起きていてそれが痛みの原因だということまではわかっていたが、その炎症が何で起きているのかがわからなかった。良性腫瘍は痛みも炎症も起こさないのだそうである。骨膜炎や骨髄炎のような細菌感染も疑われたが、そうであったら高熱を出したり患部が腫れたりの全身症状がでるが、それがなかった。あとはごくわずかだが悪性腫瘍の可能性。結局、以下のような結論に達した。息子の骨には良性腫瘍がかなり前からできていた。それが骨を圧迫して折れやすくなってはいたが、そのときにたぶんサッカーの練習かなにかで衝撃を受け、そのせいで小さな骨折を起こし、それがもとで炎症が起きて痛みがあったのだろうとのこと。


良性腫瘍を切除したところ、見事に痛みはなくなった。でも、骨を切ったのでその痛みがまだ残っており、いまだに松葉杖。しかし、段々回復してそのうちまたスポーツもできるようになるとのこと。ただいまリハビリ中である。(←行動が制限されて、ほんとに私も大変。。。。送り迎えとか。。。。)

という2ヶ月でした。

悪性骨腫瘍は症例数は少ないが、それでも年間200件はあり、10代に多い。それ以下の年齢でもある。膝の周り、肩のあたり、股関節にできるケースが多い。早期発見できれば治癒率は高いが、小さい子だったりスポーツやってる子だったり、まれには股関節あたりの痛みは恥ずかしがっていわない子もいたりして、本人も親も痛みがかなりひどくなるまでほっておいてしまうケースがある。また、接骨院や整形外科ではレントゲンもとらずに見過ごされることも多い。レントゲンにはカズの場合もそうだったが、腫瘍らしきものははっきりと写るので、子どもたちが肩、腕、足に痛みを訴えてそれがどんどんひどくなるようであれば、ちゃんとレントゲンを撮ったほうがいいと思う。それから、骨腫瘍の専門医はとにかく少ないので、もしレントゲンで異常があったら、すぐに骨腫瘍専門医チームのある病院に行った方がいい。なんだかんだと待たされて手遅れになるケースも実際にあるから。

子どもが今日も明日も5年後も10年後も元気で、すくすくと成長していくこと、それは親であれば当然だと思っているし、だからこそ一生懸命育てる。私も息子が成長して成人するのは当然だと思っていた。しかし、そうでないことだって実はあるかもしれない。だからこそ、「今」というときを大切にすること、それがいかに大切なことか、よくわかった。それから、自分が子どもたちを育てていると思っていても、実はいかに自分自身が子どもに助けられ、支えられ、子どもによって人生を豊かにしてもらっているのか、ということも身にしみてわかった。