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数学落ちこぼれのたわごと:2点の像を探しても十分条件は?

2005-01-09 23:50:25 | 数学
山本矩一郎の数学の本で特徴的なのはいわゆる「スローガン」ということである。

ただそのスローガンというものもまったく問題がないとは言えないかもしれない。スローガンが絶対だと思うと間違えるのではないかということはたとえば、「2点の像を探せ」というスローガンについていえるかもしれない。

これは一次変換に関する問題を解くときの解法を示したものだが、『山本の一次変換の基本』には以下のような記述がある。


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なぜ‘2点の像をさがせ’ば、答えが出るのか?
この程度の問題では、その説明まで要求していない、と考えるのが入試問題での常識です。
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ここでは上の文が載っている問題はあえて引用しないが、具体的にどのような問題で設明が求められるのか、求められないのか惜しむらくは明確な説明が一切ないのが残念である。

もちろん自分は数学はまったくだめであるし、この本も実は改訂されているのだが、その改訂版は買った記憶があるが、紛失したので、もしかしたら訂正のようなものがないとも限らないが、いずれにせよ、「2点の像をさがせ」というスローガンが必ずしも万能ではないことは言えるのではないだろうか。

この問題では、ある直線の一次変換による像を「XとYの式であらわせ」と書かれているので、たしかに論理的な検証は必要ないだろう。

しかし「どのような図形に移るか」と訊くような問題においては、2点の像を探すことでかたがつくだろうか。

山本はある問題に関して、「2点の像を結ぶ直線を考えてもやれますが、‘直線のベクトル表示’を利用するほうが簡明です」としている。自分にはこれ以上踏み込んで考えることはできないが、このような問題においては2点の像をさがす解法は常に使えるわけではないような気がする。

つまり「2点の像を探す」解法はあくまでも計算の便利性を考えた特殊な解法であって、記述式の問題には向かない場合もあるのではないだろうか。

これは言うまでもないことかもしれないが、山本はこの本の最初の方で「単に‘直線の像’を求める場合だけでなく」といった書き方をしているので、いかにもこのスローガンが万能であるかの如くに錯覚してしまいかねない。錯覚したほうがおろかなのかもしれないし、このような書き方でやる気を起こさせてくれるところが山本数学の魅力なのかもしれないとも思うのだが、実はある直線の任意の点を二つとってその像をもとに一次変換された直線を決めるというのは、本当はおかしな話しのような気がするが、それがなぜかは分からない。(9日23:54分追記:つまり十分条件が示されないということではないだろうか。2点の像をさがすのはあくまで、必要条件を示すことに過ぎないようにも思われる。)

山本はたとえばx+y=1という式が簡略な表現であり、これを直線と呼ぶ場合いきちんと、

l={(x、y)|x+y=1}とすべきであり、

云々と述べている。もし「直線」ということにこだわるのであれば、ある直線が一次変換によってどういう直線に移るかを調べるためには全ての点について調べることが必要なような気がするのだが、それを避けるためには直線のベクトル表示というのは、かなり有効だと思う。

ブログでは、ベクトル表示も行列も示しにくいので、この話しはこれぐらいにするが、いずれにせよ「2点の像をさがす」解法が有効なのは、ある直線が直線に移ることが前提とされている問題に関してのみ有効なような思える。
 
                    文中敬称略
こまかな部分は直すかもしれません。



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