創世記21章27節である。「アブラハムは、羊と牛の群れを連れて来て、アビメレクに贈り、二人は契約を結んだ。」という。両者の間には、井戸水の取得の問題で何か穏やかではない問題が発生しいたという意味を含んでいる。ここはその問題をも含めて将来に向って平和を築こうとしたのは被害者のアブラハムからであった。友好関係を造り出そうとする一つの決断が、ここのアブラハムの方からの契約締結の行為となったといえる。それにはそれ相応のアビメレクの誠意を読み取ったからに違いない。
その結果「二人は契約を結んだ。」のであった。これは、人間的にいっても堅い同盟関係の契約といえる。アブメレクが26節の「知りませんでした」という発言は井戸の返還を伴ったのであろう。その誠意に応えるアブラハムであった。28節である。「アブラハムは更に、羊の群れの中から七匹(シェバ)の雌の小羊を別にしたので、」という。この七匹の羊が、27節の「羊と牛の群れを連れて来て、アビメレクに贈り、」といわれている。その羊の中に含まれていたのかどうかがここの問題である。なぜなら契約のしるしとして、契約以外の目的をもったもの、すなわち、「井戸を掘ったことの証拠」(30節)含めるのは、契約の儀式の重要さから考えにくい。しかし、実際はその群れの中に含めていたのであった。
ここの言葉遣いからは、「羊の群れの中から七匹(シェバ)の雌の小羊を別にした」といわれているところは、アブラハムの手で「羊の群れの中から七匹(シェバ)の雌の小羊を別にした」という意味であって、契約にはアブラハムが自ら7匹の羊を分けることによって井戸のアブラハムに帰属の確認であったといえる。
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