日本キリスト教会 大分中央教会

1517年、宗教改革による改革派信仰の伝統を引き継ぐ教会です。

プロテスタントとカトリック

2015-06-30 03:46:49 | 大分中央ウィークリー

五、「教会とわたしたち」(318)

4.近代の教会の夜明け―宗教改革―スコットランド

6世が61歳で英国の王になった。エリザベツに嫡子がないので、元イングランドの王ヘンリー7世の曾孫にあたるこのジェームス6世がイングランドのジェームス1世としてそのままイングランドの王位に着いた。かつてジェームス6世の母親で、あの腹黒いメアリー王女がこのヘンリー7世の孫に当たるという理由で、イングランド王女エリザベツと王位継承で争ったのは、その血統のゆえであった。この母親を幼児の時から引き離されて育てられたジェームス6世がイングランドの王位に即位するとは、われわれの想像に及ばなかった出来事となった。これをイギリス史では王冠連合(Union of theCrowns)という。(ここまで前回)

つまりジェームス1世と改称して、イングランドと共にスコットランドも一緒に統治することとなった。このころからジェームス1世は教会の統治権を手中に収めようとする意欲をあらわにしだした。7年後の1610年国会の賛同を得て、英国国教会の監督政治をスコットランドにも監督政治を取り入れようとした。しかし、スコットランド教会は強力な抵抗体制をとった。ジョン・ノックスの死後の教会の後継者となった、ノックスの友人アンドリュー・メルヴィルは、かつてジュネーヴで学び、カルヴァンの感化を強く受けた人であったために長老政治を固守し王と争い投獄された。(つづく)


聖書研究

2015-06-30 03:45:03 | 大分中央ウィークリー

創世記21章14節である。「アブラハムは、次の朝早く起き、パンと水の皮袋を取ってハガルに与え、背中に負わせて子供を連れ去らせた。ハガルは立ち去り、ベエル・シェバの荒れ野をさまよった。」という。「子供を連れ去らせた」は10節のサラが言う「追い出してください」とは、大きな違いがある。父親としてのアブラハムの感情を言葉遣いに読み込ませたものと思われる。 

それにしてもこの文章は、イシュマエルが幼児のように読ませているが、文脈は14歳の以上の少年でなければならない。「 (乳離れした) イサクをからかっている」(9節)ところからも少年である。聖書学の問題である。 

15節である。「皮袋の水がなくなると、彼女は子供を一本の潅木の下に寝かせ、」という。ここでは「彼女は子供を一本の潅木の下に寝かせ、」とある。あたかもイシュマエルが16~17歳ぐらいの少年(16:16,21:5)であるとは思えない。幼児のごとくである。ロビンソン訳英へブライ辞書によると「子供」のへブライ語の原語の「イェレド」は、幼少からのいろいろな年代に用いられたとする。たとえば、創4:23「若者」と訳されている。 

従って、原語そのものの幅広い用い方によるのが原因のようである。「一本の潅木の下に寝かせ」の「寝かせ」というが、新改訳(1970)では「投げ出し」と訳している。この翻訳によると、疲れ果てた母親のハガルが少年の手を離して「投げ出した」とも取れるところである。とにかく翻訳上の問題のようであって、資料の違いの資料説による説明は困難である


牧 会 通 信

2015-06-30 03:39:21 | 大分中央ウィークリー

ダンテの「神曲 地獄」編 第10歌(カッコ内は筆子、その7)

(原 光訳 2000年、沖積舎) 

◯「あのものたちはわしとわしの先祖と党派に、残酷狂暴に敵対してゐたのだ、だからわしは二度あのものたちを追ひ散らした。」

  追ひ出されはしましたが、二度とも、」とわたしは答へた、「八方から戻つてきました、でもあなたの味方は戻る術(すべ)を良く学び取らなかつた。」

  そのとき蓋の持ち上げられている墓の口から、一つの霊があの霊と並んで顎まで現れた、たしかに起き上がつて膝をついてゐたのだ。

(ここまで前回 )

◯他のものがわたしと連立つているか見究めようとでもするかのやうに、わたしのまはりを見まはしたが、もしやといふ思ひがすつかり消えてしまふと、

涙を溢れさして言つた、「そなたが才知の高さの故に、この暗黒の牢獄を通つて行くのなら、わたしの息子はどこにゐる?  なぜそなたと連立つてゐないのか?

わたしは答へた、「わたしは自身の力で来たのではなく、あすこで待つてゐられる方に導かれてきたのです、恐らくあなたのグイド(ダンテの親友)はあの方をみくびつてゐたやうですが。」(つづく)

 

◯2015年6月28日は、今年の第二十六主日。日聖協「聖書愛読こよみ」は、Ⅰペトロ1章13~25節、その25節、「主の言葉は永遠に変わることがない。」という。「草は枯れ、花は散る」と、自然の秩序と比較。単純であるが、主の言葉の不変がよくわかる。

◯写真は、去る21日の九州中会北部壮年会集会で感謝祈祷会の風景。出席者は男8女2の10名であった。


プロテスタントとカトリック

2015-06-23 03:08:53 | 大分中央ウィークリー

五、「教会とわたしたち」(317)

4.近代の教会の夜明け

―宗教改革―スコットランド

かくしてエディンバラ城の籠城派は完全に孤立した。同月、英国女王エリザベツはモルトン伯との約束を守って、イングランド軍をスコットランドに派遣した。十一日間の砲撃戦で、イングランド軍の大砲がエディンバラ城の城壁を破壊し、5月28日に籠城軍は降伏した。かつて1560年リースにイングランド艦隊を派遣してフランス軍を追い払ってプロテスタントの会衆軍を助けたことがあったが、ここでもエリザベツがスコットランドのプロテスタントを救った。神の歴史の不思議な巡り会わせというより他に言いようがない。

  その後1603年、英国の女王エリザベツの死去、スコットランドのジェームス(ここまで前回)

6世が61歳で英国の王になった。エリザベツに嫡子がないので、元イングランドの王ヘンリー7世の曾孫にあたるこのジェームス6世がイングランドのジェームス1世としてそのままイングランドの王位に着いた。かつてあの腹黒いメアリー王女が、自分がこのヘンリー7世の孫に当たるという理由で、イングランド王女エリザベツと王位継承で争ったのは、その血統のゆえであった。この母親から、出生直後、幼児の時から引き離されて育てられたジェームス6世がイングランドの王位に即位するとは、われわれの想像に及ばなかった出来事となった。これをイギリス史では王冠連合(Union of the Crowns)という。(つづく)


聖書研究

2015-06-23 03:07:22 | 大分中央ウィークリー

創世記21章13節である。「しかし、あの女の息子も一つの国民の父とする。彼もあなたの子であるからだ。」という。神の言葉はなおも続きます。側女、ハガルの子に対しても神は配慮される。かつて、アブラハムにその妻サラが身ごもると言われたときから、先に86歳のときに(16:16)生まれていたハガルの子はどうなるのかアブラハムには大きな悩みであった(創17:18)。 

しかし神のこの言葉は、その時も今もかわらず、ハガルの子、イシュマエルに対する約束は変わることなくここで実行されるのであった。理由は「あなたの子であるから」である。しかしこの言葉によって、明確にイサクと区別されている。直接の選びの系列の中にはないという言い方である。それにもかかわらず、アブラハムとの血のつながりよって、神の契約の中に入れられ、「一つの国民の父とする」という光栄を受けるのである。 

14節である。「アブラハムは、次の朝早く起き、パンと水の皮袋を取ってハガルに与え、背中に負わせて子供を連れ去らせた。ハガルは立ち去り、ベエル・シェバの荒れ野をさまよった。」という。「子供を連れ去らせた」は10節のサラが言う「追い出してください」とは、大きな違いがある。父親としてのアブラハムの感情を言葉遣いに読み込ませたものと思われる。 

それにしてもこの文章は、イシュマエルが幼児のように読ませているが、実際の文脈はは14歳の少年でなければならない。「 (乳離れした) イサクをからかっている」(9節)ところからも少年である。聖書学の問題である。